黄泉比良坂とウカ様のお土産
よろしくお願い申し上げます。
第二話 黄泉比良坂とウカ様のお土産
黄泉比良坂で界理は冥府の神イザナミと話していた、
「界理よくきてくれたね、私はいつも何時もさみしくてね、肩をすくませながらイザナミは言う、さぁせっかく来てくれたのだからお茶位飲んで行って!」
「ありがとうございます、ご馳走になっ!?
はっ!!イザナミ様!私がこのお茶飲んでしまったら、帰れなくなってしまうではありませんか?」
「ちっ!」
今舌打ちしましたよね!本当に此の方は思わず勧められるまま飲んでしまう所でした!
「他愛も無い戯言よ、許しておくれ。さて今日そなたを呼んだのは、この愛し子の事だ
この者彼岸の畔りで想い人を待ち続けておるのだが、なぁに彼岸の畔りで想い人を待ち続ける者は沢山おるのだが、この者既に八十年以上彼岸の畔りで待ち続けて、おるのだよ」
「八十年以上ですか?」
界理は考える、この愛し子がいくつの年に此方に来たのかは解らないが想い人が
八十年以上此方に来ていない、あり得ない話ではないが考え難い、ふと気付く!!
「気が付いたかかい、そう、この者の想い人の魂はこの世界に存在しておらんのだ」
「イザナミ様と母上はこの愛し子の想い人の件が先日の召喚事件に関係があるとお思いなのですね!」
「解らぬがあの者も私も無関係では無いと思おておる、であるからこの愛し子を連れていっておくれ」
そう言ってイザナミは自分の手のひらに愛し子の魂を乗せそっと差し出す。
界理は頷き懐ろから小さな試験管の様な壷を出しイザナミの手のひらの愛し子に
話しかけた。
「さぁ愛し子よそなたの想い人をいっしょに捜しに出掛けようぞ!」
イザナミの手のひらの魂は、一瞬強く輝き界迦理の手のの壷の中に入る、と同時に魂より記憶が流れ出す想い人と結婚した直後戦争によって離れ離れになってしまった事、自身も戦争によって命を落とした事
界理は目を閉じ、ふぅーっと息を吐き
「イザナミ様、愛し子の魂この天界理命がお預かり致します」
「宜しく頼みましたよ、そうそう今年も神無月に出雲で相手をしておくれ、楽しみにしておるよ!明日から気を付けて行って来るのだよ。」
イザナミは名残惜しそうにだが、微笑みながら界理を見送る。
「はい、では行って参ります!」
と、一礼して界理は黄泉比良坂を後にする。
同時刻力子は明日のシロン訪問の打ち合わせを、式神達と行なっていた。
「明日の訪問は公式の訪問となりますのでシロンにあるスイーネス様の神殿前まで車で入ります、隊列は先導単車4台後、指揮車、リムジン、護衛車、運搬トラックの順になります、またシロンは女神様をはじめ弟神以外は全て女性なので界理様以外全て女性の式神で構成しています、あとウカ様の所より、十名ほどサポートに入って貰う予定です、各自自分の仕事を再確認をし、明日に備えること以上!」
後はウカ様の所より、御土産と機材の搬入ですね界理様はもうウカ様の所に着いている頃でしょうか。一方界理は少し慌てながら廊下をウカ様の社に向っていた。
「遅くなって申し訳ありません、ウカ様」
日出ずる国の神域で、一際大きな社に入って界理は一礼すると其処にはとても美しい女神が立っていた、この女神名を宇迦之御魂、この国の商売の神様で同じく外国の商売の神ヘルメス様と共同で神ネットの中にイズモネットと言う下界で言う所のインターネットの様な物を作り、同時に神ゾンと言う通販サイトを立ち上げそれを去年出雲の展示ブースで、ウカ様の式神会社、鳥居神機の固定型、タブレット型、携帯型の神ネットにも対応の端末も同時発表、契約を開始した、特に話題になったのが通販サイトの神ゾン日出ずる国のあらゆる商品が端末で閲覧でき、しかも購入出来るのである、購入すれば翌日には鳥居のマークの子狐便が配達してしてくれるのだ、また神達のお供で来ている天使達にも神が端末契約を結んでいれば携帯型の端末を契約することができた、これらがもうメガヒット!
この年の出雲では神、天使がみな携帯型の端末を持っているのがステータスになっていた。あまりの人気にアクセスが集中し過ぎ、現在異世界からの神ゾンへのアクセスが今年の神無月まで制限され現在調整中で不通になっている。
「良いのですよ界理、天照様より聞いています、既にこちらで先方への御土産は用意してあります、女神様には神ゾンの女神ランキング一位のスィーツセット弟神には、酒宴セット天使の皆さんには、お菓子の詰め合わせを用意しておきましたよ、どれも人気商品なので自信を持ってお行きなさいな、それとあとウチの方からも今回の訪問に十名ほど同行させようと思います。」
「ありがとうございます、ウカ様、ウカ様セレクトの御土産きっと喜んで頂けると思います。」
「あと秘密兵器!コレは今年の出雲で発表する予定の今年度版神ゾン総合カタログ、これをチラつかせたら、天使殿達はイチコロですよ」
とウカ様は笑いながら話す界理はきっとこの神様はこの世界で一番力を持っているのではないかと思っている。
「帰って来たら土産話を聞かせておくれ、」
「はい、ウカ様行って参ります。」
こうして界理達の準備は整っていった。
ありがとうございました。