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天職が転職な三つの理由  作者: 二階堂翡翠
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転職をしよう

2018年6月現在日本の景気は東京都内の新宿に実在する国営管理局の景気管理省の上層部に完全にコントロールされた。

職を選ぶ自由も部署を選ぶ自由もそこには存在しない。割り振られた役割をただ黙々とメトロノームが時を刻むかのように一定のリズムでこなしていく。

いくら学を収めても、資格を持っていたとしてもそれは無意味。ただの独りよがり何の武器にもならない誰かが作った会社という檻に自由すら閉じこめられ疲弊し朽ち果てていく。

誰もがそんな生活にうんざりしながらも希望を持てずにいた。



「突然ですが、今日を以てこの仕事は辞めさせて頂きます!」


事務所の上司の机に白い封筒に綺麗な字で辞表と書かれた紙が勢いよく叩き付けられた。

今は朝の8時半。眠い身体を起こして、朝食を済まし、スーツを着てネクタイを締める。そして会社までは電車に一時間揺られながらの通勤だ。普通のサラリーマンならごく普通な距離でありそれほど苦ではない。それに埼玉県の大宮ということを視野に入れれば決して悪条件ではなかった。


「辞めるってねえ、君。うちの雇用契約書目を通してなかったワケ?」


職場の上司は呆れ半分で大して取り繕うこともせずに問いかけた。


「いえ、読みましたよ。確か二週間前の届出が必要、でしたね」

「分かってるならこの行為は失礼だろ。それに、厳密には一か月前な」

お怒りモードの上司は声のトーンを下げながらネチネチと突っかかってきた。

「それに、転職するのは構わないが、新しいところ見つかったの?

10年前までと違って今は就職凍結期という事を忘れてないよな。

お前の割り振られた仕事はこの会社以外に無いだろ。お前が昔【国営管理局】に勤めていたからと言って今ではその経歴は錆び付いてなんの意味ももたないんだ。わかるな?」


今から10年前。日本の就職内定率が50%を下回った。

原因は高望みしすぎた故に志望した会社の採用試験で落とされる、夢を見た結果がコレだ。

東京都新宿区に所在する高さ210mはあろう超高層ビル。国内でも一番と誉れ高く、入社が決まるだけで一生の生活の安定が約束される、そんな超エリートと呼ばれる社員で構成された組織【国営管理局】

早稲田、東大、京大、明治大学、有名大学院で学を修めたものはこぞって此処に就きたがる。

一応俺TUEEEとか異世界とかそんなものは弾いているつもりデース。

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