バレンタイン企画(辰巳の方角の愚者)
これは辰巳の方角の愚者が高校時代に経験した実話を元に作られています。
慣れないジャンルだったためちょっとグダグダになってしまった感じがありますが楽しんでいただけると嬉しいです。
バレンタイン。
それは元々ローマの殉教者聖バレンタインを祭る祭日で友人や恋人の間でカードを交換したり、贈物をする習慣でしたが、日本では女性が好意を持った男性にチョコレートを渡す行事となっている。
故に好意に想われている女性がいる男性なら楽しみな行事だが、それがいない男性は悔しい思いをするか義理チョコを貰うかといった程度の行事である。
そんな男性達が切迫した空気の中、興味がないと言わんばかりにしているその男子生徒がいた。
その男子生徒は日常的にあまり女子生徒と関わる機会がなかったため自分に好意的に思っている女子生徒はいないと理解していたためバレンタインという行事そのものを自分と一切関係がないものと割り切ることが出来ていた。
そんな男子として色々とアウト思考をしている男子生徒が放課後何時ものように所属する部活に向かうとそこでは部員で唯一の女子生徒が部員達にチョコを配っていた。
女子生徒曰くいつもお世話になっている部員の皆にチョコをあげようかなというものだった。
多少の驚きを感じつつ男子生徒が感謝してチョコが入った袋を受け取った。
しかし男子生徒はその袋を見た瞬間固まってしまった。
袋そのものはお菓子を入れる程度の大きさの袋で何も問題はなかった。
問題はその袋に貼られたシールだ。
そのシールは恐らくパソコンで作られたオリジナルの物だ。
そしてその内容は…
“いちころ”チョコ(殺虫剤入り)
効果:女性に近づく害虫(男)を退治します!
それを目にした男子生徒が驚いて女子部員に聞いた所、それは彼女の父親がギャグで作ったものであることがわかった。
それがギャグであることがわかると部員全員で女子生徒の父親のアイディア力に関心したり笑ったりした。
その後、男子生徒はそのチョコレートを家に帰ってから食べて袋はごみ箱に入れた。
瞬間、男子生徒に悪寒が走った。
しかし、男子生徒はあまり気にせずそのままベットに入り睡眠をとりました。
その日の男子生徒の夢は奇妙なものだった。
女子生徒が男子生徒をじっと見ていました。
男子生徒は何を考えているのか分からず困惑した表情を浮かべていると女子生徒は急に殺虫剤を取り出しそれを男子生徒に向けて吹き掛けました。
そして、男子生徒は…
そんな夢を見て男子生徒は起きた。
そして夢の内容から不吉な予感を感じた男子生徒はすぐに袋をごみ箱から取り出して、それを丁寧に保管した。
それ以降その女子生徒に対して男子生徒は本能的な部分で危機感を持ち女子生徒には逆らうことが出来なくなってしまいました。
今でも男子生徒はバレンタインが近づくたびにその事を思い出し恐怖している。
僕はバレンタインが近づくたびにあの袋の存在を思い出します。
それにしても当時を振り返る度にあの女子生徒の父親を見てみたいような見てみたくないような気分になります。
…その袋ですか?
袋は今でもガチで保管(封印?)されていますよ。
取り合えず一つ思うのが、本人にバレないといいなぁということだけですね。
今日、夢に出てきそうで怖いなぁ。
あ、一応誤解されないように言っておきますけど彼女いない歴=年齢ですから。