第6話 銀髪の護衛
定期輸送の依頼が増え始めた頃——問題が発生した。
「最近、街道に盗賊が出るらしい」
商業ギルドの一角で、商人たちが顔をしかめている。
「護衛を雇うしかないかな……でも高いんだよな」
私は腕を組んだ。
私の魔導馬車は速い。揺れも少ない。
でも、完全無敵じゃない。
もし複数の盗賊に囲まれたら?
馬車を守れる戦力が必要だ。
「……護衛、か」
◆ ◆ ◆
ーーー数日後。
私は町の外れにある石造りの建物を見上げていた。
ーーー奴隷商館。
正直、気分はよくない…
でもこの世界では、戦闘奴隷や犯罪奴隷は一般的な存在。
解放前提で契約する商人もいるらしい。
私は深く息を吐いて中へ入った。
重い空気が漂ってる…
鉄格子で囲まれた部屋からの奴隷達からの鋭い視線を浴びた。
「おや、お嬢さん。何をお求めで?」
太った商人がにやりと笑う。
「戦える人を…護衛になる人材を探してるんですが…」
「では、こちらへどうぞ…」
案内された部屋に、数人の男女が並ぶ。
その中で——ひときわ目を引く青年がいた。
銀髪で鋭い瞳で私を睨みつけてる。
鎖に繋がれていて、薄汚れてはいるが顔面はかなりのイケメンだ…
そして無駄のない筋肉!
ヤバっ私の好みの細マッチョだ!
「彼は?」
「ああ、それは元傭兵。濡れ衣で落ちましたが、腕は本物ですよ。ただ……扱いづらい」
青年がこちらを見る。
その瞳には、諦めと——かすかな反抗心。
私は、迷わなかった。
「このイケメン、買います!」
◆ ◆ ◆
手続きはあっさり終わった。
奴隷紋章の刻印。契約証。
でも私は、商館を出た瞬間に言った。
「名前は?」
「……レオン」
低く、落ち着いた声。
「レオン。私はカスミ。商人よ」
「商人が、なぜ俺を?」
「護衛、あと私の仲間になってもらうつもり」
彼の目がわずかに揺れた。
「奴隷だぞ?」
「契約はする。でも、働き次第で解放する」
はっきり言う。
「私は“従わせたい”んじゃない。“一緒に稼ぎたい”の」
………沈黙。
そしてレオンは、小さく息を吐いた。
「……変わった商人だな」




