第3話 初仕事
ーーー初仕事の日。
商人たちが私の馬車を見て首を傾げる。
「ずいぶん小さい馬車だな」
「その量、入るのか?」
私はにっこり笑って言った。
「大丈夫です!私の馬車侮らないでくださいね!」
荷物を積み込む。
外から見ると、明らかに容量オーバー。
でも——
内部は余裕。
さらに、魔力で振動軽減を付与。
保存肉には温度維持機能を追加。
「では、出発します!」
車輪が淡く光り、馬車が滑るように走り出す。
通常半日かかる道のりを——3時間で到着。
到着した瞬間、依頼主は目を丸くした。
「は、早すぎる……!」
しかも荷崩れなし、品質劣化なし。
ふふふ、どうよ!私の魔導馬車の威力は!!
こうなってくると、私の魔導馬車に愛称付けて可愛がりたくなってくるわ!
だってその方が愛着湧くもんね!!
そうだ!昔飼ってた猫の名前が"ミロ"だったから、ミロにしようかな…
ミロ!今日もお勤めご苦労様
魔導馬車のハンドル代わりの魔導制御盤を撫で撫でする。
何となく喜んでくれてる様な気がした。
私は確信した。
このスキル、間違いなく“当たり”だ。
小さな村から始まった一台の魔導馬車。
まだ豪華客船のような内装も、王都の巨大ステーションもない。
あるのは——木製の小型馬車一台と、商人ランクFのカードだけ。
……でも。
私は知っている。
この車輪は、やがて王都を動かす。
「まずは——一台から」
夕焼けの道を走りながら、私は魔導制御盤を握る。
異世界転生。
剣も魔法もない。
だけど私は——
移動で、世界を変える。
そんな予感とともに、魔導馬車は次の依頼地へと走り出した。




