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同窓会に行ったら異世界に召喚された  作者: 神谷洸希
ビームを放てるようになるまで
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15

「エルフの国だと!?」


「那奈様の前でうるさいぞお前!」



 お前もな。おかげで俺ら無茶苦茶見られているじゃないか。



『……まず聞こうか。お前らは誰かな?』


「どうも芦n、」


「お前ごときが名乗って言いわけがないだろう!」


「あ、こいつは……アホって言うんだ」


『えーと?』


「ただ単にそれが名前なんだ」


『ほう』


「いやオレには帆、「《ファイアボール》」なっ」


「お前に名乗る資格はないっ!」


「オレ達って友達だよな?」



 そうだな。俺の親切心だぞ。


 それにしても俺の渾身の何故か爆発する魔法を受けても外傷が見あたらないな。


 頑丈だ。さすが不老不死なだけはある。



「お、おい?何でそこで黙るんだ?」


「……。あんたが門番ってことでいいんだよな?」


『門番?まあそうかな。臨時だけどね』


「なんか言ってくれよ……」


『じゃあ君は会ったばかりの僕になぐさめられて嬉しいのかね?』


「さらに悲しくなるだけです」



 だよな。

 うむ。まあ悲しませてんの俺だけど。



「そういえば門番さん声が反響していますね」



 そりゃあ、脳に直接話しかけられてるわけだからな。


 ディミニッシュ・グレイの作品の1つを用いて会話を行っているようだ。


 大量生産はしていないようなので、ディミニッシュ・グレイとは知り合いなのだろう。


 気にはなるが、自重している最中なので情報把握は使わないことにする。

 ……というより使えない。理由は不明だ。

 アイテムには使えるのに。



「それに、中学生くらいに見えます」



 間違ってないと思う。俺にも13歳くらいの男の子が目の前にいるように見える。


 おそらく正規の門番ではない。



『実際人間換算すると13歳だからな。しょうがないだろ』


「念話らしきものを何故行っているのか、詳しく」


『喉を痛めた』



 ……それだけかよ。



「あ、そうだ。ドラゴン、盗賊の討伐依頼がきちんと受理されているか確認してくれないか?」


「分かった」



 ドラゴンは飛んでいく。


 これいつも思うんだが、転移魔法使えばいいのにな。



 あと、受理されたかどうかなんて情報把握で簡単に分かる。

 受理されている。何故行かせたかと言えば、邪魔だったんで。


 面倒くさくなるだろうしな。ほら、地球人がいるからさ。この国。



『厄介払いかー。僕もよくやられたなあ』



 やられたほうなのか。


 というかこいつとてもじゃないが13歳の言動をしていない。


 顔の表情も動かないし。



「オレはそんなに厄介払いはされませんね。何故でしょうか」


「お前はいつも寝てるから、その間に忘れるんだろ」


「なっ……。友達に向かってなんてことを。やるか?」


「うむ。お前に二百年後に必ず死ぬ呪いでもかけてやろう」


「お前が言うとシャレにならん!」



 不老不死かつ幸運な■■には効かないがな。



『それ二百年経つ前に寿命で死んどるわ!ってやつだよね?』


「なるほど、そういうことか。ならば恐れることはない!」


「お前は不老だったよな?」


「あああぁぁぁあああああああ、そうだったぁああ」


『うるさいよ』



 そういやなんか忘れているような気がする。



『この国にはなんで来たんだ?』


「なんでだっけ」


「さぁ?」


『お前らひどいな』



 ひどい?なんで?


 情報把握を使う。あ、據か。忘れてた。



「おいアホ。據だ」


「誰だっけ?」


『いや訂正。アホは人間なのかね?とてもじゃないが人間の考え方をしていない』


「こいつは思いつきを実行して失敗したことがないからなあ」



 なにしろ俺に対処ができないくらいの強運の持ち主である。

 要は失敗経験がないのだ。


 この幸運は俺もほしかった。そうすれば母親を社会的に抹殺することができていたのに。



「オレだって失敗したことはある」


「くはは、そうだな?」



 俺と■■では失敗の基準が違うようだ。人生における失敗はそりゃ■■にもあるだろう。

 だってこいつの幸運は実際の幸運とは少し違うからな。


 あくまで思ったことがその通りになるだけで、その人にとって幸運になるとは限らない。理屈は知らないが。


 ノエルが知っているからな、調べる必要がない。



『ははは、據くんのところに行こうか?』


「ああ、よろしく頼む」


『とりあえずこの手錠はつけてね』


「割れた」


『……魔力量は?』


「普通より少し上」



 何故か割れた手錠だが、復元魔法で直しておく。



「割れた」


『これは絶対君の魔力量のせいだと思うのだがね』


「でもアリス様は普通より少し上って言ってたしな」


『アリスの基準はあてにならない。あいつは規格外だから』


「そうか……。で、あのアホに手錠はいらないのか?」


『あ、忘れていた』



 うっかりしてるなあ。


 あのアホの幸運のせいかもしれないが。



『あれ?この手錠壊れている』


「しかも修復不可」


『……』



 ただの当てずっぽうだが、合っていたらしい。目の前のエルフの少年は片眉を上げた。



「で、據はどこにいるんだ?」


『まあいいよ。ほらこっち』


「うむ」



 着いた。ここまで五十分。以外と遠かった。



『ゼーゼー』


「別に念話でまで言わなくてもいいと思います」


「それにしてもすごい汗だ」


『た、確かに念話、を、使う、必要は、なかっ「ゴホ、ゴホッ」』



 念話が解けている。血を吐いているんだが大丈夫なのだろうか?


 まさか念話でしゃべったからじゃないよな?


 念話用の機械を調べてみたが、喉を痛める効果はないことが分かった。



『き、気にしないでね?いつも、の、こと、だ、「ゴホ、ゴホッ」』


「大丈夫じゃないですよ」


 《大丈夫?いつものこととはいえ私もちょっと心配になってくるよ》


『ふぅ、危うく骨になるところだった』


「それ大丈夫じゃないでしょ」



 情報分析完了。対象のステータス把握。特出すべき箇所、固有称号・番人、教皇。番人の効果、その特異なる頑強さ。教皇の情報取得に失敗しました。再度やりなおすことをおすすめします。



 ずっと固まっていた情報把握が起動したと思うとそんなことを言い出した。



 再度確認します。固有称号・教皇。効果が分かりません。他の視点から探してみます。情報取得しました。タロットシリーズ。名前の通りタロットカードを参考にしています。全て揃うといいことあるかも……?だそうです。


 私も持っているようです。



 っ!そんな称号知らねぇぞ。俺のステータスも把握しろ!



 オリジナル。少し落ち着いて下さい。私らしくありません。素が出ています。


 あなたの称号は女教皇です。なぜ女なのかは不明です。教皇という名がついている以上あなたが一時期教皇だったことが関係していることはほぼ間違いないでしょう。さっき取得した情報持ち主が現教皇である可能性があります。



 あ、ああすまん。取り乱した。それにしても普段機械音みたいなのに、こういう時だけ感情的だよな。



 ……私はあなたに他ならないのですから。










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