表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

参 初音(はつね)店長の二つ名

"可愛いものと衣装作りが好き"と言う趣味を持った一人の高校生、吉水雪那【よしみずせつな】と雪那の趣味を一番に理解して雪那が心を許せる存在、御影那由多【みかげなゆた】の二人が世の中に未だ蔓延る理不尽極まりない固定観念や見世物を見るような眼差しを向けられながらも、"自分らしく"を貫き学園生活を送るのだが。。。

初音(はつね)店長の活躍のお陰で、無事にファッションショーを開催できた雪菜(せつな)たち・・・


喫茶ゆぐどらしるのメンバーと他店舗のキャストの総勢七十名。


裏側で、初音(はつね)店長の友人や協力者による雪菜(せつな)に対しての誹謗中傷ともとれる投稿した人物の特定等のたゆまぬ努力があったからこそ実現した今回のファッションショー。


そして...今回が開催最終回という異例の終わり方をしてしまった背景には、ただならぬ事情が隠れていたのだ。


それは・・・遡ることファッションショー開催二ヶ月前。


初音(はつね)店長は、喫茶ゆぐどらしるの開店作業をしようとしていた。


店長である為、他のキャストたちより一時間早く喫茶ゆぐどらしるに出勤していて、業務用のパソコンを立ち上げSNSで今週の開店時間についての投稿をしようとしていた。


まさにその時であった。。。


初音(はつね)店長が思わず目を疑うような内容の投稿を見つけてしまい一人”ボソッ”と声に出してしまう。


「え?これって...まさか。」


この時、初音(はつね)店長が見ていた投稿の内容は...


とあるキャストに対してのストーカー行為や盗撮。


そして...根も葉もないとあるキャストに対してのありもしない噂や、そのキャストに対しての素性を暴露!?的な事がかかれていたのであった。


余りにも、モラルの欠片も無い投稿に底知れぬ怒りを覚えてしまった初音(はつね)店長。


「これはひどいわ。いったい何者だ?こんなありもしない噂を流している人物は...」


今にも怒りを爆発させてしまいそうになってしまう初音(はつね)店長であったが・・・


喫茶ゆぐどらしるの開店作業をしなければならないということを思い出して取り急ぎで、開店作業に戻りどうにかこの日は、時間通りに開店作業を終わらせられて無事に開店させるのであった。


初音(はつね)店長は自身の休憩時間を利用して、彼女が持つ人脈を頼りにとあるキャストに対しての誹謗中傷ともとれる内容の投稿や、情報の発信者の特定。


そして・・・誹謗中傷を受けたとあるキャストが誰かという情報収集を初音(はつね)店長自身の持つツテを利用して進めていくのであった。


それから、二週間もの月日が流れた・・・


初音(はつね)店長は、自身の休みの日も情報収集に時間を費やしていたある時・・・ついにストーリーに急展開が起きる。


それは、誹謗中傷を受けたとあるキャストが…。


吉水雪菜(よしみずせつな)だということを特定された。


まさかの身内・・・しかも家族の様に付き合いのある雪菜(せつな)だということに驚きを隠せないでいた初音(はつね)店長。


だが...雪菜(せつな)本人に事の展開を伝えるか伝えないかという葛藤に、襲われるようになった初音店長は今にも感情が爆発しそうなくらいに、自身を追いつめてしまっていたのだ。


それから、ファッションショー開催の約一週間前まで時は進み。


誹謗中傷を受けている雪菜(せつな)本人に、未だ事の顛末を伝えられていない初音(はつね)店長。


彼女自身は、普段通りに雪菜(せつな)に接し内に秘めた今にも爆発しそうな感情を押し殺して、優しい姉的存在を演じ続けていた。


しかし...彼女の我慢もついに限界を迎えることになった。。。


それが...雪菜(せつな)本人から自身のSNSに、誹謗中傷を書かれていると直接言われたことによって、彼女の今まで溜めにためていた見えない存在への怒りがついに爆発した。


まさか雪菜(せつな)本人から誹謗中傷を受けていると、話されて雪菜(せつな)を守らなければいけないと心に誓った初音(はつね)店長は、ここから猛スピードで行動開始をしたのであった。


彼女自身の古き友人、そして...信頼のおける彼女自身のネッ友に逸早く情報を回して即座に、誹謗中傷を行っているアカウントの主の特定に尽力した。


ついにその結果が実を結んだのがファッションショー開催の前日であったのだ。


阿修羅の如く情報をかき集めて家族同然の雪菜(せつな)を守り切ることに成功した。


この事件が初音(はつね)店長を“”鬼の初音(はつね)店長“”という二つ名を付けられてしまう発端となってしまうのであった。。。


だが...この事件が雪菜(せつな)本人の人生観を歪め捻じ曲げてしまう事の序章に過ぎなかったのである。














何時になれば、差別や奇怪な眼差しを向けられずに過ごせるのだろうか...否定ばかりの人生じゃ何も楽しくない。何事も快く受け入れられた時こそが。。。人間としての成長なのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ