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今日は止みそうも無いため、この洞窟で野宿することにした。


「火をつけたいけど…木は全て雨に濡れているからつけることは難しいな。もしこの洞窟の中に燃えるものでもあれば…」


僕はそう思い、スマートフォンのライトをつける。


「結構…奥が深いな、あまり中に入ると落盤の可能性すらある、慎重に行こう」


僕は洞窟の左側の壁を触りながら歩いていく。


このようにすればどんなに奥深くに行ったとしても、出口に戻ってこれるのだ。


「風があるな…何処か他の出口があるってことか。しかし、こんな洞窟どのようにしてできたのだろうか、とても自然にできたものとは考えにくい。動物がやったとしてもここまで綺麗に掘れるだろうか…いや掘れないだろう。水によって削られた可能性もなくはないが、洞窟ができるとは考えづらい。やはり、知識を持った生き物がこの近くにいる」


僕はこの時、他所なりとも、知識を持った生き物がいると思うようになった。


そして洞窟を歩いていると僕は革新的なものを見つけた。


「これは…焚火をした後だ!火を使えるということは人の可能性が高いぞ!」


僕は焚火に手をかざしてみる。


「熱は無い…すでに離れた後か。しかし、これは大きな収穫だ、人がいる…人がいるぞ!」


僕は宇宙飛行士試験に受かった時以上に興奮していた。


「少し奥に入りすぎたな…これくらいで戻ろう」


そして僕は壁に付けている左手の上に右手を置き、左手を放し右手で壁を伝いながら、元来た道を戻った。


「良し!何とか出口に帰ってこれたぞ。それにしても雨がひどいな…こんなに降ってたら、洞窟が崩れるぞ…何てね。そんな簡単に崩れてもらったら困るんだけど」


冗談のつもりだった、本当に冗談のつもりだったんだ。


天井が崩れ出し、大きな音と共に天井がいきなり落ちてきた。


「嘘だろ!」


僕は咄嗟に外に出る。


「ドドドドドドド」という大きな音と共にさっきまで居た洞窟は崩れ去った。


洞窟が崩れた、しかし雨は一向に降り続けている。


「やばいな…この雨の中、ずっといたら僕の体温はどんどん低下していく。宇宙服を着ているとはいえ、そう長くはもたないぞ。それこそ、宇宙服が無かったら3時間は持たなかった。早く雨を凌げる場所を見つけないと」


車も無い、家も無い、コンビニも無い、傘さえない、今目に見えるのは木と草ばかり…


「いったい何処に行けばいいって言うんだ…仕方ない…とりあえずあの木の下へ」


僕は雨の日に木の下に行くという最もしてはいけない行為をとるが、雨を凌ぐためには仕方ない。


「これでも多少は防げるものだな…あの時代、ホームレスが生活できていたのは周りに雨を凌げる場所があったからなのかな…いや、人は元々こんな何もない土地で過ごしていたんだ。それこそ洞窟とかで。まぁその洞窟が崩れたんだけど…は~」


深いため息をつく。


「明日は晴れてくれると良いな…」


結局その日は何もできず、木の下で一夜を過ごした。


「ん…あ…朝か。いつの間にか眠ってたんだ…もし冬だったら死んでたな」


その日は昨日の天気が嘘のように快晴だった。


「滅茶苦茶晴れてるな…良かった。まさか地球に帰ってきて初めてのシャワーが雨になるなんて思ってもみなかったよ」


一昨日と同じように、川を伝って海の方に向っていく。


海に行けばきっと人がいると信じて。


昼まで歩き、シェルターを作る、作り終えたら、食料と水の確保。


ほぼ毎日これの繰り返し、未だに人らしき生き物を見つけることはできていない。


このような毎日を送っていたおかげで、大分以前の体力に戻ってきた。


「良し!今日は宇宙服なしでも歩けるな、何なら思いっきり走れるかも」


その場でジャンプしてみる、少しぎこちないが一応できているようだ。


「もう少しで宇宙服は寝袋になるかもな…」


そして、数日後…


どんどん、川の幅が広がっていく…そして川の流れも緩やかになり目標にしていた目的地が目に飛び込んでくる。


「やっと…たどり着いた、海に」


夏にはしゃいでいるパーティーなピーポーのように騒ぐことはできないが、広大な海は地球であることを実感させてくれる。


「綺麗だ…」


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


他の作品も読んでいただけるととても嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。



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