魚?
「は、は、は、何とか引き上げることが出来たぞ…それにしても、これは…」
この生き物は魚なのか…
ウロコが以上に発達している。
「この生き物は魚というより、ワニの方が近いんじゃないか…鋭い歯を持っているし。いやでも、形からすると鯉に近いのか…。どちらにせよ、こんな生き物は見たことがない。」
この生き物が食べられるのか、それが問題だ。
僕はキャンプ地に魚を持って帰る。
「できればちゃんと内蔵処理なんかをしときたかったけど、あいにくナイフも包丁もないから、そのまま焼くしかないな」
鱗が硬すぎて、側面からでは差し込めなかったため、仕方なく魚の口から木の棒を突きさす。
「これで良し」
焚火に立てかけ、じっくりと焼き上げることにする。
火によって表面の水分が飛ばされる。
だんだん白くなっていき、表面が焦げ始める。
頃合いになったら、反対側も焼き上げ、同じようになったら、しっかりと仲に火が通るまで、繰り返し行う。
「そろそろ良いか?」
魚を手に取り、大きな鱗をはぎ取りながら、しっかりと火が通っているか確認する。
「良し、もういいかな。それにしても大きな鱗だな、めちゃくちゃ硬いし。でも何かに使えるかもしれないから、取っておこう」
僕はそれよりも空腹だった。
「この魚が食べられれば、久々のちゃんとした夕食になるぞ」
僕は噛り付いた。
「この味は…鶏肉に近いかもな…サッパリしていて、とても筋肉質な身だ、魚でこんな味食べたことないな。でも、意外と食べれる。」
僕は魚を食べ進めていく。
内臓の部分は危険なので食べないようにしておく。
危険な動物がいる可能性があるため、内臓は地面に穴を掘り埋めた。
「満腹になったら、急に眠気が…」
僕は焚火の日を見ながら眠りについた。
次の日、
僕は昨日と同じように、川沿いを歩き、海を目指した。
「今日は天気が荒れそうだな、早めに身を隠せるところを探さないと」
洞窟や、岩の隙間などがあれば、雨風を凌ぐことが出来るのだが…いきなり洞窟に入って、中にクマなんかがいたら大変だ。
この森にクマがいるかは、分からないが何か大型の生き物がいるのは間違いないだろう。
「は~こんな所で、武器も持たずのうのうと歩いている生き物がいたら、誰でも襲ってきそうだけどな」
そして、等々雨が降ってきた。
「うわ~最悪だ!まだキャンプも決まってないのに。降り始めてしまった」
僕は偶々見つけた洞窟に身を隠す。
「仕方ない、細心の注意を払いながらこの場所で雨を凌ぐしかないな」
雨がどんどん強くなる。
「これじゃ、止む気配がないな。ここで眠るのは避けたいんだけどな」
僕は洞窟の壁にもたれ掛かる。
「今何時くらいだろうか、太陽が見えないから分からないな。僕の感覚だと今は午前10時くらいかな…」
今日は止みそうも無いため、この洞窟で野宿することにした。