国々
「うわぁぁあ!!」
海に投げ入れられ、僕は顔面から海にダイブする。
「ぼおぼぼぼぉぉ…」
鼻から海水が入って痛い…
「う…うう…」
少しずつ目を開けていく、外から見ていた海を僕は今中から見ている。
その光景を見た僕は息を呑む…
――す…凄い。こんなに綺麗だったんだ…プラスチックの欠片すら見つからない…僕が知って居る海とは大違いだ…
僕の知って居る海はそこら中にプラスチックごみが浮遊しており、眼を開けられたものではない。
僕が宇宙に出発する頃ですらあれだけのごみがあったのに…ホントに何もかも無くなってしまったのか。
目の前には姿かたちは違えども、海を泳ぐ魚たちが踊り子の如く舞っている。
勿論僕では捕まえることなどできず、海面へと浮上するのが精一杯だった。
「はぁはぁはぁ…これじゃあ…逆浦島太郎だよ…」
獣人たちは次から次に、海に飛び込んでいく。
「なんでそんなに早く泳げるんだ…おかしいだろ…」
魚を捕まえては騎士に投げ入れる。
推定50匹ほどだろうか、一家に5匹の魚が行き届く程度の量を確保した。
――大きさは約80㎝…結構な大物だ。形や大きさはイワシに似ているな…もしそうなのだとしたらデカくなりすぎな気もするが…
「よし、今日の所はこれくらいで十分だろう。金になるものは無かったが、腹が満たせるだけでもマシだろう」
「今の世界にもお金があるんですね…どういったものを買うんですか?」
「そりゃあ、主には食料だろ。あとは、武器や薬草なんかもよく買うな」
――お金の使い方も大して変わっていない。
「なるほど、そのお金は誰が発行しているのですか?」
「各国を治める、王国や政府が発行してるよ。まぁ民族とか旅人は物々交換も多いけどな。大体どの場所でも金は使える。ただ、偽金が普及してる国の価値は低い、まぁそう言う国の方が多いけどな」
「そうなんですか…ありがとうございます」
――まだ他にも多くの国があるんだな…もしかしたら何か手掛かりがあるかもしれない。
「それじゃあ、皆魚を持って家に戻れ」
皆それぞれ魚を持って出来立ての家に帰る。
「俺たちも行くぞ」
「あ…あの、ちょっと待ってください。その魚締めていきませんか」
「締める?どういう意味だ?」
ガイアさんの持っている魚たちは今も元気に動き回っている。
「えっと、ガイアさん今ナイフみたい見たいなものを持っていませんか?」
「あるには有るが…どうする気だ?」
何かいきなり怖い顏をされる…
「その魚のエラにナイフを入れて背骨を折ってください。その後、もう一度海水に付けて血抜きもしていきましょう。そうした方がおいしく食べられると思いますよ」
「そうなのか?にわかには信じがたいが…試してみるのも悪くないか」
ガイアさんは持っている魚を宙に投げ腰に付けているナイフを引き抜くと、一気に5匹の魚のエラにナイフを入れ込む。
暴れていた魚たちは一気におとなしくる。
魚の頭を一度、海水へと浸し血を抜く。