そのイベントは俺が欲しい
豆知識:沖田の席は教卓から見て前から3列目の左端
いつか座席表の絵書こう
俺の所属する3年D組は今までで一番優秀なクラスだと言われている。
別になにかが素晴らしく秀でた人間が居るわけでもない。だが優秀だと言われている。
理由は何個かあるが、ひとつは定期テストの学年ランキングの独占だ。
俺が在籍するD組は40人、学年全体は355人なのだがその2位~41位はD組である。
1位?1位はA組にいる天波とかいうやつだった気がする。
とりあえず、例として。
野崎菫、あいつは学年4位だ。体育の成績はあれだが、それをカバーするような成績らしい。
三条磨広、学年22位だ。しかも身体能力も高く、素晴らしい生徒だと言われている。
俺?俺は学年31位。このクラス内だと半分より下だが、他のクラスから見たら良いほうらしい。
「あ、おはよう」
俺が教室に入ると、三又が挨拶してきた。
三又音乃、ギター部所属の元同僚の現同級生。それなりに美人でテストは学年12位。
大きめのギターケースが近くにあるのが彼女の目印。
「おはよう音乃」
「あれ?みんなも一緒だったんだ」
「あ、おはよう三又さん」
「おはよー」
次々と挨拶を交わす野崎達。時計をみるとそろそろ朝のHRが始まりそうだ。
キーコーカーコーン、キーコーカーコーン
「おいお前ら。席につけー」
号令と同時に担任の下道先生が教室に入ってきた。俺達は自分の席に座った。
――HR中
ふぁぁ、朝のHRはいつも退屈だ。そういや転校生の紹介もないんだけど。
もしかしてデマ?俺は文句を言うために委員長の机の方向に振り向いた。
「すー、すー」
まさかの寝てた!?委員長ともあろう方がなにHRで寝てんだよ。ダメじゃん!
「おい?どうした?」
隣の席の三条が小声で尋ねてくる。
「いや、委員長が寝てるんだよ」
「・・・いつものことだろ」
いつものことなの!?俺初耳なんだけど。
「あ、そうだ。転校生を紹介する」
やっとだ。てか先生絶対忘れてたな。ちょっと顎に汗垂れてるのわかるし。
「入ってこい」
先生の言葉と共に扉が開く。扉の前に居たのは
「あ、もう入っていいですか?」
ショートヘアーの快活そうな美少女であった
「紹介しよう、今日からこのクラスの仲間になる南地さんだ」
先生の紹介と共に転校生が自己紹介を始めた。
「南地愛海です!よろしくお願いします」
ふむ、体つきや肌の色を見たところ体育会系のようだ。
しかもあの容姿、すでにクラスの大半の男子の目はハートになっていた。
「ん・・・・?まさか・・」
声のした方向を見ると、三条が口を半開きにして驚いている。
もともと、三条はあまり驚かないタイプだったはずだが?
「どうした三条――」
「あ!三条くんだ!」
いきなり南地が叫んでこっちに来た。いきなりどうしたというのだろう。
「久しぶりだね!三条くん!」
お、どうやら三条と南地は知り合いらしい。驚きの情報だ。
「あ、あぁ・・・久しぶりだな」
なんか、男子の怨嗟のこもった目線が三条に向いているような気が・・気のせいか。
そんなことも露知らず、彼らの話は続いていく
「ここに入学してたんだー、何年ぶりかな?」
「確かお前が転校したのが3年前だから・・・」
「おーい、お前らー」
先生が声をかけると共に三条たちの会話が終わる。
「お前ら知り合いだったのか・・なら三条。お前が校舎案内やれ」
「はぁ!?」
三条が素っ頓狂な声を上げた。だが俺にしては願ったり叶ったりの提案だ。
三条には気の毒だが、ここは引き受けてもらおう。
「いいよな、沖田?」
「はい、問題ありません(キラキラ」
「こいつ・・・(ギリッ」
三条が横で歯噛みしているが気にしない。頑張ってくれたまえ。三条君
「お前、終わったら覚えてろよ」
本気すぎる殺意に思わず逃げよっかな、と思った。
「これよりHRを終わる。1時間目まで座っとけー」
今日の朝のHRは、俺にちょっとした恐怖を植え付けて終わった。
新キャラ:南地愛海
幼稚園と小学校が三条と同じ、スポーツ少女
成績:B 身体能力:A+