おわかれ
ひかりはさくらに生まれ変わることを言おうとしたが、おっちゃんに内緒だと言われていたことを思い出した。
どうしようかと悩んでいると、
「行っちゃうの?」
とさくらに言われた。
ひかりは言い当てられてビックリして思わず頷いてしまった。
「さくらもね、そうたと生まれ変わるの。おっちゃんが『やっと許可がおりた』って言ってたの。」
「そうたと?」
ひかりはさくらも生まれ変わることは初耳だったし、そうたの名前が出てきたのにも驚きだった。
「そうたは赤ちゃんだから許可がいるんだって。」
「ふーん。」
ひかりはさくらの言っている『許可』の意味が分からなかったが、さくらとそうたが一緒に生まれ変わることだけ理解できた。
「せいらに会いに行くの。」
ひかりが言った。
「せいらはね、ねんねしてるひかりをよしよしって撫でてたよ。それからさとーといなくなったの。」
さくらが言った。
ひかりは頭を触った。せいらはここを撫でてくれたんだろうかと思っていると、
「さくらも生まれ変わってもひかりとせいらと遊びたいな。」
とさくらが言った。
ひかりも3人で遊んでいたころが懐かしかった。
さくらはひかりをぎゅっと抱きしめた。
ひかりもうれしくて抱きしめ返したが、寂しさが込み上げてきた。
「さくら、また遊ぼうね。」
ひかりが言った。
「うん!」
さくらがうれしそうに返事して手を振ってくれた。
ひかりは走っていくみを探した。
いくみはお昼寝中だった。ひかりはそろりといくみに近づいた。
いくみは気持ち良さそうな顔をしていた。
「バイバイ。」
そう言ってひかりはその場を離れてまた走り出した。
いつきとかいが遊んでいるのが見えた。2人は夢中で遊んでいるのでひかりに気づいていなかった。
「バイバイ。」
ひかりは小さく手を振ってまた走り出した。
今度はそうたのゆりかごのところに来た。
「そうた、さくらと生まれ変わるんだね。」
ひかりはそうたに話しかけた。そうたはひかりが来てくれたのでうれしそうに手足をばたつかせていた。
「そうた、また会おうね。」
ひかりはそうたの手を握ってまた走り出した。
誰もいない場所に来てゴロンと寝転がった。
目をつぶって『おそら』に来たときのことを思い出そうとした。
おっちゃんに抱っこされて連れられてきて…せいらと出会って…さくらとも遊んで…そうたがすごくかわいくて…れんと、こうたろう、たいがとも友達になって…でも、3人とも気がつけばいなくなっていて…せいらもいなくなってしまって…すごく寂しくていっぱい泣いて…ゆあといつきも来て…いくみとかいも来て…
もうお別れなんだ…ひかりは改めてそう思っていた。




