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おそらのきみへ  作者: ひかり
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おそらにきたりゆう

お昼寝から目を覚ましたひかりは横で寝ているさくらを起こさないようにそろっと歩き出した。

「おっちゃん!」

ようやくおっちゃんを見つけて、ひかりはおっちゃんの報へ駆け寄った。

「ひかり。俺のこと探してくれてたってな。」

おっちゃんは瀬藤から自分を探していたことを聞いていた。

「おっちゃん、あのね。えっと…」

一瞬、何を聞くのか忘れてしまっていたが思い出して、

「あのね。ママとパパの顔が分からないの…」

おっちゃんは驚いたが表情を変えずにじっとひかりを見た。

「穴掘ってもさくらみたいにママが出てこないの。それとね…」

ひかりは思い出した記憶をひかりなりに話し出した。

おっちゃんは黙ってひかりの話を聞いて、だいたいのことは理解できた。

『予想以上に記憶が戻っているな…でも自力で思い出せるのもあともう少しだけってところかな…』

「おっちゃん。ひかりもママとパパの顔見たいよ。」

ひかりが言った。おっちゃんは少し考えて、

「ひかりはもう死んでしまってるからママとパパには会えないんだ。『おそら 』に来た子はみんなそうなんだよ。」

と答えた。

「なんでひかりはここに来たの?」

ひかりが聞いた。 おっちゃんはひかりを抱き上げて、

「『おそら』は嫌いかい?」

と聞いた。ひかりは首を横に振った。

「そっか、良かった。」

おっちゃんはニッコリ笑った。


「私、ここの子供たちは幸せだと思っていました。」

おっちゃんからひかりのことを聞いた前田が言った。

「生前は幸せではない子がここに来れることが幸せだと思ってたけど…辛い現実と向き合わなければならないときが来たとき…あんなに小さいのに…」

前田は言葉を詰まらせた。

「私、甘かったです。」

おっちゃんは前田の肩に手を置いた。

「前田さん、あなたは今まで通り子供たちと接してあげて下さい。まだほとんどの子供は生前の記憶を取り戻していないのですよ。それに、ひかりが辛いのはあの子が記憶を思い出すのに限度があるからなんです。両親の顔を思い出せないのも当然なんですよ。あの子は両親の顔を見てないのですから。そこが他の子との大きな違いでもあるんです。」

「後藤さんはなぜあの子をここに連れてきたのですか?あの子は『極楽』に行けたはずですよね。」

前田が聞いた。

「あの子の魂は…『極楽』に行こうとしなかった…生まれる前に両親からの愛情を感じていたから両親から離れようとしなかった。俺が下界に迎えに行ったとき、あの子の魂はずっと母親のお腹の中にいたんだ。俺はそれに気づかなかった。2年経ってようやく母親から離れたところ保護できたんだ。『極楽課』とも話し合って生まれ変わる前に『おそら』で楽しんでもらえたらと思って連れてきたんだ。」

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