表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おそらのきみへ  作者: ひかり
25/53

こんらん

ひかり、ゆあ、いつきは積み木で遊んでいた。さくらもやってきて4人で仲良く遊んでいた。その後ろで山田がニコニコしながら3人を見ていた。

「あら、上手ね。そんな高さまで積み上げて。」

しばらく遊ばせたあと、

「さぁ、お勉強しましょうか。」

山田は勉強道具を用意して子供たちに言った。

みんな机に向かっていった。ひかりは途中で前田をチラッと見て、ニコッと笑った。

『本当にグミを気にいってくれているのね。』

前田もひかりに笑い返して手を振った。それを見ていた山田がキッと前田をにらんだ。

子供は机に向かってそれぞれ勉強を始めた。

「そうそう、高橋光さん、字お上手ね。」

“高橋”という言葉を強調して山田がひかりに言った。

ひかりは聞き覚えがあったが思い出せずに考えていると、山田はニヤリと笑った。

「あなたは、田所(たどころ)さくらさん、カタカナ書けるのね…」

山田がさくらに言いかけると、

「イヤ!」

さくらが叫んだ。子供たちはビックリしてさくらを見た。

「田所さくらさんどうしたのかしら?」

「イヤ!イヤ!」

さくらは耳をふさいで激しく首を横に振った。前田もその様子を見て慌てて駆け寄った来た。

「どうしたの?」

前田がさくらの背中に手をおいてさくらの顔をのぞきこもうとした。

「あなたは関係ないわ!」

山田が前田にきつい口調で言った。

ひかりはビックリしたままどうしていいか分からなかった。ゆあといつき同様呆然とさくらを見ていた。

「さぁ、田所さくらさん。落ち着いて、みんなでお勉強しましょ。頑張ったらおやつをあげますわ。」

“おやつ”という言葉に一瞬、ひかりは反応してしまったが、さくらが心配だったなのでじっとさくらを見ていた。

「なぜ、わざとフルネームで呼ぶのですか?原因はそれですよね?」

前田は厳しい顔つきで山田を見た。

「私は子供たちのために本名で呼んで差し上げただけですわ!」

「子供たちのためじゃないでしょ?白々しい!」

前田は怒っていた。

「後藤さん、呼ばなきゃ。」

前田は立ち上がってどこかに行こうとしたが、山田が前田の腕を引っ張った。

「今は私がここの担当なのよ!」

山田が叫んだが、前田は山田の手を振り払って消えてしまった。

「あっ…」

ひかりの口から声が漏れた。

山田がこちらに振り向いたときの眼鏡をじっと見ていた。ひかりの頭の中に強い光の中でひかりを囲むように立っている帽子とマスクをした大人たちの光景が浮かんだ。そのうちの1人が山田の眼鏡と似たような眼鏡をかけていた。以前も同じ光景を思い出したことがあった。ひかりは涙目で遠くの方を呆然と眺めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ