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おそらのきみへ  作者: ひかり
24/53

やまだ

「あら、こんにちは。今日からあなたたちのお世話をする山田と申します。」

山田はニコニコして子供たちの方へ近づいた。

びっしたひかりとさくらは慌てておっちゃんの後ろに隠れた。ゆあも佐藤の後ろに隠れて、佐藤のズボンをぎゅっと握りしめていた。いつきだけはポカンとして立ったままだった。

「ごっさん、あの人、『今日から』って言ったぜ。ここを乗っ取る気だ。」

佐藤が言った。おっちゃんはため息をついた。

「 あらあら、怖くないわよ。」

山田がずっとニコニコと作り笑いをしている。

「後藤さん、とりあえず48時間だけ我慢しますか。」

前田がおっちゃんに言った。ひかりとさくらは前田をじっと見つめていた。それに気づいたおっちゃんが、

「この人は前田って言うんだ。クッキーやグミは前田が用意してくれているんだぞ。あと、そうたのミルクも。」

ひかりの顔がパアッと明るくなった。

「グミ!」

ひかりは笑顔で前田を見た。前田もニッコリと笑いかけた。

「喜んでくれているみたいでよかったわ。」

「あぁ、特にひかりはグミを気に入ったみたいだ。」

「ちょっと!後藤さんも前田さんも!さぁ、子供たち!おいで!私と遊びましょうか。」

山田が手を広げて言った。

子供たちはおっちゃんの方を見た。

「山田さんは悪い人じゃないよ。」

おっちゃんが諦めた顔で言った。いつきがトコトコ山田の方へ歩いていった。ゆあはひかりとさくらの手を握って、

「行ってみる?」

と言った。

ひかりは頷いたがさくらは黙ったままだった。

ひかりとゆあが手をつないで山田の方へ歩いていった。

「さくらは行かないのか?」

おっちゃんがさくらに聞いた。さくらはおっちゃんの足にしがみついたままだった。

「後藤さん!その子も連れてきてください!」

少し苛立った声で山田が叫んだ。さくらはおっちゃんから離れまいとおっちゃんのズボンをかたく握りしめた。

「さくら、ゴメンよ。ちょっと用事があるからひかりたちのところで遊びに行っておいで。」

おっちゃんが優しい口調で言った。さくらが悲しそうな顔をした。

「大丈夫。すぐ戻ってくるから。約束する。また一緒に遊ぼうな。」

おっちゃんがしゃがんでさくらの頭を撫でながら言った。

さくらは頷いてひかりたちのところへ走っていった。

「ちょっと部長たちから直接話聞いてくるわ。俺も状況をちゃんと把握しておきたいし。」

おっちゃんが言った。

「私はここで様子を見てますね。」

前田が言った。

「俺は一旦、戻るわ。」

そう言って佐藤が消え、続けておっちゃんも消えた。

「やっと、いなくなったわね。」

山田がニヤリとして呟いた。


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