こもり
今日のお勉強の時間はみんなそわそわしながら勉強していた。
いつもおっちゃんが教えてくれたり見守ってくれているのだが、おっちゃんが用事でどこかに行ってしまったので代わりに佐藤が子供たちを見ていた。
特にいつきとゆあは時々佐藤をチラッと見て目が合うと慌てて勉強しているふりをするという状態だった。
「ただいま。」
やっとおっちゃんが帰ってきたので、子供たちの顔がパアッと明るくなった。
「おっちゃん!」
「お帰り!」
子供たちはみんなおっちゃんの方へ走っていった。
佐藤はため息をついた。
おっちゃんは佐藤に手を振り、1番に自分のところに着いたゆあを抱き上げて佐藤の方へ歩いてきた。
ゆあはうれしそうにキャッキャはしゃいでいた。
他の子供たちもうれしそうに跳ねたりしながらおっちゃんについていった。
「みんな、イイ子にしてたか?」
おっちゃんが子供たちに聞いた。
「してたよ!」
いつきが満面の笑みで答えた。
「そっか。」
おっちゃんは佐藤の前に着いて、ゆあを降ろした。
「解決したのか?」
佐藤が聞いた。おっちゃんが首を横に振った。
「だろうな…」
佐藤はため息をついた。
「また行ってくるから子供たちを頼む。これおやつにあげておいてくれ。あと、そうたが泣いたらミルクも頼む。」
おっちゃんは佐藤に何かが入った袋とミルク入りのほ乳瓶を渡した。
「おっちゃん、おやつクッキー?」
ひかりが聞いた。
「今日は“グミ”だよ。ちゃんとお座りして1つずつよく噛んで食べてくれよ。色んな味があるぞ。」
おっちゃんはそう言ってひかりの頭を撫でた。
「ゴメンよ。ちょっとまた行かなきゃいけないんだ。」
おっちゃんは子供たちにすまなさそうな顔で言った。
「えー!」
いつきはつまらなさそうに言った。
「ゴメンよ。帰ったらみんなで一緒に遊ぼうな。」
「おっちゃん、早く帰ってきてね。」
さくらが言った。
「あぁ。」
おっちゃんは笑って手を振りながら歩き出して、消えてしまった。
おっちゃんが消えたあと、子供たちはじっと佐藤を見た。
「えっと…ちゃんと座って食べるんだぞ。」
佐藤は子供たちにグミを4つずつ配った。
みんな床に座って初めて見るグミを指でつついたり臭いをかいだりしていた。
「しっかり噛むんだ。うまいぞ。」
佐藤が余ったグミの1つを食べながら言った。
ひかりは1つ口の中に入れて噛んでみた。
グニュっとした固いような柔らかいような不思議な食感だったが、
「おいしい!」
と笑顔で叫んだ。
ひかりの様子を見ていた他の子供たちもグミを食べ始めた。
「おいしいね!」
「なんかグニュグニュしてるね!」
子供たちがえ笑顔になって佐藤は安心した顔になった。
「ごっさん、大変だな。」
そう呟いてチラッとさくらを見た。




