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おそらのきみへ  作者: ひかり
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おともだち

突然せいらに手を引っ張られてひかりはこけてしまった。床は白くてフカフカだったので痛くなかった。

「ごめんなさい…」

せいらは泣きそうな顔で謝った。

「せいら、ひかりは歩いたことがないからお手手つないでゆっくり一緒に歩いてあげてやってくれ。ひかり、大丈夫か?せいらはお前と一緒に遊びたかっただけなんだ。わざとじゃないんだ。ゆるしてやってくれるか?」

おっちゃんはひかりを起こしながら言った。ひかりは大きく頷いた。

「優しい子だ。」

おっちゃんは2人の頭をなでた。

「じゃあ俺はちょっと出かけてくるわ。すぐ戻ってくる。」

おっちゃんは散らばっている子供たちに向かって叫んだ。

「いってらっしゃい。」

子供たちも口々に叫んだ。

ひかりはせいらに手をつないでもらってゆっくり歩いた。せいらはゆりかごのところにひかりを連れていった。ゆりかごにはすやすやと赤ちゃんが眠っていた。

「そうたっていうの。おっちゃんが抱っこさせてくれたの。ちっちゃくてかわいいの。」

せいらが起こさないように小声で話した。

ひかりはそうたのほっぺたを触った。プニっとした感触で気持ちがよかった。せいらに笑いかけるとせいらもニコッと笑ってくれた。

今度はせいらはおもちゃ箱のところにひかりを連れていった。

ブロックや積み木がたくさん入っていたので2人で積み上げたり並べたりして遊んでいると、

「さっき来た子だよな?」

と男の子が近づいてきた。後ろに別の男の子2人を連れている。

「俺はれんと。こっちはこうたろうとたいが。」

れんとはひかりたちよりも少し大きく、ふっくらしていた。おでこに大きなアザがあるこうたろうとひかりたちよりも少し小さいたいがはさっきひかりが来たときに寄ってきていたので見覚えがあった。

「ひかりっていうんだって。」

こうたろうがれんとに言った。

「ふーん。よろしくな。」

そう言ってれんとはひかりの前に手をだした。ひかりはれんとが何をしているか分からないでいると、せいらがひかりの手をれんとの手の方へもっていき握手させた。握手した手を2回振ってれんとはこうたろうとたいがを引き連れて歩いていった。キョトンとしているひかりにせいらが言った。

「これでまたおともだちができたんだよ。れんとは優しいんだよ。」

せいらが言った。ひかりの手にまだれんとと握手した感覚が残っていた。握手した手を見つめていると嬉しい気持ちになった。

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