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おそらのきみへ  作者: ひかり
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なみだ

お昼寝から目覚めたひかりはせいらを探しにふらふら歩いていた。

「せいらー。」

呼んでも返事がない。

「おーい、ひかり。」

後ろからおっちゃんに呼び止められた。

「これからみんなでお勉強しよう。ひかりもおいで。」

ひかりはせいらもいると思いこんでおっちゃんについていったが、せいらはいなかった。

新しく『おそら』に来た男の子と女の子が2人とさくらがいた。

ひかりはさくらの隣に座った。

「せいらいない…」

ひかりがそう呟くと、

「せいらも行っちゃったんだ。」

さくらがカタカナを書く練習をしながら言った。ひかりにはその意味が分からなかった。

ひかりはひらがなを書く練習を始めたが、せいらのことが気になってしかたなかった。

おやつに大好きなクッキーをもらって食べても味を感じなかった。

ひかりはまたせいらを探しに行った。しかし、せいらは見つからなかった。

「えーん、えーん…」

泣き声の方を見るとゆりかごでそうたが泣いていた。

ひかりはそうたに駆け寄った。

「そうた、どうしたの?」

「えーん、うえーん…」

そうたは泣いたままだった。ひかりはおっちゃんがいつもそうたが泣くとほ乳びんでミルクをあげているのを思い出したが、どうしたらいいか分からなかった。

そうたは泣きっぱなしだった。

「そうた、泣かないで。」

ひかりはゆりかごをやさしくゆらしたり、そうたの胸のあたりをさすったりしていた。

「ゴメンゴメン、そうた。ミルク持ってきたぞ。おっ、ひかりがあやしてくれていたのか。ありがとう。」

おっちゃんがそうたを抱き上げてミルクをあげ始めた。

そうたはうれしそうにチュッチュ言わせながら飲んでいた。

その様子をじっと見ていたひかりの目から涙が溢れてきた。

「うえーん…」

ひかりは泣き出してしまった。

おっちゃんはひかりを抱き寄せた。そうたは不思議そうにキョトンとした顔でミルクを飲みながらひかりを見ていた。

「ひかり、せいらはもう『おそら』にはいないんだよ。」

ひかりは嗚咽が止まらなかった。

「『おそら』に来た子供はね、ずっとここにはいられないんだ。」

「せいらに会いたい…せいらのところに行く…」

嗚咽をこらえながらひかりが言った。

「ひかりはまだダメなんだ。でもな、せいらもひかりと離れるのすごく寂しがってたんだ。」

ひかりはおっちゃんに抱きついてまた泣き出した。

おっちゃんは優しくひかりの頭を撫でた。

せいらがいない…もう一緒に遊べない…おやつも一緒に食べれない…もう名前を呼んでくれない…そう思うと悲しくてずっと泣いていた。


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