ざんげ
休日、純也は久々に家でのんびりしていた。
プロジェクトももう一息で片付きそうだったし、ニュースで清香の事件も報道されなくなった。
リビングで絵里と華澄が遊んでいた。
純也は最近帰宅が遅かったし、華澄を見ていると報道を思い出してしまうので、絵里に不信に思われない程度に華澄から距離を置いていた。
「ねぇ、華澄と遊んであげて。」
絵里に言われた。純也は一瞬、躊躇した。
「私、知ってたわよ。あなたの元恋人に子供がいたこと。それがこの前ニュースで母親に死なされた子だって。」
純也は血の気が引くのを感じた。
「あなたはその恋人と子供を捨てて私と結婚した。私も結婚後に知ったけど知らないふりをしてたの。華澄を妊娠してたから…あなたは華澄をすごくかわいがってたけどどこか寂しげだったわ。清羅ちゃんだっけ…ふと思い出してたのよね。私、良かったって思った…あなたは非道な人じゃなかったんだって…」
絵里の目から涙が溢れた。華澄は不思議そうに絵里を見ていた。
「ニュースを見たとき、私がこの人たちから純也を奪ってしまったせいだって思ったの…でもね…そうじゃなかったら華澄は生まれてなかった…」
純也はハッと目が覚めた気分になった。絵里には何もかもお見通しだった。しかし、黙って家庭を支えていてくれていたのだ。それなのに純也自身は会社での地位ばかり気にしていたし、この状態から逃げることばかり考えていた。そんな自分が情けなく愚かだということに純也は気づいた。もっと大事なものが目の前にあった。そして純也は涙を流しながら絵里と華澄を抱きしめた。
「私もあなたと同じ苦しみを背負わせて…だって清羅ちゃんは華澄のお姉ちゃんだもの。」
純也も泣きながら、
「ごめん…本当にごめん…俺のせいで…俺、毎日手を合わせるよ。俺1人で一生背負っていくから。清香との子供を愛せなかった分、お前と華澄を守っていくから。俺の生涯をかけて。」
と謝った。
「家族を大事にできない男は仕事もまともにできるか。」
腕を組んでおっちゃんはこの様子を『おそら』の床な穴から見ていた。
「この男やっと反省したな。嫁さんに感謝だな。」
佐藤がおっちゃんに言ったが、
「こいつを『地獄』行き候補に入れておいてくれ。今度、嫁さんを泣かしでもしたら『地獄』行き決定だ。」
とおっちゃんは厳しい口調で言った。
佐藤はため息をついて、
「ごっさん、あんたはこの仕事向いてるようで向いていないよな。子供たちに感情移入しすぎるところがあるぞ。」
とたしなめるように言った。




