表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おそらのきみへ  作者: ひかり
11/53

ゆめ

れんとたちが佐藤を待っている時、ひかりは夢を見ていた。

暗くて狭くて窮屈なところにひかりは逆さまの状態でいた。

手を伸ばすと柔らかい壁のようなものに当たった。

「あっ、今動いた。」

女性の声が聞こえた。

「どれどれ…あっ、動いた。」

ひかりが足を動かすと、男性の声も聞こえてきた。

「おてんばさんになるかな?」

「ねぇ、名前なんだけど、(ひかり)ってどう?私たちの希望の“光”でありますようにって。」

「高橋光か…いいと思う。光ちゃん、パパだよ。」

「聞こえてるかしら?」

「頑張って生まれてくるんだ、光ちゃん。パパもママも待ってるから。一緒に手術も乗り越えよう…」


ひかりは目を覚ました。最近、よく見る夢だった。

どこか懐かしい、切ない気持ちになった。

「パパ…ママ…」

夢に出てきた単語を呟いてみたが何のことか分からなかった。

辺りをキョロキョロ見回すと、せいらがすこし離れたところで眠っていた。

ひかりはせいらの横に行き、また眠った。

せいらは寝言を言っていた。

「ママ…ママ…」

せいらはムクッと起き上がった。横にひかりが寝ているのに気がついたが、寝ぼけながらふらふらと1人で歩き出した。

しばらく歩いて床に穴を掘った。そしてじっと眺めていた。

おっちゃんが戻ってきてせいらの様子に気づいた。

「せいら…」

おっちゃんがせいらに声をかけるとせいらが泣き出した。

「ママがいないの…せいら悪い子だから…?」

おっちゃんがため息をついて、せいらの肩に手を置いた。

「せいらはいい子だよ。せいらは悪くない。ちょっと散歩でも行くか。」

そう言ってせいらの手をつないで歩き出した。

「せいらはね、ママ大好きなのに…ママ忘れてたの…」

「それは俺がせいらの記憶を封印してたからなんだよ。」

「どうして?」

おっちゃんは少し黙って言った。

「『おそら』でせいらの笑顔が見たかったから。せいらは下で悲しそうな顔をしてただろ。せいらは笑っている方がかわいいぞ。」

せいらは照れて顔がゆるんだ。

「どうしてせいらはここに来たの?」

おっちゃんは少し考えて

「せいらが…寂しいと感じてたからだよ。」

と答えた。

「みんなも?」

「あぁ、そうだ。」

「ひかりも?」

「…ひかりはちょっと違うんだが…」

せいらは分かったような分からなかったような難しい顔になった。

「ゆっくり気持ちを落ち着けて、また色々せいらに話してやるからな。」

おっちゃんは寂しげな顔でせいらに笑いかけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ