魔王の最期とゼノンの覚醒②
ゼノンは次期魔王として覚醒した。
その力は、歴代最強と言われる程強力なものであった。
魔族、魔物達は歓喜の声を上げた。
「魔王様の仇を取ってください!」
「奪われた私達の全てを取り返してください!」
「今度は人が魔族に屈服する番だ!!」
様々な声が聞こえてくる中、ゼノンも人間を滅ぼす勢いで王国に乗り込もうとした。
しかし、そんなゼノンを止めたのが穏健派の魔族だった。
「お母様は人を滅ぼすために王国に向かったのですか!?あの方は人との共存を願った心優しい魔王様でした!!そんな方が復讐なんて望むと本気で思っているのですか!?」
その一言でゼノンはふと我に返った。
滅茶苦茶な修行を面白半分で笑いながら課してきた母。
そんな母はいつも言っていた。
『なぁゼノン我は思うのだ。人と魔族は見た目が違うだけだろ?考え方も互いに理解出来たら共存出来ると思うんだよ。そんな世界の方が面白くないか?誰も戦いで傷つかない……そんな世界があってもいいと思わないか?』
そう言う度母は優しい表情を浮かべていた。
確かにあの母は自分のために戦争を起こすことなど、絶対に求めないだろう。
「だが!だからといってこのまま大人しく受け入れるつもりはないぞ!?」
「当たり前です!別に争うなとは言っておりません。我々の土地を返してもらうために攻めましょう。昔と同じ領土に戻ればこちらから手を出さなければいいのです。」
そしてここから魔族達による領土奪還の戦いが始まった。
当然王国側も応戦してくる。それどころかこれを機に魔族を滅ぼさんと全ての戦力を持って攻め込んできた。
しかし相手は歴代最強と呼ばれる魔王ゼノン。
どれだけ人数を費やしても、ゼノン一人の魔法で王国側は壊滅状態となった。
領土奪還の戦いは基本的にゼノンが先頭に立ち、取り返した土地に四天王を派遣して街を復興させるといった流れだった。
そんな戦いが何年も続き、魔族の領土はかつての広さまで戻っていた。
そして魔王軍はそれ以上の争いをしなかった。
当初の予定通り、奪われた分を取り戻す戦いしかしなかった。
しかし、愚かな人間は奪われた領土を取り戻す為に争いを続けた。
そしてある時ついにある禁忌をおかす。
『異世界からの勇者召喚の儀式』
何人もの魔法使いの命を犠牲にして、一人の勇者を召喚したのだった。




