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密談(隊長就任/東條、玲)

 星明かりすら届かない、雲が空を厚く(おお)宵闇(よいやみ)の中。

東條(とうじょう)(あおい)は小さなデスクライトの灯りに照らされた美しい顔と正面から相対(あいたい)していた。

弟弟子である、亜月(あづき)(れい)。そして今日からは正式な自分の部下でもある。

今日、玲は14番隊の隊長に就任したのだ。


「……隊長就任にあたって、お前にはひとつ絶対に守るべき事がある。これは命令だ。」


静かな声で、東條は告げる。

この話は、ここだけ。この先、追及することも、蒸し返すこともない。

命令を聞けるかどうかは玲次第だ。


「ヒミズとの戦闘は避けること。……抵抗するなという訳ではない。ただ、本気は出すな。」


玲の顔から感情という一切が消えた。

無表情は容姿(ようし)の美しさが余計に際立って、まるで人間ではないように思わせる。

それに少しばかり口内が乾くような緊張を感じながらも、東條は続けた。


「お前が奴を殺したいのは分かっている。……その舞台は私が用意しよう。それまでは、決して手を出すな。アレは怪物だ。お前の身体の負担も考慮(こうりょ)すれば、全力で戦うチャンスは一回のみ。それに全てを賭けろ。」


玲の刺すような視線の中で、それでも東條はまっすぐにその瞳に向き合う。


「これから先、すべての戦闘においてお前は本気を出すな。爪を隠し、ただ()いでいろ。私が許可する、その日まで。」


玲が一度眼を閉じ、そして開ける。

瞬間、彼の表情は無表情から、非常に酷薄(こくはく)で、それでいて魅力的なほど妖しい笑みに変わった。


「はい。」


それは光の無い夜に交わされた、彼らの静かな計略だった。


読んでいただきありがとうございます。

ハグレモノ番外編第十二話はいかがでしたでしょうか?


今回少し短めですが、世界観的な補足になります。

もし本編を読んでいただけていましたら、そういう視点で見ていただけると嬉しいです。


次回は土曜日19:30頃に本編投稿予定です。

よろしくお願いします!

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