評価バイアスの話。
昨日、柄にもなく、異世界恋愛モノの短編を投稿した(魔が刺した)。
初動は、最初の10分を飛ばすと、3時間連続で140PV超。他ジャンルではありえないアクセス数を叩き出した。
しかし、初動で入っていたポイントは、おそらくお得意様(被お気に入りユーザー)の方々によるものばかりと推定され、実質は、ほぼ爆死状態。
筆者の投稿の評価ポイントは、基本的にこのお得意様たちによって支えられているわけだが、今朝方、ちょっとした珍事が起きた。
深夜帯に少し新規の押し上げがあったらしく、異世界恋愛の短編日間ランキングのベスト100に、ギリギリ滑り込んだのである。
「ジャンル別日間ランキングの短編ベスト100」と言われても、普段、異世界恋愛の作品自体を書かない筆者からすれば、何の意味もない出来事に思えた。他ジャンルなら、煙すら立たない順位である。だが、異世界恋愛ジャンルにおいては、ランキング入りの意味が違うらしい。
朝7時台から、また読者数が上向き、毎時平均40前後のPVが続く。初動時のポイント加算の割合から考えれば、大して評価も入らないはずだが、ここで風向きが変わる。
―― 評価バイアスである。
すでに「一定の評価を得ている作品」には、ポイントが入りやすくなる。他のひとが評価しているのだから自分も、と。
投稿から500PVあたりまでに入ったポイント数に比して、今朝から「PVあたりの加算ポイント」の割合が跳ね上がっているのである。
たとえば、初動500PVで評価者5人、40ポイントが入ったとした場合、評価者は100名にひとりの割合で、平均8点となる ―― わけだが、 ランキング入りからは、この「評価者発生割合」と「平均評価点数」が、どうやらだいぶと甘くなる設定にあるようだ(特に異世界恋愛ジャンルにおいては)。
人気のあるものは、さらに人気になる。
行列しているから並ぶ。
みんなが美味しいと言っているから、美味しい。
怖いのは、初動時に、お得意様たちが評価を入れてくれていなかった場合、「この短編はいったい正味何ポイントを獲得出来ていたのか?」ということ。
おそらく、新規投稿者とベテラン投稿者たちの間には、「作品の質」以前の「スタートライン」に根本的な格差が、大きく横たわっているに違いない。
全作品、完全匿名投稿にした場合、現在と同じようなランキングになるのか、気になるところでもある。
ちなみに本作で語られているのは『記憶から消された婚約破棄』(n7679lb)です。投稿から二日弱経って、ジワジワ順位を上げ、九時前現在で488pt獲得と健闘中。