ハンガー海賊団との激闘!
キトリは仕方なく人魚を人質にし、アユにベーキウを離すように交渉をしていた。アユはキトリに捕まって苦しそうな顔をする人魚、そしてベーキウを何度も交互に見て悩んでいる表情をしていた。
「早く」
と言って、キトリは答えを急ぐように煽った。アユは何かを決めたような目をし、ベーキウをキトリに渡した。
「渡したわよ! さぁ、仲間を離しなさい!」
「その前に、海のサファイアのことを話しなさい」
「分かったわよ。話したらちゃんと仲間を返しなさい」
「約束は守るわ」
キトリの言葉を聞き、アユは話を始めた。
「海のサファイアは海の国にあるわ。この海の奥深くにその国はあるの。はい。仲間を放しなさい」
アユがこう言った後、キトリは魔力を抑えた。人魚たちを捕まえていた闇の腕は消え、解放された人魚たちは急いでアユの元へ戻った。
「アユ様ー!」
「助かりました! 死ぬかと思いました!」
「あなたたちの命には代えられないもの。だけど、今度は絶対に! 何が何でもあのイケメンをゲットするわよ!」
「はい!」
会話後、アユたちは急いで海の底へ戻って行った。ベーキウを抱きしめているキトリは、シアンとクーアの方を見てこう言った。
「さぁ、戻りましょう」
その頃、一人残ったヤイバは、ハンガー海賊団の海賊船に向かって移動していた。
「このタイミングで現れるのは嫌だけど、叩くしかないな!」
一対多数の状況になると確信したヤイバは、戦う覚悟を持ってこう言った。
一方、ハンガー海賊団の船の上では、マストにいる船員が周囲を見回していた。
「あー、暇だなー」
そう言いながら、望遠鏡を見ていた。そんな中、ハンガーから連絡が入った。
「おい。この辺りに変な奴はいないか?」
「うーん。いませんねー」
船員は見回しながらそう言うと、こちらに向かって船を動かしている刃の姿を見つけた。
「変と言えば、こっちに向かってくる変な船がいますねー」
「変な船? 分かった。こっちでも確認する」
ハンガーからの連絡が終わった直後、突如船が大きく揺れた。
「あわわ! 何が起きたんだ!」
マストの上にいた船員は、衝撃で落ちそうになったのだが、何とかマストの上に戻って周囲を見回した。そこには、魔力を開放していたヤイバの姿があった。その姿を見た船員は驚きの声を上げ、ハンガーに連絡をした。
「大変です船長! 俺たちを狙っている賞金稼ぎのヤイバが近付いています!」
「ワガハイたちも今確認した! 返り討ちにしてやるから、すぐに下りて戦いの支度をしろ!」
「アイアイサー!」
ハンガーの言葉を聞き、船員は急いでマストから降りた。
ヤイバは船を止め、剣を手にして高く飛び上がった。着地した場所はハンガーの海賊船の上。そこにはすでに船員が武器を持って立っていた。
「ようこそ、賞金稼ぎのヤイバさん」
「お前のせいで、どれだけ俺たちの仲間が捕まったのか、理解しているよな?」
「今までの借りを返してやるよ。覚悟しろ」
そう言って、船員たちはヤイバに襲い掛かった。ヤイバは船員の攻撃をかわし、船の先端に飛び移った。
「おいおい、これだけいて俺に攻撃を与えることができねーのか?」
「何だと!」
ヤイバの煽りを受けた船員は、怒りの声を上げながらヤイバに襲い掛かった。
「バカは煽られると、今以上にバカになる」
小さくヤイバは呟くと、船員の攻撃をかわして反撃を放った。斬られた船員は悲鳴を上げながらその場に倒れ、一部の船員は攻撃を受けた衝撃で宙に舞い、海に落ちた。この数秒で数人の船員が倒されたことを知り、ハンガーは歯ぎしりを始めた。
「クソッ! かなり強いという噂は本当みたいだな。こうなったら、秘密兵器を使え!」
「アイアイサー!」
ハンガーの号令を聞いた船員は、簡易的な大砲を持ってきた。それを見たハンガーは笑いながらこう言った。
「そんなオモチャで俺を攻撃するつもりかよ」
「だったら喰らってみろ! 発射!」
ハンガーの声の直後、大砲から砲弾が放たれた。ヤイバは飛んでくる砲弾をジャンプしてかわし、ハンガーに近付いた。
「ワガハイを狙うつもりか!」
「その通りだよ。頭を叩けば一気に終わるからなぁ!」
と言って、ヤイバはハンガーに向かって剣を振るった。ハンガーは急いで腰のカトラスを手にし、それを使って防御した。
「チッ、防御しやがって」
「防御して当たり前だろうが! こんなところで捕まりたくないからな!」
「悪人の願いってのは叶わないもんだ! さっさと観念して捕まれ!」
「若造がふざけたことを言うな! お前たち、ワガハイと一緒に戦え!」
「アイアイサー!」
船員たちは武器を持ち、ヤイバに攻撃を始めた。ヤイバは船員の攻撃をかいくぐり、ハンガーに狙いを絞って攻撃を行った。だが、船員がハンガーを守るかのように前に立ち、ヤイバの攻撃を受け止めた。
「船長に手を出させるかよ!」
「邪魔だどけ!」
ヤイバは目の前の船員の頭を掴み、そのまま海へ向かって投げ飛ばした。ハンガーは飛んでいく船員を見て、驚いた表情をしていた。
「腕一本でワガハイの船員を投げるとは!」
「賞金稼ぎの仕事をする以上、それなりに腕が強くないといけないからな!」
と言って、ヤイバはハンガーに斬りかかった。ハンガーは後ろに下がって斬撃をかわしたが、剣先がハンガーの服に命中し、少しだけ切り傷を作ってしまった。
「ああ! ワガハイのお気に入りの服が! これ、結構高かったんだぞ!」
「知らねーよ。高い服を着て外に出ているんだから、傷が付いて当然だろうが」
ヤイバはそう言いながら、ハンガーに近付いた。だが、二人の船員がヤイバの横から現れ、攻撃を始めた。ヤイバは後ろに下がって攻撃をかわした。その後、二人の船員の攻撃は互いに命中した。
「邪魔だよ」
と言って、ヤイバは攻撃を受けてひるんでいる二人の船員をハンガーに向かって蹴り飛ばした。
「ぐっ! ワガハイの船員を飛び道具にするとは!」
「人を飛び道具扱いしてはいけませんって言いたいのか? 戦いにルールは存在しねーぜ!」
ヤイバは高く飛び上がり、ハンガーに向かって剣を振り下ろした。ハンガーは攻撃を防御した後、カトラスを振るって近くにいるヤイバを飛ばした。ヤイバは着地し、カトラスを構えるハンガーを睨んだ。
「こうなったら……魔力を開放するしかないな!」
船員たちがやられ、危機的な状況だと把握したハンガーは、大声を上げながら魔力を開放した。すると、強い衝撃波が周囲に放たれた。ヤイバは吹き飛ばないように踏ん張ったのだが、その隙にハンガーが接近した。
「ふんぬあァッ!」
ハンガーの大声と同時に、カトラスが振り下ろされた。ヤイバは剣を使って防御したが、ハンガーのカトラスはヤイバの剣を破壊した。
「やべぇ!」
剣が破壊されたことを察したヤイバは、反射的に後ろに下がって攻撃を回避した。ハンガーはカトラスを構え、笑みを浮かべながらこう言った。
「お前を殺すつもりだったが、運よく避けたな。だが、武器はもうないなぁ」
「ヘッ、何言ってんだみっともないひげ面親父が。うるさい声を抑えておけよ」
ヤイバはこう言葉を返したのだが、その心の中では少しだけ動揺していた。そんな中、海面から何者かが現れた。
「プッファー! ヤイバ! 近くにいなかったから探し回ったわよ!」
「お前、一体どこにいるんじゃ!」
「こっちはこっちで大変だったのよ。でも、ヤイバの方も大変の用ね」
現れたのはベーキウを連れたシアンたちだった。シアンたちはカトラスを構えるハンガーを見て、こいつが敵だと心の中で思った。
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