覚醒する才能
攻撃を受けて吹き飛んだベーキウとジャオウは、立ち上がって武器を構えていた。
「やられっぱなしでいられるかよ」
「同感だ。今回の話、俺たち全然活躍してないからな……」
そう言って立ち上がったのだが、剣を持ったデレラが巨大なクローン戦士の前に移動し、素早く剣を振るったのだ。
「なっ! あの人!」
「無茶をする。助けよう!」
ベーキウとジャオウは、急いでデレラの元へ向かった。だが、その足は途中で遅くなった。その理由は、剣を持ったデレラが素早く何度も攻撃を行っていたからだ。
分かる。剣のことが分かる。まるで、子供の時から教わったかのように。
剣を振るうデレラは、心の中で驚いていた。まともに剣を使っていなかったデレラは、自分自身で上手に剣を動かすことができるとは思ってもいなかったからだ。
その時、攻撃を受け続けた巨大なクローン戦士は、大きな声を上げながら左腕を大きく振り上げ、デレラに向かって振り下ろそうとした。
「危ない!」
攻撃に気付いたシアンは、光を発して巨大なクローン戦士の左腕を拘束した。だが、巨大なクローン戦士は力づくで左腕を動かし、デレラに攻撃を仕掛けたのだ。
「下がって、今ならまだ間に合うわ!」
動かないデレラを見て、シアンは叫んだ。デレラは笑みを浮かべてシアンの方を振り返り、こう言った。
「徹底的に攻撃するチャンスです。逃げるなんてもったいない」
そう伝えると、デレラは剣を使って巨大なクローン戦士の攻撃を受け止めた。そして、次の瞬間にデレラは剣を動かし、巨大なクローン戦士の左腕を斬った。
「すごい……私より剣術スキルがある……」
この一連の動作を見ていたシアンは驚き、ぽつりと呟いた。そんな中、クーアがシアンに近付いてこう言った。
「おい! ぼさーっとしてないでお前も戦わんかい!」
「あ、そうだった! あの人だけに任せちゃいけないわ!」
シアンはそう言って、剣を持って巨大なクローン戦士に向かって走り出した。その途中、ベーキウとジャオウが追い付いた。
「シアン、俺も行く」
「手を貸す。皆で戦えば、あの程度の敵はすぐに倒せるはずだ」
「お願いね!」
シアンはそう言って高く飛び上がり、上空から攻撃を仕掛けることにした。巨大なクローン戦士はシアンの方を見ていることに気付いたベーキウとジャオウは、魔力を開放して同時に巨大なクローン戦士の足元に移動し、同時に両足を斬った。
「倒れろ!」
ベーキウとジャオウが同時に叫ぶと、巨大なクローン戦士はバランスを崩して転倒した。その時、上空にいたシアンは巨大なクローン戦士の頭に向かって、勢いよく落下した。
「この一撃で倒してやるわ!」
そう言って、シアンは力を込めて剣を振り下ろした。
キトリはアルムとレリルと一緒に後ろに下がっていた。シアンの強烈な一閃を目にし、レリルは安堵の息を吐いていた。
「よかったー。これであのデカブツも倒れたわねー。さっき戦った、合体してでかくなった奴と、同じ強さだったのね」
「違う。まだあいつから嫌な気配がする」
「この戦い、まだ続きます」
キトリとアルムの言葉を聞き、レリルは嫌そうな声を出した。その時、巨大なクローン戦士は大声を上げた。
攻撃後、近くにいたベーキウたちは、急いで後ろに下がり、クーアと合流した。
「何じゃ何じゃ? あのデカブツ、まだやるつもりなのか?」
「その通りだろう。でなければ、あれだけ大きな声を上げない」
ジャオウはそう言うと、魔力を開放して立ち上がろうとする巨大なクローン戦士に接近し、大剣を構えた。
「大人しく倒れてくれ!」
と言って、ジャオウは大剣を巨大なクローン戦士の体に突き刺した。だが、大剣が突き刺さっても巨大なクローン戦士は動きを止めなかった。
「これはまずい!」
ダメージが通じていないことを察し、ジャオウは急いで大剣を体から抜いて後ろに下がった。その後、水の魔力を開放したベーキウは、クレイモアの刃から水を発し、無数の氷の刃を作り出していた。
「一発でダメなら、これでまとめて斬ってやる!」
そう言って、ベーキウは力を込めてクレイモアを振るった。刃から生えている氷の刃は巨大なクローン戦士に命中し、奥深く突き刺さった。だが、これでも巨大なクローン戦士は動きを止めなかった。
「クソッ! 見た目通りタフな奴だ!」
「なら、これで塵にしてくれるわァァァァァ!」
クーアは両手から炎を発し、巨大なクローン戦士の体を焼いた。炎は巨大なクローン戦士の体にまとわりついたが、巨大なクローン戦士は大声を発し、体の炎を消した。
「何じゃ? あんなのありか!」
「剣も魔力も効き目が薄くなってきたわね。こうなったら、一気に攻撃を仕掛けて奴を潰すわよ!」
シアンは魔力を開放してこう言うと、その魔力解放に合わせて、後ろにいたキトリたちも合流した。
「私も行くわ」
「お願い」
「しゃーないわねー。私のありったけの魔力をぶち込むから、絶対に勝ちなさいよね!」
と言って、レリルは体内の魔力を開放し、ベーキウたちに注いだ。
「はわァァァァァァァァァァ! みなぎってきましたわァァァァァァァァァァ!」
レリルの援護を受け、強化されたデレラはテンションが上がり、一人で巨大なクローン戦士に向かって走り出した。
「あ! ちょっと待ってください!」
アルムが止めようとしたのだが、その前にデレラは巨大なクローン戦士に近付き、体を回しながら剣を振るったのだ。
「どんなデカブツが相手でも、私を止めることはできませんわよォォォォォ!」
そう言いながら、デレラは容赦ない攻撃を始めた。攻撃を受けた巨大なクローン戦士は後ろに下がったが、デレラは剣を逆手に持ち、巨大なクローン戦士に向かって突っ込んだ。
「ここで逃げますか? これから面白くなりそうだってのに、逃げるなんてとんでもありませんわ!」
デレラは勢いを付けたまま、逆手に持った剣を振り回して攻撃をした。攻撃をするうち、デレラは巨大なクローン戦士の腹にめり込んだ。それでも、デレラの攻撃は止まらなかった。そして、デレラは巨大なクローン戦士の腹の中に入った。
「うわ……滅茶苦茶やる人だな……」
攻撃の様子を見ていたベーキウは、呆れ半分驚き半分でこう言った。それからしばらくして、巨大なクローン戦士の背中からデレラが現れた。
「うっはァァァァァァァァァァ! 快感ですわァァァァァァァァァァ!」
攻撃を終えたデレラは、感激のあまりこう叫んだ。その直後、攻撃を受けた巨大なクローン戦士は、苦しそうな表情でデレラを睨んだ。その視線に気付いたデレラは笑みを浮かべ、挑発をするような手つきでこう言った。
「おっ? プッツンしましたか? 私みたいな小娘にこれだけズタズタのギッタギタにされて怒り爆発ですか? 私はここにいますわよ? やれるもんならやってみなさいよデカブツ」
その言葉を聞いたのか、巨大なクローン戦士は再び大声を上げ、デレラに襲い掛かった。ベーキウたちが助けに行こうとしたのだが、ユージロコがベーキウたちの前に立った。
「ここで止まりなさい。あの子の助けに入ったら、邪魔をしないでと言って怒るわよ」
「それでも、助けに行かないと!」
シアンはそう言ったが、ユージロコは首を振った。
「ああなった以上、あの子を止められるのはいないわ。あのデカブツは、あの子に任せなさい」
と言って、ユージロコは笑みを浮かべた。その後、興奮するデレラの声が聞こえた。
「やっぱり、戦いはこうでないと面白くないですわねェェェェェェェェェェ!」
そう叫ぶデレラは、剣を振り回しながら巨大なクローン戦士に攻撃を仕掛けていた。
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