表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/300

主人公とライバルが敗退しちゃったけど、大会は続くんじゃよ


 ベーキウとジャオウの反則負けを見て、キトリは茫然としていた。


「き……気持ちが高ぶっていたのかしら?」


 いつもの真面目なベーキウだったら、ルールを守るとキトリは思っていたのだが、目の前に倒すべき相手がいる。その相手と戦うため、ベーキウの感情が高ぶったのだとキトリは思った。そんな中、アルムが騒ぐレリルを抑える光景を見た。


「きー! 何やってんのよあいつ! 私、あいつが勝つって信じてヘソクリを賭けちゃったじゃない!」


「落ち着いてくださいレリルさん! それより、ヘソクリって何の話ですか? 僕たちの旅が常に金欠で、キツキツの状態でやっているんですよ。それで、お金を貯める余裕があったんですか?」


「げ! やべっ、こっそりヘソクリ溜めてたのがばれた!」


 などと騒ぐレリルを見て、呆れてキトリはため息を吐いた。




 控室に戻ってきたベーキウは、シアンとクーアに頭を下げていた。


「すまん。感情が高ぶってしまった」


「まー、しゃーないわよ。あいつが相手何じゃ、私も感情を抑えきれないし」


「あとはわらわが相手をぶちのめして優勝するから、終わったらデートな」


 クーアの言葉を聞き、シアンはクーアの首を絞めた。


「ベーキウとデートの約束をするのは私だけで十分よ! あんたはステージの上でぼっこぼこにされて、みっともない姿を晒しなさい!」


「みっともない姿を晒すのはお前の方じゃ!」


 と言って、クーアはシアンの拘束を解き、背後に回ってバックドロップを仕掛けた。


「お前はステージの上でボロボロにされて、同時に服もボロボロになるがいい。まぁ、貴様のない胸がポロリしても、興奮する奴はいなさそうじゃがな」


「私の方も言わせてもらうわよ。あんたみたいなババアがエロい姿でボロボロになっても、誰も興奮しないってね!」


 シアンは無理矢理クーアから離れ、飛び蹴りを放った。シアンとクーアが喧嘩をする中、役員が現れた。


「次の試合はシアン・ダンゴ選手とセクハーラ・スキナンデス選手です」


 名前を呼ばれたシアンは、クーアから離れて役員の元へ向かった。去って行くシアンを見て、クーアはこう言った。


「やーいやーい! フルボッコにされろー!」


「戻ってきたら、あんたをボコすから、覚悟しなさい!」


 シアンはそう言いながら、クーアに向かって文字では表現してはいけない指のジェスチャーをした。去って行くシアンを見て、ベーキウは大きなため息を吐いた。そんな中、ジャオウがベーキウに近付いた。


「外で続きをするか?」


 この言葉を聞き、戦いを挑まれたと思ったベーキウは、すぐに頷いた。


「ああ。お前とは確実に決着をつける」


「そうだな」


 その後、ベーキウはジャオウと控室から出て行った、クーアはベーキウに近付き、こう言った。


「そっちはそっちで片を付けてくるのじゃ。純白のガラスは、わらわに任せろ」


「ああ、頼む」


 ベーキウは短くこう答えると、ジャオウと一緒に去って行った。




 ベーキウとジャオウの戦いの後、試合は順調に進んだ。まず、シアンとセクハーラの戦い。


「うっひっひ! 僕チン好みの美少女だ! 今すぐにボコボコにして服をひん剥いて、いいことをしてあげるよ!」


 と、セクハラ発言をしたセクハーラの顔面に向かって、シアンは強烈な飛び蹴りを放った。その一撃で、セクハーラは失神し、シアンの勝利で終わった。


 次に、クーアの試合。


「はいやー! かかってくるアルネー! 私のヌンチャクで、ズタズタにしてやるネー!」


 と、刺が付いたヌンチャクを振り回すニャッキー・ジョンがクーアの相手だったが、武器を使ったため、ニャッキーは失格になった。


「あいつ、ベーキウとジャオウの試合を見ていなかったのか?」


 去って行くニャッキーを見ながら、クーアは呟いた。


 試合が終わり、シアンとクーアは控室で試合を見ていた。今、テレビで流れいたのは、トンカチ一家の長女、ジャクミとその対戦相手、プロレスラーのヌルヌルローションの試合だった。


「プロレスラーの名前、変な名前ねー。あの名前で戦っているのかしら?」


「そのようじゃぞ。ヌルヌルローションって名前にしたのは、風俗が好きじゃからって言ってた」


「しょーもな」


 シアンがそう言うと、試合が始まった。


「おっと! ヌルヌルローションがローションを使ったかのごとく、滑りながらジャクミ選手に突進を仕掛けたー!」


 リングアナウンサーの声が聞こえた。ヌルヌルローションは滑る勢いで、ジャクミに攻撃を仕掛けた。だが、ジャクミは右足で突進してくるヌルヌルローションを蹴り飛ばした。


「うォォォォォォォォォォ! ローションが滑って止まらないィィィィィ!」


 と、ヌルヌルローションは悲鳴を上げていた。その結果、ヌルヌルローションはリングアウトで負けになった。


「あほくさ」


 試合を見ていたクーアは、呆れてこう言った。


 次の試合はトンカチ一家の次女、バキコとパワードスーツを身に着けた科学者、イカレテールの試合だった。


「フェフェフェフェフェ! 吾輩が三日で作った、このパーフェクトスーパーストロングスーツの実験台にしてやろう!」


 そう言いながら、パーフェクトスーパーストロングスーツを身に着けたイカレテールは、バキコに襲い掛かった。だが、バキコはイカレテールの腹に向かって強烈なストレートを放った。


「うっぶぅ……」


「そんなのに頼っているから、あんたは弱いのよ」


 攻撃を受けて、ひるんでいるイカレテールに向かってバキコはそう言うと、強烈な蹴りを放ち、イカレテールを場外に向かって蹴り飛ばした。


「うわー、すごい一撃」


「あんなの喰らったら、一発で気を失いそうじゃ」


 テレビに流れる気を失ったイカレテールを見て、シアンとクーアはこう言った。


 次の試合はトンカチ一家の母、ユージロコといろんな噂がある拳法家、シャブマミレの戦い。


「ゲヘッ……ゲヘヘヘヘ。すごいなぁお前さん、試合前から三人に分身するなんて」


 と、シャブマミレはこう言った。シャブマミレの様子を見て、シアンはこう呟いた。


「こいつ、もしかして麻薬をやってるんじゃない?」


 その直後、試合が始まった。シャブマミレはユージロコに襲い掛かったが、ユージロコは左手でユージロコの顔を掴んだ。


「お前の話は聞いている! 強い力と肉体を求め、薬を使ったと! その結果がこれだ! お前は弱い! 薬に溺れるような弱者がッ! 私を倒せると思うなッッッ!」


 と言って、ユージロコはシャブマミレを叩きつけるようにステージの上にぶつけた。その結果、シャブマミレの上半身は、ステージに突き刺さった。


「あーあ、またステージがボロボロになっちゃたわねー」


「こりゃーステージを直すのに時間がかかるのー」


 シアンとクーアは、お茶を飲みながらこう言った。


 しばらくして、デレラとイケメンな格闘家、カオイジリの試合が始まった。


「素晴らしいお嬢さんと戦えるなんて、光栄です」


 と言って、カオイジリはデレラの手を握り、手の甲にキスをしようとした。だが、デレラは手を払った。


「私をナンパしたかったら、強さを証明してください」


「ふっ、強い人にだけしか抱かれないか。分かった。僕の強さを君に見せよう」


 会話の直後、試合が始まった。カオイジリはデレラに接近し、攻撃を仕掛けた。


「あー、あの女の人、避けてばっかりだ」


「体系が格闘術に向いていないのじゃ。やはり、きつかったのじゃろう」


 シアンとクーアは、防戦一方のデレラを見てこう言ったが、遠くからテレビを見ているバキコは、心の中でこう思っていた。


 デレラお姉様、戦いを楽しんでいるわね。あんなに楽しそうな顔、見るのは初めて。


 この作品が面白いと思ったら、高評価とブクマをお願いします! 感想と質問も待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ