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力任せに戦うキャラのほとんどは鈍足


 ほとんどの兵士が戦意を失って逃げる中、四人の兵士がベーキウたちに向かって歩いていた。


「金よりも命を選択するのか……ま、愚かではない選択だ」


「死んだら金を使えないしね。ま、あいつらを倒して私たちはボーナスを頂いちゃいましょう」


「そうだなぁ……ぐひひ。俺はあのちっこいエルフとやりたいなぁ」


「今から真剣に戦うのに、欲情してるんじゃないわよ。相手はもうやる気満々だよ。ほら、襲ってきた!」


 ベーキウたちは武器を持って、兵士たちに向かって攻撃を仕掛けた。県と盾を持った兵士は目の前にいるベーキウを睨み、攻撃を仕掛けた。


「このクレイモア使いは、私が相手をする! 皆は目の前の敵を攻撃してくれ!」


 剣と盾を持った兵士はそう言うと、ベーキウを睨んだ。




 ベーキウは剣と盾を持った兵士を見て、歯を食いしばっていた。自分は大きな武器を使うが、相手は攻撃と防御のバランスがいい剣と盾を使った剣術で戦うと予想したからだ。


「さて、君はこの私、ショルターが始末しよう」


「見た目通り、ちょこまかと動きそうだな」


「その通りだ」


 ショルターはそう言うと、素早くベーキウの元へ移動し、右手の剣を振り上げた。ショルターの動きを見たベーキウは驚いたものの、すぐにクレイモアを使って防御した。


「グッ!」


 防御した際、ベーキウは後ろに下がった。ショルターは攻撃の手を緩めることはせず、盾に魔力を流した。


「まだ私の攻撃は終わっていないぞ!」


 ショルターはそう言うと、左手の盾に流した火の魔力を発し、盾の周りに火の刃を発した。


「喰らえ! バーニングヨーヨー!」


 そう叫びながら、ショルターは盾をベーキウに向かって投げた。


「んなっ! そんなこともできるのかよ!」


 飛んでくる盾を見て驚いたベーキウは、クレイモアを使って防御した。クレイモアに命中して弾かれた盾は、ショルターの左腕に戻った。


「いい動きだな。だが、まだ私は本気を出していない!」


 ショルターはそう言うと、ベーキウに向かって走り出した。


 このまま攻撃されてばかりでいられるかよ!


 迫ってくるショルターを見て、ベーキウは反撃をしようと考えた。


「うォォォォォ!」


 ベーキウはクレイモアを構え、ショルターに向かって振るった。迫るクレイモアの刃を見て、ショルターはにやりと笑った。


「遅い! そんな動きで私に一撃与えられると思うな!」


 と言って、ショルターはジャンプしてベーキウの攻撃をかわし、宙にいたまま再び盾を投げた。


「このっ!」


 迫ってくる盾に向かって、ベーキウはクレイモアを振り上げた。だがその瞬間、盾は石を持ったかのように途中で大きく曲がった。


「何!」


「私の盾はヨーヨーのように投げるだけではない。こうやって手足のように動かすことができるのだ!」


 ショルターは隙だらけのベーキウに対し、盾を動かして攻撃を仕掛けた。




 別室にいるスノウは、ほぼ無理矢理な形でウェディングドレスに着替えさせられていた。


「はぁ……あんな奴と結婚なんてしたくない」


 と、スノウは小さな声でこう言った。その時、うっすらとベーキウの悲鳴が聞こえた。


「ベーキウ様!」


 ベーキウの悲鳴を聞いたスノウは立ち上がり、扉の前に向かって走り出した。


「ねぇ! 外で一体何が起きているの? 話して!」


 外で見張りをしている兵士に向かって、スノウはこう叫んだ。だが、兵士がスノウに向かってこう答えた。


「すみません、ペデラタンのロリコン野郎がくるまでは何が何でも質問に答えず、この場から離れないようにと言われているんです。破ったら、給料減らすぞと脅されたので」


 兵士の言葉を聞き、スノウは苛立った。だが、再びベーキウの悲鳴が聞こえたため、苛立ちが消え、焦りが生まれた。




「ぐっ……ぐぅぅ……」


 ベーキウは傷ついた左腕を右手で抑えながら、苦しい声を上げていた。ショルターが放った盾は、ベーキウの左腕に命中したのだ。


「苦しそうな顔ですね。このまま致命傷を負えば、楽になれますよ」


「こんな攻撃で死ぬわけにはいかねーよ」


 ベーキウは無理矢理立ち上がり、右手でクレイモアを掴んだ。それを見たショルターは驚き、にやりと笑ってこう言った。


「片手でクレイモアを扱うつもりですか?」


「あんたを倒すなら、何だってするさ」


 と言って、ベーキウは魔力を開放した。すると、ベーキウの周囲から霧が発した。


「これは霧? まさか、あいつの魔力属性は水!」


「久しぶりに魔力を使う。本気を出すから、どうなっても知らねーぞ!」


 ベーキウは左腕を濡らし、凍らせて無理矢理傷口を塞いだ。それを見たショルターは、にやりと笑って魔力を開放した。


「そんなやり方で傷を治しても、私の炎で再び傷を作ってあげましょう!」


「あんたが放つチンケな炎で、俺を倒せると思うなよ!」


 ベーキウは叫びながら、クレイモアを振るった。クレイモアが床に激突した瞬間、無数の細かい氷の粒子がショルターを襲った。


「なっ! いたっ、ちべたっ!」


 細かい氷の粒子は勢いを付けて吹き飛び、ショルターの顔や体に命中した。一部の粒子は勢いがありすぎて、ショルターの体を傷付けた。


「ぐっ! こざかしい技を!」


 ショルターは魔力を開放して、飛んでくる氷の粒子を吹き飛ばした。だが、目の前にいたはずのベーキウが、いなかったのだ。


 いない。まさか、さっきの一閃は攻撃ではなく、私の隙を作るための、目つぶし!


 ベーキウの行動を察したショルターは、盾を構えて周囲を見回した。すると、右手側にクレイモアを持ったベーキウの姿があった。


「見つけたぞ!」


「だが、遅い!」


 ショルターは急いで盾を前に出し、ベーキウは叫びながらクレイモアを振り下ろした。次の瞬間、激しい衝突音が響いた。ショルターの盾はベーキウの攻撃を防いだのだが、この攻撃のせいで盾がめり込んでしまったのだ。


「な……なんて攻撃力……腕がまだ痺れている」


 攻撃を防御したショルターは、後ろに下がりながら、痺れる左腕を抑えた。だが、ベーキウの強い魔力を感じ、急いでショルターは剣を構えた。


「これで、お前はもう防御できない!」


「クソッ! さっきの一閃は、防御を潰すための攻撃だったのか!」


 ベーキウの追撃を察したショルターは、攻撃を受ける前にベーキウに反撃しようと思い、高く飛び上がった。


 防御した際の左腕の痺れで、奴は私が動けないだろうと考えただろう。しかし、左腕が痺れただけで、私は止まらんよ!


 ショルターは心の中でこう思いながら、ベーキウに攻撃できると思ってにやりと笑ったが、ベーキウも笑みを見せたため、ショルターは少し苛立った。


「あんたがまだ動けるだろうって、俺は思っていた。そして、勢いを付けて俺に攻撃するため、高くジャンプするってことも考えたさ!」


 ベーキウの言葉を聞き、ショルターは考えを読まれていたことを察し、衝撃を受けた。


「まさか! 私の行動を察していたとは!」


「俺の動きが遅いと思って、あんたは油断していたな! 残念だったな!」


 ベーキウは宙にいるショルターに向かって、勢いを付けてクレイモアを振るった。クレイモアの刃はショルターに命中し、そのまま床に振り下ろされた。


「グアッハァァァァァ!」


 強烈な一閃を受けたショルターは、口から血を流しながら宙を舞い、後ろへ吹き飛んで倒れた。


「そ……そんな……この……私が……こんな簡単に……やられるなんて……」


 悔しそうに呟くショルターを見て、ベーキウはため息を吐いてこう言った。


「簡単にやられるってことは、鍛錬が足りなかったんじゃないのか?」


 ベーキウの言葉を聞いたショルターは、無念だと思いながら、気を失った。


 戦いが終わった後、ベーキウは周囲を見回した。シアンたちはまだ戦っており、その戦いはかなり激しかった。邪魔をするのは悪いと思い、ベーキウはスノウを探しに走り出した。


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