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催眠リンゴ大パニック


 スノウはリンゴ売りに変装したペデラタンの嘘に騙され、自分のことが好きになる催眠リンゴを買ってしまった。そのことを知らないスノウは、やる気満々で城のキッチンに向かった。


「さーてと! ベーキウ様だけに、私の愛情がたっぷりと込められた特性アップルパイを作るわよ! これであの周囲の女から、ベーキウ様を寝取ってやるわ!」


 スノウは大声でこう叫ぶと、気合を込めてアップルパイを作り始めた。




 数時間後、カンベイたちの小屋で焔のルビーをどうやって手に入れるか話をしていたベーキウたちだったが、外から馬の足音が聞こえた。


「城の人かな?」


 カンベイはそう言って外に出た。様子が気になったベーキウは、外に出て誰がきたのか確認した。外には、美しい白馬と宝石やダイヤが埋め込まれた馬車があった。ベーキウが驚きのあまり絶句する中、カンベイがベーキウにこう言った。


「ベーキウさんをお城に招待したいそうです」


「俺が? 城に?」


「スノウ王女が直々に指名したそうです」


 カンベイがこう言うと、その話を聞いたシアンたちが、外に飛び出した。


「何なのよあのガキンチョ! ベーキウを指名とかって、ホストクラブじゃないんだから!」


「あのガキ、何かを企んでおるな? ベーキウはわらわの恋人じゃー!」


「何かをするってことは確かね。怪しさ全開だから、私たちもお城に行くわ」


 と言って、シアンたちはベーキウより先に馬車に乗り込んだ。迎えにきた兵士はシアンたちが乗り込むのを見て、慌ててこう言った。


「すみません、王女がお連れの方は何がなんでも絶対に連れてくるなとおっしゃっていたので、どうかお留守番の方を……」


「そんなこと知るかボケェェェェェェェェェェ!」


 森の中に、シアンの怒声が響いた。




 数分後、ベーキウたちを乗せた馬車は、ヘルグリームの城に到着した。馬車がきたことを察したスノウは、満面の笑顔で馬車に近付いた。


「ようこそベーキウ様! 私が住むお城へ!」


 と、馬車の扉が開くタイミングでスノウはこう言った。だが、目に映ったのはベーキウの顔ではなく、下種な笑みを浮かべたクーアだった。その顔を見たスノウは元の表情に戻り、近くにいた兵士にこう言った。


「あのエルフを縛り首にして」


「たわけたことを言うな! お前、絶対に何か考えておるじゃろう! わらわのベーキウに変なことはさせてたまるか!」


 クーアが大声でこう言ったが、後ろにいたシアンとキトリがクーアの頭に向かってチョップを放った。


「わらわのベーキウじゃない」


「私のベーキウよ。そこんとこ、間違えないで」


 シアンがこう言うと、キトリはシアンを睨んだ。醜いヒロインたちが騒ぎ始める中、ベーキウは大きなため息を吐いていた。




 その後、ベーキウたちは城のキッチンへ向かうことになった。向かう中、シアンがスノウにこう聞いた。


「で、どうしたのよ? ベーキウを誘ってご飯を食べようと考えたの?」


「半分正解半分間違いでございます。ベーキウ様に、私が作ったアップルパイを食べてほしいだけです」


「そんなあほみたいな理由でベーキウを呼んだのかー? お前、わらわたちの立場を考えろ。わらわたちはお前みたいに暇じゃないんじゃぞ」


「立場を考えるのはクーアの方よ。あの子、王女様なんだから。シアンも、少し態度を変えて……」


 キトリは不機嫌なシアンとクーアにこう言って、何とか機嫌を取ろうとした。しばらくして、ベーキウたちは城のキッチンに到着した。大きな机の上には、スノウが作ったアップルパイがあった。スノウはアップルパイを手にし、ベーキウに渡した。


「はい、ベーキウ様。私のアップルパイを食べてください」


 と、満面の笑みでスノウはこう言った。ベーキウは戸惑いながら、アップルパイを食べようとした。その時だった。アップルパイの匂いを嗅いだキトリが、険しい顔をした。


「あなた、このアップルパイに何か入れたでしょ?」


 この言葉を聞き、スノウは一瞬だけ体が止まった。そして、顔から冷や汗が流れた。キトリはアップルパイを手にし、スノウに近付いた。


「このアップルパイから、催眠作用のある薬の臭いがしたわ。魔界にあった、エロサイミンって毒の薬草の臭いに似てたのよ」


「それは……リンゴ売りの人から買ったんです。意中の人のハートをゲットできるとかそんな感じで……」


 スノウはキトリの目を見ないように、こう答えた。そんな中、シアンとクーアが勝手にアップルパイを切り分け、食べていた。


「何もおかしいところはないわよ」


「結構うまいのこれ。悔しいが、料理の腕は認めよう」


「何やってんの! 怪しいアップルパイをもぐもぐ食べないでよ!」


「キトリの言う通りだぞ! 何かあったらどうするんだ!」


 怒声を発したベーキウとキトリを見て、シアンとクーアはたじろぎながらこう答えた。


「だって、お腹がすいてたんだもん」


「いやー、うまそうじゃったからつい……」


「とにかく吐き出して! 変なことが起きる前に!」


 キトリはシアンとクーアに近付き、何度も腹に拳を沈めた。


「ウッブェ! 腹パンで食ったものが出るわけがないでしょうが!」


「うげぇ! ベーキウとわらわの赤ちゃんがァァァァァ!」


「誤解を招くようなことを言うな!」


 ベーキウたちが慌てふためく中、突如シアンとクーアの動きが止まった。


「え……まさか、催眠が……」


 キトリの言葉を聞き、ベーキウは何らかの催眠が、シアンとクーアにかかったことを察した。


「どうにかできないのか?」


「動きを止めるしかない。ベーキウ、そして兵士の皆さん、手伝って!」


 キトリの声を聞き、ベーキウと城の兵士たちはシアンとクーアの体を封じようとした。だが、シアンとクーアは魔力を開放し、ベーキウたちを吹き飛ばした。


「ガアッ!」


「ベーキウ様!」


 吹き飛ばされた倒れたベーキウを見て、スノウは慌てて駆け寄った。キトリは魔力を開放し、シアンとクーアを睨んだ。


「ベーキウを吹き飛ばすなんて、あの二人が絶対にやらないこと。強い催眠がかけられてるわ」


「そんな! ああ、私のせいで……」


 スノウは泣きそうな顔になったが、キトリがスノウにこう言った。


「王女はベーキウを見ててください。あの二人は、私が何とかします!」


 キトリはそう言うと、シアンとクーアに向かって走り出した。


「行かなければ……」


「わらわは、ペデラタン様の元へ……」


 シアンとクーアはそう言うと、いきなり走り出した。キトリは闇の魔力を使って網を作り、走り出したシアンとクーアの動きを止めた。


「目の前に障害」


「気にすることなく、走るべし」


 網によって体が縛られても、シアンとクーアは走ることを止めなかった。


「無理矢理行くつもりなのね。こうなったら……」


 キトリは再び魔力を開放し、闇の魔力の強度を強くし、網目を細かくした。


「障害が強くなった」


「破壊するしかない」


 シアンとクーアはそう言うと、魔力を開放してキトリの闇の網を破壊した。


「そんな!」


 闇の網を破壊したシアンとクーアは、そのまま走り出した。キトリは走り出したシアンとクーアを追いかけた。だが、シアンとクーアの走る速度が速く、徐々に差が開いてしまった。


「このままだと、追いつけない……」


 キトリがそう呟くと、シアンとクーアの目の前に兵士たちが現れた。


「ここは我らにお任せください!」


「必ずや、止めてみせます!」


 兵士たちは自身気にこう言ったが、シアンとクーアは高く飛び上がり、兵士たちを飛び越して走り出した。


「そんな……」


「やはり勇者とその仲間。一筋縄ではいかないのか」


 兵士たちが悔しそうにこう言う中、キトリが近づいてこう言った。


「反省するのはあとでもできる。今はあの二人を捕まえるため、手伝って!」


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