絆のコンビプレイ
ゴールドエイトが運転するトラックにはねられたレイダーズは、情けない悲鳴を上げながら宙を舞い、地面の上に激突した。
「あだだ……」
腰を強打したレイダーズは、腰をさすりながら立ち上がった。その時、どこからかヨーヨーが飛んできて、レイダーズの左足に絡みついた。
「んなっ!」
レイダーズはヨーヨーを左足から外そうとしたのだが、絡みついた状態でもヨーヨーは動き、左足の肉に食い込んだ。
「あぐ! うぐぐ!」
「剣聖でも、一点集中の攻撃には弱いのね」
そう言いながら、木刀を持ったベルリアがレイダーズに迫った。
「木刀か。そんなものでワシを倒せると思わんほうがいいぞ」
と言って、レイダーズは頭を前に出してベルリアに攻撃をしてみるとアピールした。挑発されていると考えたベルリアは強く木刀を握り、力を込めて木刀を振り下ろした。
「どうなっても知らないからね!」
「そーかそーか」
攻撃の時、ベルリアは忠告をしたのだが、レイダーズは軽く流した。ベルリアが振り下ろした木刀はレイダーズの頭部に命中したが、木刀は音を発しながら折れた。
「嘘……」
「じゃから言ったじゃろ? 安い木刀じゃろ? そんなもんでワシの頭を割ろうだなんて、できるはずがない」
笑みを浮かべながらレイダーズはベルリアに近付いたが、ベルリアの背後からアグレリオが現れ、レイダーズの顔に拳を鎮めた。
「ウブッオ!」
「ベルリアに近付くな、破廉恥ジジイ!」
吹き飛んだレイダーズを見ながら、アグレリオは叫んだ。顔を殴られたレイダーズはすぐに顔を治療し、立ち上がった。
「酷い男じゃのー。こんな年老いたジジイの顔面を本気でぶん殴るなんて」
「お前はただのジジイじゃないでしょうが!」
そう言いながら、シアンが上空から光の魔力を使って攻撃を仕掛けた。上から降ってくる光の矢を見て動きを予測しつつ、レイダーズは攻撃をかわしてシアンに近付いた。
「激しいのーシアンちゃん。お望みなら、夜の時にもっと激しく……」
「誰があんたと寝るか!」
シアンは剣を持ってレイダーズに斬りかかった。レイダーズは攻撃をかわし、後ろからシアンの胸を揉もうかと考え、いやらしそうに手を動かした。だが、ベルリアが投げたヨーヨーがレイダーズの後頭部に命中した。
「あっだ! 誰じゃ!」
「私よ! お願いアグレリオ、もう一発あのジジイを殴って!」
「もちろんだ!」
アグレリオは獣のように素早くレイダーズに接近し、レイダーズの顔面に向かって左の拳を放った。
「二度、同じ攻撃は当たらんぞー」
レイダーズはそう言いながらしゃがんで攻撃をかわし、素早く右足を蹴り上げてアグレリオの左腕に命中させた。
「グッ!」
左腕から強烈な痛みを感じたアグレリオは後ろに下がり、服の左袖をめくった。急いでベルリアがアグレリオに近付き、怪我の様子を見た。
「あの一発の蹴りでこんなに腫れてる……」
「骨が折れたかもしれぬ。グッ……剣聖だから剣しか使えないと思ったが……格闘技もできるのか」
ベルリアは急いで治療を始めたが、その隙にレイダーズは逃げようとした。しかし、その前にシアンが立ちふさがり、ジャオウとアルムも合流した。
「三対一だけど、油断しないで」
「十分理解している。とにかく闇の魔力を使って、奴の動きを止める」
「僕はシアンさんの援護をします。ジャオウが動きを止めたら、でかい一撃を与えましょう」
「了解!」
シアンたちは話した後、シアンとアルムはレイダーズに向かって走り出し、ジャオウは魔力を開放した。
「これを受けるがいい!」
ジャオウは大剣を地面に突き刺し、レイダーズの足元から闇を発し、レイダーズの手足を封じた。
「これで動きを止めたつもりか?」
レイダーズは笑みを浮かべてこう言ったが、目の前にアルムが投げたナイフが迫った。
こんな攻撃が意味あると思うのか?
そう思ったレイダーズだったが、ナイフに向かってシアンが光の矢を放った。光の矢はナイフに命中し、巨大化してレイダーズに放たれた。
「はぁっ?」
突如巨大化した光の矢を見て、レイダーズは驚いた。巨大な光の矢は、レイダーズに命中して破裂した。
レイダーズを探しているベーキウたちだったが、光の矢の破裂音を聞き、居場所を確定した。
「あそこか!」
「見つけたら一斉攻撃を仕掛けるぞ!」
「おう!」
ヤイバたちはこう話をし、ベーキウと一緒にレイダーズの元へ向かった。
攻撃を受けたレイダーズはボロボロになったが、まだ体を動かすことはできた。
「いたた……シアンちゃん。強くなったのー。おっぱいの方はあまり……」
「腐れ死ねェェェェェェェェェェ! 去勢する前にやっぱ殺してやる!」
怒り狂ったシアンはレイダーズに向かって飛びかかった。レイダーズの言葉はわざとシアンを挑発するために言った言葉だとアルムは理解したのだが、シアンは理解できなかった。
「シアンさん! 安い挑発に引っかからないでください!」
「貧乳なめんなァァァァァァァァァァ!」
シアンはレイダーズを殴ろうとしたのだが、レイダーズは笑みを浮かべ、シアンにセクハラをしようとした。その時だった。
「僕は死にましェェェェェェェェェェん!」
ゴールドエイトが乗ったトラックが、再びレイダーズに激突した。情けない声で悲鳴を上げながら、レイダーズは宙を舞い、地面に激突した。
「あだだ……また……トラックにはねられるとは……」
ダメージを受けたレイダーズは体を回転させて起き上がろうとしたが、その前にゴールドエイトが倒れているレイダーズに上乗りした。
「このバカチンがァァァァァァァァァァ! あなたのせいでいろいろと……このバカチンがァァァァァァァァァァ!」
叫び声を上げながら、ゴールドエイトはレイダーズの頬をビンタし始めた。
「おぼっ! ちょっと! おっご! タンマタンマ! いだだ! そんなに強く殴らないでいでで! ちょ……誰かこのおっさんをイッデ! 止めて!」
レイダーズはビンタされつつも、シアンたちの方を向いてゴールドエイトを止めるように懇願した。しかし、シアンたちはレイダーズに近付き、攻撃を始めた。
「ギャァァァァァァァァァァ! 止めて止めて! 追い打ちしないでェェェェェェェェェェ!」
レイダーズは泣き叫んだが、シアンたちは攻撃の手を緩めることはしなかった。
ツバキは深呼吸をしながら剣を握っていた。クーアとキトリとレリルはツバキに近付き、声をかけた。
「あのエロジジイを斬る覚悟ができたか?」
「とっくにできてます。問題は、攻撃が当たるかどうか」
「あなたにもあの剣聖の血が流れているわ。それに、戦いの中であなたは強くなる。あのエロジジイを斬るくらいには強くなれるわ」
「ありがとうございます」
ツバキはクーアとキトリに礼を言った。レリルはツバキの顔を見て、それなりにイケメンだと思った。
「ねぇ、ツバキって言ったっけ? あんた、結構イケメンね。彼女はいるの?」
「います」
ツバキは少し顔を赤くしてこう言ったが、レリルは胸元を開けて近付いた。
「そうなの。へぇ……エッチなことはしたの?」
「そ……それはまだ」
「それじゃあ私がいろいろと教えて……」
「こんな状況で誘惑するな」
「それに、ツバキの彼女は王女様。王女様の愛する人を寝取ったら、あんた処刑されるわよ」
呆れたクーアとキトリがレリルをツバキから遠ざけた。レリルは無理かと思い、小さく舌打ちした。しばらくして、ツバキは目を開けた。
「呼吸が整いました。今すぐレイダーズ……僕の実父を倒しに向かいましょう」
ツバキの言葉を聞き、クーアたちは頷いた。
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