エロジジイVS全世界
ついに剣聖の身でありながら、己の性欲に正直に動いて身の回りどころか、全世界に多大なる迷惑をかけたエロジジイ、レイダーズに制裁が下る時がきた。
「ギャァァァァァァァァァァ! 止めてくれェェェェェ!」
レイダーズは悲鳴を上げながら、ベーキウたちの攻撃をかわしていた。
「クソッ! 攻撃が当たらない!」
「かするだけか! 猿のような身のこなしだ!」
協力して攻撃を仕掛けているベーキウとジャオウだったが、二人の攻撃はかするだけで、レイダーズに当たらなかった。ベーキウとジャオウの攻撃に合わせ、アルムから魔力を流されたクーアが攻撃を仕掛けた。
「クソジジイ! これを喰らって感電しろォォォォォォォォォォ!」
怒りに任せ、クーアはレイダーズの頭上に強力な雷を落とした。雷を浴びたレイダーズは悲鳴を上げたものの、体は動いていた。
「クーアちゃん! これは何が何でもやりすぎじゃよ! 黒焦げになっちゃったじゃないの!」
「クソ! まだぴんぴんしとる!」
舌打ちをしながら、クーアは呟いた。強い魔力が込められた雷を浴びても生きていて、普通に動いているレイダーズを見た各国の戦士たちは動揺していた。
「あれだけ強い雷を浴びたはずなのに……」
「生きているのがおかしいくらいだ」
「やはり剣聖、人並外れた体力があるのか」
「感心している場合ではありません!」
突如、スノウの大きな声が聞こえた。誰もが周囲を見回し、スノウの姿を探した。スノウはヘルグリームの国から用意した巨大な要塞のてっぺんに立っていた。その手には、メガホンが握られていた。
「皆さんの戦いの様子は、動画撮影機能が付いたドローンで確認しています! あのエロジジイは化け物ですが、攻撃していればいずれ倒れます! 集中して攻撃してください!」
「スノウ様がああ言うなら仕方ないな」
「いっちょ、全力でやってみっか」
戦士たちは気合を入れ、再びレイダーズに攻撃を仕掛けた。ベーキウとジャオウもレイダーズに負けぬよう、気合を入れて攻撃を始めた。
要塞内。スノウはカンベイたちが用意した質のいい鉱石で作られた武器を戦士に渡していた。
「皆さん、この武器でエロジジイを切り刻んでください!」
「物騒な言い方だけど、気合を入れられたらやるしかない」
「死なないように頑張ります」
戦士たちはスノウにこう言って、外に飛び出していった。キトリは要塞内にいる人たちを見回し、息を吸ってこう言った。
「皆さん。わたしやシアンたちはあなたたちと出会い、交流したのでどれだけ強いのか把握しています。ですが、動画で見ているようにレイダーズの強さと性欲の強さは人外並みです。戦う時は、気を付けてください」
戦士たちは頷き、外に飛び出した。アルムはキトリに近付いて話しかけた。
「あの人たちも集まっていたんですね」
「ええ。シアンが動画を作っている中、ノレパンたちと協力して呼んだの。駆け付けたのは今日だけど、戦力は多い方がいいでしょ?」
「確かにそうですが……」
アルムはこれまでの旅で会った人たちの顔や強さのことを思い出していた。そして、冷や汗をかいた。
「あの人たち、加減しますかね?」
「加減してたらあのジジイは倒せないわ。始末するつもりで戦わないと」
と、キトリは冷や汗をかくアルムにこう言った。
レイダーズは悲鳴を上げながら、ひたすら攻撃をかわしていた。体に攻撃は当たることはなかったが、攻撃は服をかすり、次第にレイダーズの服はボロボロになっていた。
「ああ! ワシのセクシーな姿が!」
「誰もテメーの裸に興味はねぇよォォォォォォォォォォ!」
ベーキウは飛び蹴りをしながら叫んだ。ベーキウの蹴りは見事にレイダーズの顔面に命中し、後ろに吹き飛ばした。吹き飛ばされた先には、ユージロコたちがいた。
「ふふふ……こいつが噂の剣聖って奴かい。ヒョロヒョロなジジイだが……相当な手練れだ」
「お母様。とっととこいつをぶちのめしましょう」
「コイツノセイデ、イロンナ人タチガ嫌ナ目ニアッタンデスカラネ」
「ジャクミの言う通りよ! 一斉に攻撃して、こいつの息の根を止めるわよォォォォォ!」
ユージロコの声に合わせ、バキコとジャクミは攻撃を仕掛けた。
「ギャァァァァァァァァァァ! そんな攻撃喰らったら死んじゃうゥゥゥゥゥ!」
と、レイダーズは悲鳴を上げて猛スピードで後ろに下がった。三人の攻撃は同時に地面に命中し、大きく地面をえぐった。大きな穴ができた地面を見て、レイダーズは鼻水を垂らしながら呟いた。
「鍛錬のおかげで体は丈夫だけど、あんな攻撃喰らったら体がぶっ飛ぶ」
「じゃあ今すぐお前の体をぶっ飛ばしてやるのじゃーい!」
後ろにいたクーアが魔力を開放し、レイダーズに向かって火の魔力を放った。強力な火の魔力は渦となり、レイダーズを包んだ。
「あちゃあちゃあちゃほあちゃァァァァァァァァァァ!」
全身に火が付いたレイダーズは、転げまわりながら体の火を消そうとした。だが、ゴールドエイトが運転しているトラックが、猛スピードでレイダーズに迫った。
「僕は死にましェェェェェェェェェェん!」
「あんたは死なないけど、ワシが死んじゃうゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
レイダーズは叫びながら、何とかジャンプして迫るトラックをかわした。トラックは少し走った後でドリフトをして方向転換し、再びレイダーズに向かって突っ込んだ。
「何じゃあの暴走ドライバーは! 何が何でもワシを撥ね殺すつもりか!」
「あなたのせいでどれだけの女性が傷付いたと思っているんですか? このバカチンが! 反省しなさァァァァァァァァァァい!」
「死んだら反省も何もできんじゃろうがァァァァァァァァァァ!」
レイダーズは再び迫るトラックをジャンプしてかわしたが、その動きに合わせてベーキウとジャオウもジャンプしていた。
「ゲェッ! しまった!」
「このエロジジイ!」
「俺たちの怒りを思い知れ!」
ベーキウとジャオウは叫んだ後、同時に武器を振り下ろし、強烈な一撃をレイダーズに与えた。レイダーズは情けない声を上げながら地面に向かって吹き飛び、地面に突き刺さった。
「うげっ! ペッ、ペッ! 口の中に砂が入った!」
地面から顔を引き抜いたレイダーズは、唾を吐くように口の中の砂を出した。そんな中、怒りと殺意のオーラを放ったシアンがレイダーズに近付いた。
「あら。シアンちゃん。そんなに怒っちゃやーよ。かわいい顔が台無しよ?」
「台無しにしているのは、誰のせいだと思っているのかしらねぇ?」
シアンは指を鳴らしながらレイダーズに近付き、首を掴んで持ち上げた。
「あがががっ! ちょっ! タンマタンマ!」
「タンマもクソもないわ! 一度、チン〇斬り落とす前に痛い目を見なさい!」
と言って、シアンは魔力を込めた右足でレイダーズの股間を蹴った。言葉でどうやって表現すればいいか分からないほどの強烈な痛みが、股間からレイダーズの全身に伝わった。あまりの痛さに言葉を失ったレイダーズは股間を抑えてうずくまり、しばらく体を震わせていた。
「今よ皆! このジジイにとどめを刺すチャンスよ!」
シアンの言葉を聞いたベーキウたちは一斉に集まり、レイダーズに攻撃を仕掛けた。男の急所に強烈な蹴りが命中したレイダーズだったが、何とかベーキウたちの攻撃をかわしていた。かわす中、レイダーズは隙を見てベーキウたちから逃げ、股間を抑えながら走った。
「これ以上あの場にいたら死んでしまう! どこかに行かないと!」
呟きながら逃げていたが、スノウの飛び蹴りがレイダーズの腹に命中した。
「さぁ立ちなさい。ここであなたを成敗します」
スノウは怒りのオーラを発しながら、うずくまるレイダーズに向かってこう言った。
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