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お気づきの方もいると思いますが、同じような展開が続きます


 ゴエゲートもレイダーズの隠し子、ベーキウたちのきょうだいだと判明した。その後、ベーキウたちはヤイバの船に乗り、ルーシィの元へ向かった。


 デザトスミス。グレトールの騒動が終わってからこの国は平和だった。ベーキウとジャオウが国の兵士にルーシィと会う約束をする中、スノウは体中から汗を流し、うめき声をあげていた。


「あづい……あづずぎる……」


「あまりの熱さで口がおかしくなってる」


「温室育ちのお姫様だから、この国の熱さには適わないってわけね」


 ばてたスノウを心配したアルムは風を送ったが、レリルは笑っていた。そんな中、シアンとキトリがスノウのための飲み物を買って戻ってきた。


「スポーツドリンク買ってきたわよ」


「熱い場所での水分補給は、これが一番」


「あ……ありがとうございます……」


 スノウは震える手でスポーツドリンクを手にし、ゆっくりと飲み始めた。シアンは周囲を見て、クーアがいないことを察した。


「あれ? あのおばさんは?」


「さぁ?」


「ここじゃ!」


 と言って、際どい踊り子衣装のクーアが現れた。シアンとキトリとレリルは吹き出し、アルムは呆れてうつむいた。


「どうじゃこの衣装は? これならベーキウも股間がカッチンチン!」


「ババアの際どい服を見たら、カッチンチンどころかへなへなになるわよ」


「同行しているこっちが恥ずかしいから、すぐに元の服に戻してください!」


 アルムが拒絶しているため、クーアは仕方なく服を着替えに向かった。そんな中、スノウはクーアの服をじっと見ていた。


「あのくらいの露出度なら、少しは涼しくなるはず……」


「止めなさい。肌が焼けるからかえって意味ないわよ」


「そもそも、子供がマイクロビキニ並みの露出度がある水着をしてはいけません」


 暑さに耐えられないスノウを見て、シアンとキトリはこう言った。そんな中、ベーキウとジャオウが戻ってきた。


「皆、今すぐにでもルーシィに会えるって」


「今ならアルジームとパンジーもいるようだ」


「ありがとう。それじゃ、すぐに行きましょう」


 その後、ベーキウたちはすぐにルーシィの元へ向かった。着替え途中だったクーアは急いで着替えを終わらせ、走って追いついた。




 兵士たちに案内され、ベーキウたちはルーシィがいる部屋に向かった。


「グレトールの騒動の時はお世話になりました」


「部屋は片付いたみたいですね」


 アルムはグレトールの騒動のことを思い出しながらこう言った。グレトールが作った部下との戦いで、城の一部が少し汚れてしまったことを、アルムは気にしていたのだ。


「ええ。あの後何とか掃除しましたよ。でも、被害がそれだけでよかったです」


「ホントそうよねー。部屋はいくら汚れてもどうにかなるけど、命だけは失ったらどうにもならないからねー」


 レリルは腕組をしながら頷いた。そんな中、ルーシィの悲鳴とともに、紅茶が入ったポットがレリルの額に命中した。


「いったァァァァァ! あっちゃァァァァァ!」


「ちょっと、紅茶のしぶきが私の方にも飛んでくるから、あまり暴れないでください!」


 スノウは床の上で転げまわるレリルに向かって叫んだ。その後、ルーシィが申し訳なさそうな表情で現れた。


「すみません。皆さんが久しぶりにくると聞いて、お茶の用意をしようとしたんですが……部屋の中の数センチ程度の隙間につま足を引っかけてしまいました」


「相変わらずドジっ子のようだな」


 ジャオウはレリルの叫び声を聞き流してこう言った。その時、部屋の中にいたアルジームとパンジーが顔を見せた。


「久しぶり! 元気そうだな」


「今は一緒に行動しているのね。あら、ヘルグリームのスノウ王女も一緒。知り合いなのね」


 その後、ベーキウたちは挨拶をして部屋の中に入った。落ち着いた後、ベーキウはこれまでのいきさつを簡潔に話した。話を聞いたルーシィは頷いた。


「分かりました。グレトールの残った力で、剣聖レイダーズを探し出せばいいんですね」


「できれば、痛い目を見せてほしいんだけど、無理?」


 シアンがこう聞いたが、ルーシィは首を振った。


「それは無理ですね。遠くにいる人に天罰のような罰を与えるのはできません」


「そこまで便利じゃないのね。まぁ、悪用する奴がいるから、使わない方がいいわね」


 レリルはそう言って、クッキーを食べた。その一方で、アルジームとパンジーは冷や汗をかいていた。その様子に気付いたクーアは心配した。


「どうかしたか? 二人そろって腹痛か?」


「いや……尻に剣と盾のあざがあるって……」


「実わね、アルジームの尻にも同じあざがあるの」


 その話を聞いたベーキウたちは、一斉に飲んでいた紅茶を吹き出した。ここで、アルジームもレイダーズ被害者の一人だと判明した。


「なぁ、もしかしたら今まで知り合った人物、全員レイダーズの被害者なのではないか?」


「何かそんな気がしてきた」


 クーアの言葉を聞き、ジャオウは頭を抱えてこう答えた。ベーキウは頭を机にぶつけ、動く気配を見せなかった。シアンは咳ばらいをし、ルーシィの方を見た。


「じゃあ改めて、レイダーズのクソエロ無責任甲斐性なしクソジジイの居場所を特定できる?」


「あだ名が酷い……それ相当のことをしているから仕方ありませんが……とりあえず、特定してみます」


 と言って、ルーシィは魔力を開放した。しばらくして、ルーシィは目を開けた。


「特定できました。レイダーズってどうしようもない人はトッキョーの風俗街で遊んでいます」


「あのジジイ、今もこうして種をばらまいているのか」


「早くトッキョーへ向かって、とっちめないと」


 話を聞いたクーアとキトリは、怒りのオーラを放っていた。その時、スノウの携帯が鳴った。


「お母様からだわ」


 スノウは携帯を手に取り、連絡を始めた。


「どうかしましたか、お母様?」


「ジェット機の整備と燃料補充が終わったわ。今なら世界中回っても問題ないって。今、あなたたちはどこにいるの?」


「デザトスミスのパンジー王女の城にいます。詳しいことは、合流してから話します」


「分かったわ。今すぐ行くから待っててね」


「はい」


 スノウとヒルヴィルの話を聞き、ベーキウたちはヒルヴィルと合流するまでアルジームと話をすることにした。




 数時間後、ヒルヴィルが乗ったジェット機が城の中央に着陸した。


「じゃあそろそろ行くよ」


「もしかしたら、レイダーズ関係でまた立ち寄る」


「ああ。もし、レイダーズと会ったら俺の分までぶん殴ってくれ」


「任せろ」


 ベーキウはそう言って腕を叩き、ジャオウは左腕の筋肉を見せた。パンジーはスノウたちに近付き、声をかけた。


「無理はしないでね。レイダーズは強いわよ」


「確かにね。でも、あいつをどうにかしないと被害者が増えるわ」


 パンジーの心強い言葉を聞き、シアンたちは礼の言葉を返した。その後、ベーキウたちはジェット機に乗り込み、トッキョーへ向かった。シアンとクーアとキトリは殺意を抑えるため、ストレッチをしていた。アルムはその様子を見て若干引いていた。


「会えると聞いたら、急に殺意を放ちましたね」


「あのエロジジイのせいで、とんでもない目にあったからな」


 ベーキウもアルムと同じようにシアンたちを見て、若干引いていた。そんな中、ジャオウは急いでトイレに向かった。


「あいつ、また酔ったのね」


 レリルはジャオウが乗り物酔いしたと判断し、トイレに近付いた。


「ジャオウ、酔い止め飲ませてあげるから、扉開けなさい」


「勘弁してくれ、ニンニク臭で酔いが悪化する」


 その言葉を聞いたレリルは鍵穴に口を近付け、息を吐いた。その後、トイレの中からジャオウの悲鳴が響いた。呆れたベーキウとレリルは、鍵穴からレリルを遠ざけた。スノウはこの様子を見て、大丈夫かと少し心配になった。


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