再会劇も始まるけど、衝撃的な事実も次々と判明します
ヒルヴィルが持つ魔法の鏡を頼るため、ベーキウたちは再びヘルグリームへ向かった。スノウと再会したのはいいけれど、案の定スノウは暴走し、シアンとクーアとひと悶着を起こす。そこまではいいんだけど、この発情幼女はベーキウとジャオウ、アルムがいる男湯に乱入したのだ。
その後、キトリの手によってバカな女たちは女湯にぶち込まれた。
「今度バカなことをしたら、全員ぶっ飛ばすわよ」
呆れた表情のキトリは、バカなことをやらかした女たちに向かってこう言った。バカな女たちが表情を変えないため、一度ぶん殴ってやろうかとキトリは思った。
「あーあ、ベーキウ様と混浴したかったのになー」
と、スノウは残念そうに湯船から出た。その時、何かを見たキトリが声を上げた。
「あの、スノウ王女」
「何? ベーキウ様の寝込みを襲う作戦を考えたいんだけど」
「聞き捨てならないわね。そうじゃなくて……」
キトリはスノウの尻を見て、あるものを見つけた。シアンたちもそれを見て、驚きの表情になった。
「そのお尻のあざ……剣と盾の形」
「ええそうですが。これが何か?」
「これね、剣聖の一族の証なの。ベーキウとジャオウは腹違いの兄弟。父親がレイダーズってエロジジイだから、同じように剣と盾のあざがあるんだけど……」
レリルの説明を聞き、スノウは状況を把握した。
「も……もしかして……私は……私は……」
その後、すべてを把握したスノウは叫び声をあげた。その声を聞いた男湯で体を洗っていたベーキウたちは、驚いて滑って転倒した。
「えええええ! スノウ王女も腹違いのきょうだいだって!」
温泉から上がった後、大きなたんこぶを作ったベーキウたちが大声で叫んだ。話を聞いたヒルヴィルは、はっとした表情をした。
「もしかして、あなたの実の母親の相手が、剣聖レイダーズかもしれないわ」
「そ……そんな……じゃあ私はベーキウ様と結婚できない」
ベーキウとジャオウと腹違いのきょうだいだと知り、結婚どころかチョメチョメできないことを悟ったスノウは、ショックを受けた表情になった。そんな中、クーアが笑いながら近づいた。
「残念じゃったのう! きょうだいでチョメったらいろいろと騒ぐうるさい奴らがいる! それに、お前は王女様! 王女が実の兄を逆レしたら世間が何て言うか分かっとるかー? ま、ベーキウのことはわらわに任せるのじゃ!」
「煽るな」
キトリはクーアに接近し、パイルドライバーを仕掛けた。ショックを受けていたスノウだったが、鳴き声は次第に笑い声に変化していた。
「あ……あの、どうかしたの?」
心配したアルムが近付いてこう言ったが、スノウはこう答えた。
「なら、私がこの国の姫になったら、私とベーキウ様だけ近〇相〇可能と言う法律を作りましょう。それなら問題ない!」
「いや、問題だらけだから!」
アルムがツッコミを入れた直後、鏡が声をかけた。
「皆さん、今レイダーズって人の居場所が判明しました!」
この声を聞き、ベーキウたちは動きを止めた。
「レイダーズはレンズ王国にいます! でも、いつこの国から出発するかは分かりません!」
「ありがとう。すぐに行きたいけど……」
「時間がかかるな」
シアンとジャオウはそう言って、うなり声をあげて考えた。そんな中、スノウが手を叩いた。
「なら、私たちが持っている自家用ジェットをお使いください! それなら、この鏡も持っていけますので、レイダーズって私の救いようのないスケベな実父を探すこともできます!」
スノウの声を聞いたベーキウとアルムは戸惑ったが、シアンはヒルヴィルの方を向いた。
「すみません、お力を貸してもらってもいいでしょうか?」
「構わないわ。あなたたちのおかげで、ペデラタンの魔の手からこの子を救ってくれたもの。恩は返さないと」
ヒルヴィルはそう言って、ジェットの手配をした。
その後、カンベイたちの家に向かって話をする間、ヒルヴィルはジェットの用意を終わらせた。ベーキウたちは城に戻り、ヒルヴィルが用意したジェットに乗り込んだ。
「さぁ乗って。鏡の操作は私に任せて」
「何から何まで、本当にありがとうございます」
シアンはそう言って頭を下げた。それからしばらくして、ジェットはレンズ王国に向かって飛行を始めた。
「いやー、船の次はジェット機か。この数日間でいろいろと乗るなー」
アルムは窓から外を見てこう言ったが、ジャオウはずっと前を見ていた。ジャオウの顔からは汗が流れ、顔色も悪かった。
「ジャオウ、もしかして……」
「その通りだ。酔った」
そう言うと、ジャオウは急いでトイレに向かった。アルムは大変だと思いつつ、トイレの方を見ていた。だが、隣からシアンたちの騒ぐ声が聞こえた。
「私がベーキウの横に座るのよ! あんたらは床の上に座ってなさい!」
「黙れ勇者! わらわがベーキウの横に座るのじゃ! お前こそ床の上で座ってろ!」
「じゃあ私はベーキウの足の上!」
「そこは私の特等席です! サキュバスさんは羽があるから、空を飛べばいいじゃないですか!」
シアン、クーア、スノウ、レリルがベーキウの取り合いで騒ぎ始めたのだ。キトリはその前の席で寝ていたが、あまりのやかましさに耐え切れず、シアンたちを闇の球体の中に閉じ込めた。
「これで静かになった」
と言って、キトリは闇の球体を機内の端に移動させ、自分はベーキウの横に座った。
「うわ、結構ちゃっかりしてるなぁ」
その様子を見て、アルムは思わず呟いた。
レンズ王国。連絡を受けた兵士が急いで簡易的なヘリポートを作っていた。しばらくして、ジェット機がヘリポートの上に着地した。その様子を見ていたデレラは、サンラと一緒にヘリポートへ向かった。
「何かあったのですか?」
「ヘルグリームからの連絡で、勇者シアンたちが探している人物がこの国にいるため、調査したいとのことです」
「ジェット機を使って移動しているため、急いでヘリポートを作ったんですよ」
「まぁ! シアンさんがいるのね!」
シアンがいると聞いたデレラは目を輝かせながら、ジェットからベーキウたちが下りてくるのを待った。しばらくして、やつれた表情のシアンたちが現れ、それから間を開けてベーキウたちが現れた。
「デレラさん。お久しぶりです」
「サンラ王子と仲良さそうね」
ベーキウとキトリの挨拶を聞き、デレラは頭を下げた。そして、急いでシアンの元に駆け寄った。
「勇者シアン、久しぶりです!」
「え……ええ。本当に久しぶりね……」
元気がないシアンの様子を見て、デレラはキトリに近付いた。
「何かあったのですか?」
「うるさかったから閉じ込めたのよ」
「まぁ、何かいろいろと起きたようですね」
デレラがこう言うと、ジェットの中にいるヒルヴィルが顔を出した。
「私は鏡を使ってレイダーズって人を探すわ。あなたたちとデレラ王女は知り合いみたいだから、しばらく休んで話をしたら?」
「ええ。そうします」
シアンは小さな声でこう答えた。その後、デレラは嬉しそうな顔でシアンを見た。
「では早速、再戦の約束を果たしましょう!」
「再戦? ああ……」
シアンは思い出した。ガラス王国から旅立つ前、デレラと再会したら一戦交えると約束したと。
「そうだったわね……」
「それじゃあ、すぐに休んで戦いましょう! この日のため、私は鍛錬を続けたんですよ!」
そう言いながら、デレラは体を動かした。デレラが放つ拳からは衝撃波のようなものが放たれ、蹴りからは風の刃のような衝撃波が放たれた。それを見たジャオウは、小さく呟いた。
「前より強くなっているぞ……」
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