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決戦開始


 ベーキウはジャオウとの決闘の前にリラックスをして、万全の状態で決闘に挑もうとした。しかし、リラックスさせるとは言っているが、結局邪魔にしかならないシアンとクーアのバカげた行動によって、あまりリラックスできない状態になってしまった。そんな中で、決闘の予定日になってしまった。


 ベーキウはシュマルームの城の闘技場でジャオウの到着を待っていた。だが、その時のベーキウの表情は少し疲れていた。


「大丈夫か、ベーキウ? かなり疲れておるぞ」


「ジュース持ってくるから、それ飲んで休んで」


「あんたたちのせいでああなったんでしょうが」


 そう言いながら、キトリは闇の魔力で拳を作り、シアンとクーアのこめかみをぐりぐりと動かした。


「ギャァァァァァァァァァァ! 痛い! 痛いよォ!」


「キトリ! おかんみたいなことをするな!」


「黙りなさい。ファントムブレードの素材がかけられたこの戦い。どれだけ重要か分かっているよわよね? それなのにあんたたちはベーキウのリラックスの邪魔をして……」


「邪魔じゃないわよ! 私はベーキウのことを想って行動してたのよ!」


「想っているんだったら大人しくしてなさい。全裸でベーキウの部屋に潜入するとか、全裸でベーキウが入っているお風呂やトイレに突入するとか、全裸でベーキウに夜這いを賭けるとか! これのどこがベーキウをリラックスさせる行動なのよ!」


「そうじゃぞシアン。お前の貧相な体ではベーキウは発情せん。わらわみたいなボディの持ち主こそが、ベーキウを発情させるのじゃ」


「あんたみたいな年老いたババアの体を見ても発情しないでしょうが!」


「どっちの裸体も、見ても発情しないわよ!」


 キトリは怒りのオーラを発しながらバカ二人に向かって叫んだ。バカがバカをやっている中、ジャオウたちは姿を見せなかった。その状態で、一時間が経過した。


「何がなんでも遅すぎないか?」


 ベーキウはあくびをしながらこう言った。そんな中、アルムとレリルがジャオウを連れて走ってやってきた。


「すみません! ジャオウが迷子になってて、探すのに時間がかかりました!」


「俺は迷子にはなっていない」


「なってんでしょうが! あんた、城とは逆方向の道に向かって走ってたんだから! さっきも道を間違えてえらい目になったでしょうがァァァァァァァァァァ!」


 レリルは尻を隠しながらこう言った。シアンはレリルの手をどかし、隠された尻を見て笑い始めた。


「だーっはっは! どーしたのよあんたの尻! 膨れ上がってんじゃない!」


「何じゃその尻は? これだけでかい尻ならケツフェチが発情するじゃろう! だははははは!」


「好きででかくしたわけじゃないんだからね! あーもう! これも全部あんたのせいよ! あんたが迷ってベアーバチの巣に頭を突っ込んで、私がそれを助けようとしたら逆に尻を刺されたんだから! この戦いが終わったら、超特急で塗り薬買ってきなさい!」


「その尻の傷は魔力で治療すればいいと思うが」


「だまらっしゃい! あんたの責任だからね、この尻は!」


 ジャオウはレリルの叫びを聞き、ため息を吐いた。ベーキウはこんな空気の中で決闘を始めていいのだろうかと、心の中で思った。




 数分後、準備を終えたジャオウが闘技場のリングの上に立った。


「勝敗はどうする?」


「どっちかが降参したら。制限時間はなし。文句なしの一本勝負」


「了解した」


 話を終えたベーキウとジャオウは武器を構え、互いを睨んだ。いよいよベーキウとジャオウの決闘が始まると思ったアルムは、緊張のあまり生唾を飲んだ。そんな中、レリルが大きな声でくしゃみをした。それを合図に、ベーキウとジャオウは走り出した。


「え? 私のくしゃみで決闘が始まったの?」


「そうみたい」


 シアンはジュースを飲みながらこう言った。キトリは緊張感がないシアンを見てちょっと呆れたが、ベーキウのことを信じているのだろうと思った。


「うォォォォォォォォォォ!」


「はァァァァァァァァァァ!」


 ベーキウとジャオウは叫びながら走り、接近したと同時に武器を振り下ろした。クレイモアと大剣が激突したその瞬間、強風が舞った。


「うひょー、すごい風じゃ」


「二人とも、最初から本気だ!」


 風を感じたクーアとアルムはこう言った。それから、ベーキウとジャオウは武器を振り回して攻撃を始めた。


 クッ! やはりこの男、強くなっている!


 クレイモアを振るベーキウを見て、ジャオウはこう思った。最初の出会いから何度かベーキウを見てきたジャオウは、ベーキウが徐々に強くなっていると察していた。それに負けぬよう自身も努力したのだが、ベーキウが自身の力に追いついたとジャオウは思った。


「うォォォォォォォォォォ!」


 ベーキウは魔力を込め、力強くクレイモアを振るった。ジャオウは高くジャンプして攻撃をかわし、上空からベーキウに向かって大剣を振り下ろした。


「喰らうかよ!」


 ベーキウは再び魔力を開放し、迫るジャオウの大剣に向かってクレイモアを上に振るった。再びクレイモアと大剣が激突した。その後、勢いに負けたジャオウが吹き飛ばされた。


「んなっ!」


 飛ばされたジャオウは動揺したが、すぐに冷静を取り戻し、宙で一回転してリングの上に立った。ベーキウはジャオウが着地した隙に反撃すると考えており、次の行動に移っていた。


「む!」


 攻撃を察したジャオウは大剣を盾にしてベーキウの攻撃を防御し、ベーキウの勢いを落とした。


「ぐが……ぐぐぐぐぐ」


「やるようになったな。だが、まだ俺の方が勝っていたようだな!」


 と言って、ジャオウはベーキウの腹に向かって蹴りを放った。蹴り飛ばされたベーキウはリングの上を転がるように倒れたが、すぐに立ち上がって追撃を放とうとするジャオウを睨んだ。


「負けるかよ!」


 ベーキウは魔力を開放した右手でリングの上を殴った。その瞬間、ジャオウの方に向かって水が流れた。


「え、水の魔力!」


「あの人、水の魔力を持っていたんだ!」


 ベーキウが水の魔力を使った光景を見て、アルムとレリルは思わず驚いた。クーアは得意げに笑い、口を開いた。


「ベーキウも魔力を使うことはできる」


「けど、どうして今のタイミングで?」


「そりゃーもちろん、この作者が設定を忘れていただけじゃ!」


 と言って、このクソババアは高笑いを始めた。


「本当にバカな作者じゃのー! ベーキウが何の属性の魔力を使うって設定を作っていたはずなのに、それを忘れるなんてのー!」


「あの、これ以上言うと罰が当たりますよ」


「バカをバカにして何が悪い! ダッヒャッヒャ!」


 その直後、突如クソババアの上から雷鳴が降り注いだ。雷鳴が収まった後、百トンほどの重さがある鉄塊が落ちてきて、ババアに命中した。


「あんた、あまり作者のことをバカにしないほうがいいわよ」


「次、バカにしたらとんでもないことをされるわよ」


 シアンとキトリがぺったっこになったクソババアを治療したが、突如クソババアは貝殻ビキニになった。


「のわァァァァァァァァァァ! こんな姿、ベーキウにしか見せたくない!」


「大丈夫よ。あんたみたいなクソババアの貝殻ビキニなんて誰も興味ないから」


 そう言って、シアンはベーキウとジャオウの戦いを見た。ベーキウはジャオウの周りに発した水を凍らせ、足場を奪っていた。


「クッ! これでは足を滑らせる!」


「これでどうだァァァァァァァァァァ!」


 動揺するジャオウに対し、クレイモアを構えたベーキウは氷の上を滑りながらジャオウに接近した。その動きを見たジャオウは、動揺していた。


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