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合体ロボは男のロマン


 モンモはベーキウたちの説得を聞かず、巨大な氷の戦士を作ってベーキウたちに襲わせていた。ベーキウとジャオウが前に出て巨大な氷の戦士と戦い、粉砕していた。


「しかし、まだあのデカブツが出てくるのか」


「あの少女の魔力が尽きるまで、無尽蔵に出てくるだろう」


 ベーキウとジャオウは攻撃の手を止め、モンモを見ながら話をした。話をする中、ベーキウはある考えを思いつき、ため息を吐いた。


「デカブツを止める方法って……あの子を攻撃するしかねーのかな?」


「おそらく……俺もその方法を思い浮かんだが、あまりにも鬼畜すぎる」


「だよな。だけど……このままだと大量に氷の戦士が出てくる」


「悩むな……俺もあの少女を攻撃するのは心が痛む。あの少女は魔力が強いだけで、体力はそこまでないと見える」


 ベーキウとジャオウが話をしていると、巨大な氷の戦士の群れがベーキウとジャオウに襲い掛かった。ベーキウとジャオウは同時に高く飛び上がり、近くにいた氷の戦士に攻撃を仕掛け、一撃の攻撃で敵を倒した。


「またうじゃうじゃと敵がわいてきた。一体でも多く倒して、数を減らすぞ!」


「ああ!」


 声を掛け合いながら、ベーキウとジャオウは氷の戦士を倒していった。




 モンモは巨大な氷の戦士を次々と倒していくベーキウとジャオウを見て、恐怖を感じていた。シアンたちは後ろに下がって態勢を整えているため、ベーキウとジャオウなら氷の戦士を出せば何とかなると思っていたのだ。だが、ベーキウとジャオウはモンモの予想より強かったのだ。


「あの二人、とんでもなく強い。仕方ない」


 モンモは小さく呟き、魔力を使った。この魔力を感じたクーアはすぐにモンモの方を向いた。


「何じゃあの魔力は! とんでもなく強い!」


 シアンはモンモの魔力を感じ、反射的に剣を構えた。シアンの額には、冷や汗が流れていた。


「私が恐怖を感じてる。あの子の魔力、強すぎるわ」


「水の魔力だけしか使えないって聞いたけど、この魔力は強い」


 キトリも動揺し、ベーキウとジャオウの無事を祈った。




 ベーキウとジャオウは武器を構え、突如動きが止まった巨大な氷の戦士を見ていた。


「いきなり動きが止まったな」


「何をするか分からんが、とりあえず様子見だな」


 会話を終えてしばらく待っていると、巨大な氷の戦士の一部の形が変わった。それを見たベーキウは動揺し、ジャオウは口を開けて驚いた。しばらくして、別の巨大な氷の戦士も変形し、別の戦士とくっついた。


「なっ! 合体しただと!」


「ま……マジで何をするつもりだ!」


 いきなり氷の戦士が合体を始めたため、ベーキウとジャオウは動揺した。動揺して止まっているベーキウとジャオウを見て、レリルは叫んだ。


「ちょっとー! 攻撃するなら今のうちにしなさいよ! 突っ立ってるだけじゃ意味ないわよー!」


「あ……ああ」


 ジャオウは頷き、大剣を持って攻撃を仕掛けた。だが、下から氷の壁が現れ、行く手を阻んだ。ジャオウは現れた氷の壁を無理矢理破壊しようとしたが、氷の戦士の合体はその前に終わっていた。


「な……何だあれは!」


「まるで特撮番組の合体ロボットじゃねーか!」


 ベーキウは子供のころに見ていた特撮番組を思い出しながら叫んだ。巨大な氷の戦士は合体して一つとなり、かなり巨大化してしまったのだ。合体した氷の戦士はジャオウを見て、右手に持つ剣を振り下ろした。


「あぶねぇ!」


 ベーキウはクレイモアを持ち、魔力を開放してジャオウの前に立った。ベーキウは攻撃を受け止めたが、衝撃が強すぎるせいでベーキウの足は床に埋まった。


「おい、大丈夫か!」


 ジャオウはベーキウに近付いてこう言ったが、ベーキウは歯を食いしばり、攻撃を受け止めるだけで精一杯の様子だった。ジャオウはベーキウを守るため、氷の戦士の右腕を斬り落とそうと考え、大剣を手にして力強く振り上げた。だが、大剣の刃は氷の戦士の右腕を斬り落とすことはできなかった。


「グッ……強度が増している! 手がしびれる」


 ジャオウは床の上に着地し、痺れて振るえる右手を抑えた。そんな中、氷の戦士は左手でジャオウに攻撃を仕掛けた。攻撃を察したジャオウは魔力を開放して防御の態勢を取ったが、巨大な拳による攻撃を受け止めることはできなかった。


「ジャオウ!」


 アルムは拳とともに壁にめり込んだジャオウを見て、思わず叫んだ。その後、拳が引き、壁にめり込んでいるジャオウの姿が見えた。アルムとレリルは急いでジャオウに近付き、治療を始めた。


「動かないでね。すぐに治療するから」


「た……頼む……それと、勇者たちは? あいつが……」


「勇者たちならもう動いているわ。安心して」


 レリルの返事を聞き、ジャオウはうっすらと笑った。




 ベーキウは氷の戦士の攻撃を受け止めていたが、徐々にベーキウの魔力と体力は失われていった。


 まずい、このままだと俺もめり込む!


 ベーキウは自分の体がゆっくりと床に埋まっているのを察しており、攻撃を受け止め続けていても、いずれ床にめり込むと察していた。そんな中、クーアが放った炎の刃が氷の戦士の右腕に命中した。


「ベーキウから離れんかデカブツが!」


 クーアはそう言って、さらに魔力を込めて炎の刃を強くした。その結果、威力を増した炎の刃は氷の戦士の右腕を斬り落とした。ベーキウは体が少しだけ楽になるのを感じ、安堵の息を吐いた。その直後、シアンとキトリが近付いてベーキウを治療した。


「ゴメン、今ようやく戦う支度ができたわ」


「あとは私たちに任せて」


「ああ……頼むよ」


 ベーキウはシアンとキトリにそう言うと、その場に座った。リドマーオブラザーズがベーキウに近付き、魔力を開放した。


「あとは俺たちがやっておくから、そこで休んでろ!」


「兄さんも下がってくれ。僕の方が強いから、僕が前に出る」


「ソクーリ、お前だけカッコつけるのは……」


「今はそんなことを言う場合じゃないだろう」


 ソクーリは文句を言うリオマを無視し、魔力を開放して氷の戦士に向かって飛んだ。シアンとキトリも魔力を開放して氷の戦士に飛んで接近した。


「一人で戦おうなんて無茶をしないで。私たちも戦うから」


「僕一人でも余裕なんだが……」


「あなたは強いけど、自身を過剰に持ちすぎ。油断しないで」


 キトリの言葉を聞いたソクーリは、小さくため息を吐いた。


「僕は自分自身の力を把握している。この程度の敵、僕一人でも問題なく倒せる」


「はいはい。とりあえず、皆で一気にこいつを倒すわよ!」


 シアンはそう言って、光の戦士の頭に向かって光を放った。キトリは巨大な闇の槍を作り、シアンと同じように氷の戦士の頭に向かって攻撃を仕掛けた。ソクーリはため息を吐き、右手を上に上げた。


「まぁいいか。とりあえず、すぐにこの戦いを終わらせよう」


 と言って、ソクーリは氷で剣を作り、刃の周囲に電撃を放った。


「あとは僕が決める。僕の攻撃で氷の戦士が倒れなかったら、追撃を頼みます」


「分かったわ」


 シアンの返事を聞き、ソクーリはすぐに氷の戦士に向かって突っ込んだ。ソクーリの接近に気付いた氷の戦士だが、その前にソクーリの攻撃が氷の戦士を襲っていた。


「僕の方が速かったな」


 小さくソクーリは呟くと、手にしている雷を纏った氷の剣で、氷の戦士の方付近を攻撃した。攻撃が当たった直後、周囲に氷の粒が舞った。


「所詮は氷。どれだけ硬くても、威力が高い攻撃を当てれば崩すことができる!」


 ソクーリはそう言って、攻撃を続けた。その様子を見ていたヒマワリは、心の中でソクーリを応援していた。


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