敵の雑魚が前回の話と似たような感じでどうもすみません
モンモはベーキウたちが接近したと察し、自身の魔力を使って氷の兵士を作り、ベーキウたちの元へ向かわせた。敵の接近を察したベーキウたちはすぐに武器を構えたり、魔力を開放して戦いの態勢になった。クーア以外は。
「んがァァァァァ! おっしゃァァァァァ! わらわを雪だるまにした罰、思い知るがいい!」
そう言いながら、クーアはシアンの後頭部に向かって蹴りを放ったが、シアンはクーアの足を掴み、遠くにいる氷の兵士の元へぶん投げた。
「まずあんたが先陣で突っ込みなさァァァァァい!」
「のわァァァァァァァァァァ!」
クーアは悲鳴を上げ、体を回転しながら宙を舞い、氷の兵士の近くに落下した。突如落ちたクーアを見た氷の兵士たちは驚き、その場に立ち尽くした。だが、その隙にクーアは火の魔力を使って奇襲をした。
「あーむかつくのじゃ。とりあえず、むかつくからお前らをぶっ飛ばしてやるのじゃ!」
と言って、クーアは近くにいた氷の兵士の顔を殴った。一発のパンチで、氷の兵士の頭は取れてしまった。
「あ、ヤベ」
やりすぎたと思ったクーアは、恐る恐る地面に落下した氷の兵士の頭を手にし、頭を失った体の上に乗せた。だがその直後、その氷の兵士の体は粉々に砕け散った。
「あちゃー、やりすぎたかー?」
「やりすぎたかーじゃないわよ。油断しないでよもう!」
「相手は生き物ではない。頭をぶっ飛ばしても罪の意識を感じるな」
そう言いながら、シアンとジャオウが氷の兵士に接近しつつ、氷の兵士に攻撃を仕掛けた。その後、後ろから魔力を開放したソクーリが攻撃を仕掛け、それに合わせるようにキトリが闇を発した。
「モンモのことだから、そこまでこいつらを強くしていないはず」
「どうしてそんなことが分かるの?」
「モンモは優しいからだ。たとえ敵を作って僕たちに襲わせても、優しさがあるから無意識のうちに作った兵士を弱くしてしまう」
キトリとソクーリはそんな話をしながら、攻撃をしていた。一方、ベーキウはクレイモアを手にして戦おうとしたが、腹から痛みを感じ、片膝をついた。そのことを察したアルムとレリルは急いでベーキウに近付いた。
「ちょっと、さっきの戦いの怪我が治ってないの?」
「大丈夫だ。まだ戦える」
「そのセリフは大丈夫じゃない人が言うセリフですよ。ここはジャオウたちに任せて、もう一度治療します!」
「だけど、敵が目の前に……」
ベーキウの言葉を聞き、アルムは目の前に攻撃から逃れ、自身に接近した氷の兵士がいることに気付いた。攻撃されると思ったアルムは目を抑え、レリルは悲鳴を上げながら後ろに下がろうとした。だが、ヒマワリとリオマの背後にいた何かが飛び出し、氷の兵士に近付いた。
「ここは僕に任せるベボ!」
と言った。その直後、激しい掃除機のような音が響き、あっという間に氷の兵士の姿はなくなった。
「な……今のは?」
ベーキウたちが驚く中、氷の兵士を倒した戦士がベーキウに近付いた。
「ベボ! 間一髪だったね!」
その戦士は四角い物体だが、手足のようなものがあった。それを見たベーキウは新手のモンスターかと思ったが、リオマが近付いてこう言った。
「こいつはモンスターだけど、人並みの知能を持った天才だ。敵じゃねーから安心しろ」
「そ……そうなのか」
人並の知能を持つモンスターを見て、ベーキウたちは驚いた。そのモンスターはベーキウたちに近付き、こう言った。
「僕はティンクル。ヒマワリとモンモのペットモンスターベボ! 君たちのことは、ネットの情報で知ってるベボ!」
「そうか。なら、自己紹介しなくても大丈夫か」
「うん。さて、そろそろ前の方の戦いが終わったみたいベボ!」
ティンクルの言葉を聞き、シアンたちの戦いが終わったことをベーキウたちは察した。
戦いが終わった後、ベーキウたちは氷の城の前に到着した。リオマが門の前に立ち、何度も門を叩いた。
「モンモ! 俺だ、リオマだ!」
「無駄だよ兄さん。この扉、かなり分厚いから兄さんがいくら叫んでも、モンモには届かない」
「クソッ!」
苛立ったリオマは分厚い氷の門を蹴ったが、その時に足を痛めた。リオマが後ろでぶつけた足を抱えながら悶絶する中、クーアが魔力を開放して火を発した。
「氷でできているなら、これで十分じゃろ」
「火で溶かす。簡単すぎると思うが……」
「じゃからと言って動かぬのか? 時間をかけて考えても、導かれる答えは一緒じゃ」
クーアが火で氷の門を溶かし始めて数分が経過した。氷は難なく解け、城内に入るまでつながった。その後、ベーキウたちは氷の城に入った。城内に入ってすぐ、シアンたち女子とおばさんのクーアは声を上げて驚いた。
「うわー、本当に氷でできているわね」
「きれい」
シアンとキトリは目を輝かせながら周囲を見回し、レリルは近くにあった氷のモニュメントに近付いた。
「こいつは高値で売れそうね。ジャオウ、こいつ貰うから手伝ってー」
「俺は泥棒のようなことはしない。一時、ノレパン一味の仕事を手伝ったことはあるがな」
呆れたジャオウはレリルの羽を掴み、氷のモニュメントから遠ざけた。ベーキウとアルムが周囲を見回す中、遠くから響く足音に気付いた。
「おい、誰か近付いてくるぞ」
ベーキウの言葉を聞いたリオマは、急いで周囲を見回した。しばらくして、モンモが姿を現した。
「モンモ! 無事だったか。無事でよかった」
リオマは安堵しながらモンモに近付いたが、何かに気付いたソクーリがリオマを蹴ってモンモから遠ざけた。
「何しやが……」
文句を言おうとしたリオマだったが、モンモがソクーリに攻撃を仕掛けた光景を見て、驚きのあまり言葉を失った。
「モンモ! こんなことをしても、何にもならないぞ!」
「お願い、私のことはほっておいて!」
「それは無理なお願いだが……グッ!」
ソクーリはモンモから距離を取り、ベーキウたちの元へ戻った。レリルはソクーリを見て、声を上げた。
「ちょっと、凍傷ができてんじゃないの! 治療してあげるから、ちょっと待ちなさい」
「この程度、傷じゃない」
「バカねー。この傷から魔力を感じるのよ。あの子、あんたを凍らせるつもりよ」
レリルの言葉を聞き、ソクーリはモンモを見た。
「どうやら、帰りたくないようだな」
「だが、この状況を打破するにはあの子をどうにかしなければならない。心苦しいが、実力でどうにかするしかない」
ベーキウとジャオウは武器を持ち、モンモに向かって走り出した。それに気付いたリオマはベーキウとジャオウを止めようとしたが、キトリがリオマを止めた。
「クソッ! 放せ!」
「とにかくあの二人に任せて!」
「うるさい! 俺がモンモを止める!」
リオマは暴れ、無理矢理キトリの拘束を解き、走ってモンモの元へ向かった。それを見たベーキウは止めようとしたが、ジャオウが口を開いた。
「何を言っても無駄だ。どうして彼が熱くなっているのか分からんが、今の状態で彼には話が届かない」
「ああ。参ったな、かばいながら戦うのも難しいぞ」
「確かにな」
ベーキウとジャオウは話しながら、リオマよりモンモに接近して攻撃を仕掛けた。モンモは氷でベーキウとジャオウの攻撃を受け止め、周囲に鋭い氷の刺を創った。
「ごめんなさい。急所は外します。だから、もう私に関わらないで!」
モンモは叫びながら、ベーキウとジャオウに向かって氷の刺を放った。猛スピードで飛んでくる氷の刺をかわし切れず、ベーキウとジャオウは攻撃を受けてしまった。
「ベーキウ!」
「ジャオウ!」
攻撃を受けたベーキウとジャオウを心配したシアンとアルムは、急いで倒れたベーキウとジャオウの元へ向かった。
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