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ライバルキャラが危機に陥って助けに行くって面白い展開だよね


 温暖で過ごしやすい気候のシェマルームに到着したベーキウ一行。だが、温暖な気候では絶対に降らない雪が降っていた。おかしいと思いつつ、服屋に立ち寄ったベーキウ一行。そこで、前の長編で一切出番がなかったため、久しぶりにアルムとレリルと遭遇する。その中で、ジャオウが迷子になって行方不明だと聞かされた。ライバルキャラで、ボスキャラのジャオウだが、なんやかんだ一緒に戦ったりしていたので、その恩を返すため探すことになった。




 その後、ベーキウたちは別の服屋で運よく売れ残っていた防寒具を買い、それを装備した。


「で、どのあたりでジャオウは姿を消したのか覚えておるか?」


 クーアの質問を聞き、レリルは考えてこう言った。


「近くに緑色の立て札があったわね。記憶にあるのはそれだけ」


「そうだ。町からそこまで距離はないはずです。だけど、ジャオウのことだから予想外のところを歩いているかも」


 アルムの答えを聞き、ベーキウは少し厄介なことになりそうだと考えた。シアンはため息を吐き、ベーキウたちにこう言った。


「考えていても先に進まないわ。とにかくジャオウと別れた場所に行きましょう」


 その後、ベーキウたちはアルムとレリルの案内で、最後にジャオウを見た場所に到着した。レリルは周囲の雪を吹き飛ばし、埋もれていた緑色の看板を見つけた。


「これよこれ! ここら辺にジャオウがいればいいんだけど」


「あまり喜ぶでない。見ろ、雪のせいで周りは同じような景色じゃ」


 クーアの言葉を聞いたベーキウは、周囲を見回した。雪が降っているせいで、周囲は白色に染まっている。それに、似たような景色が多すぎて迷ったら元の場所に戻れるかどうか分からないのだ。


「こりゃ……早く見つけないとやばいな」


「方向音痴のジャオウじゃなくても、これは誰だって迷いますよ」


「皆固まって動きましょう。絶対にはなれないでね」


 シアンの言葉を聞き、ベーキウたちは頷いた。その後、ひと固まりになってベーキウたちは動き出した。前にはベーキウ、アルム。中央にはクーア、レリル。その後ろにはシアンとキトリ。そんな形で歩いていた。歩く中、クーアは鼻を抑えながらこう言った。


「お前、やっぱり口臭いの」


「はぁ? 今それ言う?」


「きつくてしゃーないのじゃ。口臭ケアの道具貸してやるから、それ使って口臭を消せ」


「あんたに言われるのはなんか嫌だけど、しゃーないわねー」


 と言って、レリルはクーアから口臭ケア用のスプレーを借りた。だが、いくらスプレーのトリガーを引いても、スプレーは出なかった。


「ねぇ、これ出ないんだけど。空っぽなんじゃない?」


「まだ残りがあるはずじゃ。そんなはずは……」


 クーアはスプレーを見て、驚きの声を上げた。スプレーの中の液体は、カチカチに固まっていたからだ。


「うわ! 凍っておる!」


「うっそ! じゃあもしかして……」


 レリルは化粧水を取り出したが、化粧水もカチカチに固まっていた。


「うわーん! この化粧水、そこそこ高かったのにー! まだ半分しか使ってないのにー!」


「これだけ寒いと、いろいろと固まりますね」


「ああ。横の川もカッチカチだ」


 ベーキウは横を見てこう言った。アルムは川全体も固まっていることを察し、驚きの声を上げた。


「うわ、中の魚もカッチカチ」


「水面に上がった魚もカッチカチ。この国で何かが起きているのは確かね」


 シアンは固まっている魚を見てこう言った。




 しばらくジャオウを探すために歩いていたベーキウたちだったが、探す中でベーキウは殺気を感じた。


「何かいるな」


「こんな寒い中、ご苦労なことじゃ」


 クーアはあくびをしたが、後ろにいたシアンとキトリがクーアの後頭部にチョップした。


「真面目にやりなさい」


「前にいるんだから、ちゃんと援護しなさいよ」


「大丈夫じゃ。すでに魔力を開放しておる。ベーキウ、アルム。相手は雑魚っぽいが、慣れない機構での戦いじゃ、気を付けろ」


 クーアの言葉を聞き、ベーキウとアルムは武器を手にした。しばらくして、殺気を放っている主が姿を現した。


「あれはモゴリアンイノシシ。毛並みは薄いから防御力は低いけど、角と牙は氷柱のように鋭いから気を付けて!」


 アルムの言葉を聞き、ベーキウは頷いだ。そして、迫ってくるモゴリアンイノシシの攻撃に対し、クレイモアを使って対処した。


 すごい、早い動きのモゴリアンイノシシに対して、素早く動いて攻撃を対処した! この人、また強くなってる!


 ベーキウの動きを見たアルムは驚き、心の中で呟いた。その後、モゴリアンイノシシは急ブレーキをして再びベーキウの方を振り返ろうとしたのだが、雪のせいで足がまともに動かすことができず、途中で転倒した。


「今じゃ!」


 クーアは巨大な風の塊を発し、転倒したモゴリアンイノシシに攻撃を仕掛けた。巨大な風の塊はモゴリアンイノシシに激突し、切り刻んだ。


「はっはー! 残り少ない毛を刈り取って、ツルツルにしてやるのじゃー!」


「えげつないことをしてるわねー」


 高笑いをするクーアを見て、レリルは小さく呟いた。攻撃を受けたモゴリアンイノシシだったが、何とか立ち上がってベーキウに向かって突進を仕掛けてきた。ベーキウはクレイモアを構える中、アルムは魔力を開放してベーキウに魔力を注いだ。


「これでもっと強くなります。ベーキウさん、一気に片を付けてください!」


「ああ、ありがとな!」


 ベーキウは礼を言った後、迫るモゴリアンイノシシに向かってクレイモアを振り下ろした。強烈な一閃はモゴリアンイノシシに命中し、攻撃を受けたモゴリアンイノシシはその場に倒れた。敵はもう動かないことを察したベーキウは、安堵の息を吐いてクレイモアを後ろの鞘に納めた。


「やっぱり強いわね、ベーキウ」


「私たちの出番がなかったわ。ま、何かあれば私たちが戦うから」


 シアンとキトリの言葉を聞き、ベーキウは笑みを浮かべた。そんな中、アルムは周囲を見回して何かを見つけた。


「これ、ジャオウのハンカチだ!」


 アルムの声を聞き、ベーキウたちは一斉にアルムが手にするジャオウのハンカチを目にした。




 ジャオウのハンカチを見つけた後、ベーキウたちは周囲を探索した。だが、ジャオウの姿は見当たらなかった。


「ハンカチがあるってことは、この辺りにいるかもしれないってことだけど……」


「さっきみたいに、凶暴なモンスターがいたんじゃ。ジャオウがあいつらに負けるってことはないじゃろうが、不安じゃのう」


「早く見つけないと」


 シアンたちがこう言う中、アルムはひたすら周囲を見回していた。ベーキウもアルムと一緒に周囲を見回し、動いている人影、怪しいものがないか見ていたのだが、それらを見つけることはできなかった。


「ジャオウ、決着を付けずに逝っちまうなんて、そんな展開嫌だからな」


 ベーキウが小さく呟くと、何かを見つけたアルムはベーキウの肩を叩いた。


「何かあったのか?」


「見てください、あれ」


 アルムの声を聞き、ベーキウはアルムの視線の先にあるものを見た。そこには、巨大な城があった。シアンたちもその存在に気付き、声を上げた。


「ありゃま! 町から離れているってのに、大きなお城があるもんね」


「けど、不思議な城じゃのー。何か感じるぞ」


「こんな場所にあるなんて……モンスターもいるのに、ここに建てて大丈夫なの?」


「とんだ見栄っ張りがいるもんねぇ。気配がしないけど、誰か住んでいるのかしら?」


 シアンたちの声を聞いた後、気になったベーキウは城に近付こうとした。


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