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このタイミングでとんでもない事実が暴露されるってあり?


 レイダーズはボロボロになっていた。ヒーデブスが放った美女人形の罠に何度も何度も引っかかり、そのたびに爆発に巻き込まれていたのだ。


「本当に呆れた。あんたは本当に何も学ばないな」


 と、ベーキウは呆れながら黒焦げになったレイダーズを引きずって歩いていた。


「ねぇ、ずって持たないでよ。せめてシアンちゃんかクーアちゃんにおんぶさせて」


「誰が好き好んでクソジジイをおんぶするか!」


「ベーキウ、ぶん投げてもええぞー」


 シアンとクーアの言葉を聞き、ベーキウは勢いを付けてレイダーズを近くの川に投げ込んだ。レイダーズはすぐに起き上がり、口の中に入った水を噴水のように出した後、ベーキウに近付いた。


「お前なぁ、年寄りを雑に扱うな!」


「あんたみたいに、人としても剣士としても最悪な奴を年寄りとして認識していない。老人ホームにぶち込むぞ」


「そりゃー勘弁! キトリちゃん、助けてーん」


 レイダーズは甘えた声を上げながらキトリに抱き着いたが、キトリはシャーマンスープレックスを放ち、レイダーズを倒した。


「ぐぐ……痛い」


「呆れたわ。ねぇ皆、このクソジジイここで埋めてかない?」


「そうですね。スコップが落ちてましたので」


 ツバキが人数分のスコップを持ってきてこう言った。シアンとクーアは意気揚々とスコップを手にし、地面を掘ろうとした。それを見たレイダーズは慌てて二人を止めた。


「タンマタンマ! マジで生き埋めするのは止めて! まだ死にたくない!」


「あんたみたいなクソジジイは一度痛い目見ないとダメよ!」


「もし、次ふざけたらズタズタにするからなー」


 シアンとクーアはレイダーズを睨みながらこう言った。そんな中、ツバキは空を見上げてこう言った。


「もう暗いですね。ヒーデブスのアジトはまだみたいですが……」


「このクソジジイのせいよ。このクソジジイが何度も同じ罠に引っかかるから、そのたびに足止めを喰らったから」


「マジメンゴー」


 シアンの言葉を聞いたレイダーズは、かわい子ぶって舌を出しながら謝った。その態度が気に食わなかったキトリは、何も言わずにレイダーズの顔面に向かって膝蹴りを放った。シアンは膝蹴りを喰らって痛がるレイダーズを無視し、周囲を見回した。


「それよりも、今日はどこかで休みましょう。明日中にはヒーデブスのアジトに到着して、リプラ王女を助けないと」


「そうですね……あ」


 ツバキは周囲を見回し、近くに宿があることを確認した。




 その後、ベーキウたちは宿を取り、部屋を決めることにした。結果、男子部屋と女子部屋で分かれることになった。


「はぁ、やっと落ち着ける」


 ベーキウはそう言いながら、荷物を床の上に置いた。ツバキは木刀を手にし、外に出た。それを見たベーキウはツバキに声をかけた。


「修行するのか?」


「はい。少しでも強くなって、ヒーデブスを倒したいんです」


「無茶するなよ。休む時は休め」


「分かってます。でも、少し鍛えます」


「そうか。じゃあ、俺は風呂に行ってくるから」


「分かりました。お気を付けて」


 ツバキと会話を終え、ベーキウは風呂場に向かった。風呂に入りながら、ベーキウはうなり声をあげていた。何度もシアンたちが自分の裸を見るために、男湯に入ろうとしたのだが、今回は異常なほどのスケベジジイ、レイダーズがいる。また別の騒動が起こるだろうとベーキウは考えていた。しばらくすると、レイダーズが笑みを浮かべながら男湯に入ってきた。


「さーて、さっぱりするかのー」


 そう言いながら、レイダーズは風呂に入らずに女湯と男湯の間にある壁の方へ向かった。ベーキウは何も言わず、手にしている桶をレイダーズに向かって投げた。桶は見事、レイダーズの後頭部に命中した。


「何するんじゃ!」


「覗いたら捕まるだろうが」


 怒声を放つレイダーズに対し、ベーキウは冷静にこう言った。レイダーズは桶をベーキウに返すと、ぶつぶつと文句を言いながら湯船につかった。


「本当に失礼な男じゃ。老い先短いおいぼれに女湯を覗くことを止めるとは」


「それが常識だろうが。剣聖として、誇りある行動をしてくれよ……」


「ジジイに優しくできない剣士の言うことなど聞くもんか。わしゃもう一度チャレンジする!」


 と言って、レイダーズは再び女湯へ向かった。呆れたベーキウは壁を登ろうとするレイダーズの足を掴み、無理矢理下に引きずり下ろした。


「いい加減にしろよエロジジイ。今度やったら股間を蹴り潰すぞ」


「いやーん。怖いこと言わないでー」


 恐ろしいことを言ったレイダーズは、呆れて湯船に戻るベーキウの後姿を見て、声を上げた。


「あり? 君の尻って……」


「おいあんたまさか、男の尻にも……」


「誤解するな! ワシが好きなのは女の子のおしりじゃ! 野郎の汚いケツなど見ても興奮せんわ! それよりも、尻に剣と盾の紋章があるではないか」


 尻に剣と盾の紋章。このことを聞き、ベーキウは以前にクーアがその紋章があると言っていたことを思い出した。


「ああ。確か、クーアが俺の尻に紋章があるって言ってたな。それが?」


「いやー、それな。実はワシにもあるんじゃよ」


 そう言いながら、レイダーズは自身の尻をベーキウに見せた。ベーキウは汚いと思いつつも、レイダーズの尻に剣と盾の紋章があることを確認した。


「それがどうかしたんだよ?」


「これのー、ワシの一族にしか浮かばない紋章なんじゃ」


「はぁ」


 それがどうしたと言うような表情をし、ベーキウは返事をしたのだ。だが、深く考えてこの意味を徐々に理解していった。


「あんたの一族にしか浮かばない紋章が、俺の尻に浮かんでいる……」


 自分の言葉を聞き、ベーキウは全身の血の気が勢い良く引いて行くのを感じた。そして、自分の母親が父のことを何も言わず、何も言いたくない理由を理解した。


 信じたくない。ベーキウはすぐにそう思った。レイダーズから目をそらしたのだが、レイダーズはベーキウのことを何も考えず、笑いながら近づいた。


「つーことはさ、お前さんの父親は、ワシってことになるのー。あはは」


 その言葉を聞いたベーキウは大きな声を上げた。その声を聞いた女湯にいるシアンたちは、驚いて声を上げた。


「ベーキウ? そこにいるの?」


「何があったのじゃ!」


「もしかして、あのジジイに」


「え? シアンちゃんたちいるの? 覗きにレッツラゴー!」


 ショックを受けて全身が真っ白になっているベーキウを無視し、レイダーズは意気揚々と女湯に向かって大きくジャンプした。そして、シアンたちの攻撃を受けて灰になって男湯に落ちてきた。ばかばかしい光景があったのだが、ベーキウは救いようのないほどのドスケベで、自分の性欲のためなら常識をぶっ壊すクソジジイが、自分の父親であることを知った。それ以外何も考えられずにいた。そんな中、レイダーズは真っ白になったベーキウに近付いた。


「もしよかったら、パパって呼んでもいいからの」


「うるせェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」


 ベーキウは怒声を上げつつ、レイダーズに向かって魔力と怒りを込めたアッパーを放った。攻撃を受けたレイダーズは勢い良く吹き飛び、そのまま温泉の外に落ちた。


「ギャァァァァァ! やばい、こんなところに熊さんが! ちょ、この熊メスか! ワシを見て発情するな! ワシが発情するのは人間の女だけじゃァァァァァ!」


 外から聞こえるレイダーズの間抜けな叫び声を聞き流し、ベーキウは何も考えないでいようと思ったのだが、今日一日で目の当たりにしたレイダーズの失態を思い出してしまい、何も忘れることができなかった。


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