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ヒーデブスが放つ刺客


 剣聖と言われる剣士のあこがれの存在、レイダーズがしょうもなく、美しい女性、美少女であればだれであろうと発情する救いようのないドスケベ淫乱クソジジイであることが分かった。このクソジジイ、リプラを救ってチョメチョメするとほざいたため、クソジジイがバカなことをしないようにツバキの協力を得ながら見張ることにした。


「こんなパーティーで大丈夫かなー」


「何? こんなタイミングでこの作品のタイトルコール?」


 クーアの独り言を聞き、シアンがこう言った。それに対し、クーアは闇の魔力で創られたロープで六甲縛りにされて苦しそうにしているが、気持ちよさそうな声を上げているレイダーズを見てこう言った。


「あのエロジジイ、絶対わらわたちの足を引っ張るぞ。始末したほうがいいんじゃないか?」


「私だってあのエロジジイを始末したいわよ。あのエロジジイをほっといたらいろんな女性に手を出すからね。だけど、勇者でも人の命を奪ったら牢屋行きよ。あんなジジイ殺して前科なんて負いたくないわ」


「わらわもじゃ。はぁ、結局は今回の騒動を終わらすまで、あのジジイと一緒というわけか。セクハラされるかもなー」


 と、クーアはため息を吐いてこう言った。そんな中、レイダーズは興奮の声を上げつつも、闇のロープを何とかほどいて自由の身になろうとした。だが、そのことを察したベーキウとツバキが闇の縄を手にし、もう一度強く引っ張った。


「あひィィィィィん! もっと締め付けてェェェェェん!」


「何言ってんだこのジジイ!」


「どうします? 強く縛っても喜ぶから、何をやっても無意味になる気がします」


「じゃあこれで」


 キトリは闇の魔力を発し、レイダーズを丸焦げにした。丸焦げになったレイダーズは咳払いし、キトリにこう言った。


「キトリちゃーん、それは激しすぎるよー。激しいのはベッドの上で十分」


「ベッドの代わりに棺桶を持ってきましょうか?」


「そりゃー勘弁!」


 レイダーズは笑いながらそう言った。ベーキウが呆れてため息を吐いていると、遠くから誰かの悲鳴が聞こえた。


「何かあったな」


「急ぐわよ」


 悲鳴を聞いたベーキウたちは、急いで悲鳴が聞こえた場所へ向かった。そこには、リプラ救出に向かった無数の戦士たちがいるが、その前には剣を持った人形のような物体が浮いていた。それを見たベーキウは驚き、近くにいた戦士に尋ねた。


「なぁ、何だあれは?」


「分からんが、ヒーデブスが俺たちの足止めのために作った人形かもしれんな」


「あの野郎、卑劣なことをするわねー。だけど、どうしてあんたたちの場所が分かったの?」


「何か不思議な道具を使っているのだろう。気を付けろ、襲ってくるぞ!」


 戦士たちの声を聞き、ベーキウたちは前を見た、剣を持った人形は、ベーキウたちに向かって襲ってきたのだ。




 水晶玉で戦士たちの戦いの様子を見ているヒーデブスは、腹を抱えて笑っていた。


「イーヒヒヒ! 哀れな戦士たちよ! 僕様の作った人形たちに殺されるがいい!」


 自身が作った人形相手に戦い、苦戦する戦士を見てヒーデブスは爆笑していた。そんな中、シアンが魔力を開放し、人形たちを吹き飛ばした。その光景を見たヒーデブスは渋い顔をし、水晶玉を見た。


「チッ、勇者の一族、シアンか。あいつもリプラちゃんを助けるために僕様と戦うのか? うーむ。よく見るとかわいいなぁ。第二夫人として迎えてもいいだろう。さてと」


 ヒーデブスは魔力を開放し、その魔力で新たな人形を作り出した。そして、作り出した人形に向かってこう言った。


「人形たちよ。先に向かった人形たちと一緒にリプラちゃんを助けようとバカな考えを持つ戦士たちを処分するのだ。勇者のシアン、もしくはかわいい戦士の女の子がいれば捕まえて僕様のところへ連れて戻れ!」


 ヒーデブスの命令を聞いた人形たちは、頭を下げて返事をし、窓から外に出て飛んで行った。




 シアンは剣を振り回し、人形たちに攻撃を仕掛けていた。


「こいつら、結構弱いから一発で仕留めることができるわよ!」


 攻撃をしながら、シアンはベーキウたちにこう言った。ベーキウはクレイモアを構え、迫る人形を次々と倒した。


「確かにあいつらの攻撃は強いが、耐久面は弱いな」


「そうじゃな! じゃあわらわも一発!」


 クーアは魔力を開放し、巨大な風の刃をいくつも放って人形たちを切り刻んだ。だが、この攻撃をかわした人形たちが別の戦士に襲い掛かった。それを見たキトリは闇の魔力を開放し、小さな闇の刃を人形に向かって放った。


「クーア、倒しきれてない人形がいるわ。倒すなら確実に倒してよ」


 と、キトリはクーアに向かって文句を言った。クーアはキトリの方を振り向き、大声で叫んだ。


「しゃーねーじゃろうが! あの人形の中に何体か、勘と運動神経がいい奴がおる! そいつらがわらわの攻撃を察して避けるんじゃ!」


「あっそう」


 キトリはため息を吐いて答えると、ツバキの方を向いた。


「あなたも剣士なら、その剣で戦って。王女様を救いたいんでしょ?」


「はい!」


 ツバキは腰の剣を抜き、人形に向かって走り出した。


「てあああああ!」


 声を上げながら、ツバキは剣を振り下ろした。だが、人形は剣を使ってツバキの攻撃を防御し、ツバキの腹を蹴った。蹴り飛ばされたツバキはすぐに立ち上がったが、レイダーズがこう言った。


「おーい坊主。むやみやたらと剣を振るのが攻撃じゃないぞー。先に相手を倒したいから動きまくるって考えは理解できるが、そんな攻撃したら体力がなくなるぞー」


「すみません、静かにしてください!」


 ツバキはそう言って、目の前の人形を睨みつつ攻撃を始めた。冷たい返事を聞いたレイダーズは、悲しそうな表情をした。


「アドバイスしてやったのに」


「エロジジイのアドバイスに価値があると思ってんじゃねーぞ」


 ベーキウがレイダーズの元に下がりながらこう言った。そして、迫ってくる人形の攻撃を防ぎ、反撃でクレイモアを振るった。ベーキウとツバキ、二人の剣士の動きを見たレイダーズは大きなため息を吐いた。


「二人とも、まだまだあっまいのー。クレイモアの兄ちゃんはそれなりに動けてるけど、完全にクレイモアを使いこなせておらん。で、そこのガキンチョは初心者に毛が生えたレベル。そんなんであいつらを倒せると思ってんじゃねーぞー」


 この言葉を聞いたベーキウはイラっとし、レイダーズに近付いた。


「じゃあ、あんたはあいつらを倒せるっつーのかよ?」


「一人で難なくね」


 返事を聞いたベーキウは、胡散臭そうな目でレイダーズを見た。


「その目は何? 怪しいって思ってるでしょ?」


「そう思ってんだよ。あんたみたいな救いようのないエロジジイがあの人形を倒せるのか?」


「僕も少し不安です」


 と、ツバキもこう言った。レイダーズは少し魔力を使い、自身の体を縛っている闇の縄を破壊した。それを見たキトリは、驚いて目を開けた。


「嘘。結構強めに魔力を込めて作ったのに……」


「力があっても、経験が足りないのじゃよ、キトリちゃんは」


 キトリにウインクしながら、レイダーズは右腕を回しながら人形の群れに近付いた。


「おーい、ガラクタ共! 今からワシがお前らをゴミ箱に送ってやるから、その場で立ってろよー」


 この言葉の直後、人形たちは一斉にレイダーズに向かって襲い掛かった。


「はぁ、言わんこっちゃない」


 シアンは呆れてため息を吐いた。だが、レイダーズは腰の剣を握り、素早く振り上げた。この一戦で、目の前の人形の体は真っ二つに裂けた。


「まず一人」


 レイダーズは右手の剣を回しながら、人形たちを見て笑みを浮かべていた。


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