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恐怖のフォーメーションファイブ


 突如ゴガツの手下たちに襲われたベーキウたち。キトリは自分に発情した気持ち悪い変態たちを見て、気持ち悪さのあまり戦意を失った。気持ち悪さのあまり泣き始めたキトリに、ベーキウは優しくした。その時、キトリがベーキウに優しくなだめられたことを目の当たりにしたシアンとクーアの怒りが爆発した!


「キトリの奴ゥゥゥゥゥ! どさくさに紛れてベーキウに優しくしてもらうとか、あの子何考えてんの? 本当に信じられない!」


 血の涙を流しながら愚かなことを叫ぶシアンを見て、呆れたベルリアが呟いた。


「いや、あんな光景を見たら誰だって優しくするって……」


 クーアは魔力を開放し、動揺するゴガツの手下を睨んだ。


「おい豚共。これがきっかけでベーキウとキトリの仲が進展したらどう責任取るつもりじゃ?」


 シアンと同じように血の涙を流すクーアを見て、ゴガツの手下は動揺してこう言った。


「いや、俺たちにそんなこと言われても……なぁ」


「うんうん。どっちかっつったら、あのカワイ子ちゃんがあのイケメンと結ばれた方が……何だかいいような気がするんだけどなー」


「そっちのカプ厨が多そうな気がする」


 ゴガツの手下の返事を聞き、怒りがさらに爆発したシアンとクーアはゴガツの手下に襲い掛かった。


「何寝言を言ってんじゃ貴様らァァァァァァァァァァ! キトリの方があとから出てきたんじゃ! 二話から出てきたわらわの方が主人公のベーキウとくっつくって相場は決まっとるんじゃァァァァァァァァァァ!」


「勝手なことをほざくなクソババア! あんたは二話から出てきたけど、私は最初から出たんだからね! 何なら、この作品の顔みたいなものよ!」


「貧乳設定のお前がこの作品の顔じゃと? バカも休み休み言え! わらわの方が人気あるに決まっとるじゃろうが!」


「だーれがババアみたいなあんたに発情すると思ってんのよ!」


「分からないのかクソ勇者! 世の中にはロリババア属性と言うのがあり、見た目はロリだけ中身は年増。そんなキャラに発情する奴がいるのじゃ!」


「そんなマニアックな趣味を持つ奴がこの世にたくさんいてたまるか!」


「うるさい! とにかくベーキウはわらわの彼氏じゃ!」


「ざけんじゃないわよ! 勝手に人の彼氏を取るんじゃないわよ年増ババア!」


 魔力を開放したシアンとクーアは、ゴガツの手下そっちのけで喧嘩を始めてしまった。動揺したゴガツの手下たちだったが、今なら多分倒せるんじゃねと思い、シアンとクーアに襲い掛かった。だが、この選択は間違いだった。


「おらァァァァァァァァァァ!」


「俺たち抜きで盛り上がってんじゃねぇぞォォォォォ!」


「今なら勝てる! くたばれェェェェェェェェェェ!」


 ゴガツの手下たちは叫びながら走り出した。だが、鬼のような形相のシアンとクーアがゴガツの手下の方に振り返り、片手を前に出した。


「邪魔じゃボケェェェェェェェェェェ!」


「一度くたばれェェェェェェェェェェ!」


 シアンとクーアは同時に巨大な魔力を開放した。魔力に飲み込まれたゴガツの手下たちは、悲鳴を上げながら窓から外へぶっ飛んだ。ベルリアはこの光景を見て、ため息を吐いた。


「ちょっともう、やりすぎよ」


 その時、教室の中でゴールドエイトの泣き声が響いた。


「このバカチンがァァァァァァァァァァ! まだ説教は終わっていません! 勝手に気絶するんじゃありましェェェェェェェェェェん!」


 ゴールドエイトはビンタのやりすぎで両頬が赤く晴れ、気を失った生徒の胸ぐらをつかみ上げて叫んでいた。ベルリアはゴールドエイトに近付き、肩を叩いてこう言った。


「先生、やりすぎ」




 シアンとクーアはゴガツの手下をぶっ飛ばした後、派手にいつものように喧嘩をしていた。そんな中、倒されたゴガツの手下たちは集まり、小声で話をしていた。


「やはり勇者パーティー……俺たちだけでは適わない」


「だが、あいつらを下僕にしなければゴガツ様で童貞を卒業することができぬ」


「だけど俺たちじゃ勝てないぞ。多人数で攻めてもあっという間にやられる」


「数だけで攻めてはだめだ。あの隊形を組むぞ」


 その言葉を聞いた手下の一人は、はっとした表情をした。


「まさか、あのフォーメーションファイブをやるつもりか?」


「やるしかないだろう。目の前にいるのは俺たちより戦いの経験を積んだ猛者だ。どんな手を使ってでも、勝つぞ」


 その言葉を聞いた手下たちは頷き、ゆっくりと立ち上がった。喧嘩中のシアンとクーアは手下たちが立ち上がったことを察し、振り返った。


「あ? まだやるのかキモ豚共?」


「こんがり焼いてチャーシューにして食ってやるわよ?」


 まだ不機嫌のシアンとクーアは、ヒロインが行ってはいけない暴言を吐いたが、手下たちが隊形を組んだことを察した。


「何を考えているか分からないけど、どんな手段をしても私には勝てないわよ」


「とっとと帰ってママのおっぱいでも吸ってるんじゃな」


「俺たちがマザコンだと思っているのか? だとしたら大きな間違いだ」


「行くぞ、フォーメーションファイブ!」


 手下の一人が叫んだ後、前にいる二人の手下が勢いを付けて走り出した。シアンとクーアは魔力を使って二人の手下を吹き飛ばしたが、その後ろにいた別の四人の手下がシアンとクーアに抱き着いた。


「なっ!」


「ぐうっ!」


 肥満体の手下に抱き着かれた状態で、シアンとクーアは床の上に押し付けられた。力でどうにかしようとしたが、女子の腕で肥満体の体を持ち上げるのは難しかった。


「放しなさい! うげ、汗臭い」


 シアンは嫌そうにこう言ったが、手下の一人がシアンに抱き着いたまま呟いた。


「うほっ、女子に抱き着いちゃった。意外と気持ちいい」


「私は気持ち悪いっての! 離れろ!」


 シアンは魔力を開放して手下を吹き飛ばした。その一方で、クーアに抱き着いている手下はクーアから離れ、少し離れた所に移動した。そして、その手下はゲロを吐いた。


「うげェェェェェ!」


「超きつい加齢臭がする!」


 その言葉を聞いたクーアは、怒りのあまり巨大なビームを放って手下に攻撃した。


「無礼な奴じゃな! こんなかわいいJKを抱き着いて加齢臭がきついとか、言ってはいけない言葉じゃぞ!」


「あんたはJKじゃないでしょうが」


 呆れたシアンがこう言うと、別の三人の手下がシアンとクーアに向かって突進を仕掛けた。突進を受けたシアンとクーアは後ろに転倒したが、すぐに立ち上がった。だが、手下はシアンとクーアの足を抑えた。


「グッ! 放しなさい!」


 シアンは足を暴れさせて手下から手をどかそうとしたが、手下は手を放さず、笑みを浮かべていた。


「白いパンツねぇ、うひひ。勇者のパンチラが見れるなんて俺は幸運だ」


 その言葉を聞いたシアンは、顔を赤くしてスカートを抑えた。それを見たクーアは大声で叫んだ。


「何を照れておるんじゃ! 貴様のパンツなど見ても価値がないじゃろうが! おい! そこの豚野郎! あんなもん見ても価値はないから嬉しそうにするな!」


「何だとクソババア! あんたの汚らしいパンツがチラって見えても価値があるってこと?」


「わらわは紐パンじゃ! ベーキウと一線を越える日があると思い、常に身に着けておる!」


「ババアの紐パンなぞ価値がないわよ!」


「喧嘩している場合じゃないわよ! 上を見て!」


 ベルリアの声を聞いたシアンとクーアは、上を見上げて声を失った。そこには上から降ってくる手下がいた。手下は勢いよくシアンとクーアの体に落ち、二人にダメージを与えた。この光景を見た手下の一人が、小さな声で呟いた。


「囮役で目をごまかし、隙を突いて動きを封じ、大きなダメージを与える。これがフォーメーションファイブだ」


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