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ジャオウの目的とは?


 後日、意を決したアルジームは、パンジーと婚約すると誓った。その一報を受けたアルジームの知り合いやお隣さんは、まさかアルジームが王女様と婚約するなんて思わなかったと何度もマスコミたちに告げていた。婚約発表の会見にて、緊張しまくって表情がカチカチに固まっているアルジームとは対照的に、パンジーはおのろけながら笑みを浮かべて嬉しそうに話をしていた。


「それでねぇ、私は勢いでつい迫っちゃったのよー」


「迫っちゃったって、どういう意味ですか?」


 マイクを持った新聞記者に向かって、パンジーは照れながらこう言った。


「いやねぇ、もう! そんなこと聞いて。分かってるんでしょ?」


「いやまぁ分かっていますが、是非王女の口から言ってください」


「えー? 私の問題発言であんたらの新聞が発禁になっても仕方ないわよー」


「発禁? まさか大人の階段を上ったその先に……」


「何言ってるんですか! パンジー王女とは婚約しましたし、いろいろと……まぁやられましたが」


 アルジームの言葉を聞き、何かを感じ取った記者が訪ねた。


「やられました? まさか、あなたは上よりも下で」


「そう言った質問はなしにしてください! 気になるのは分かりますが、プライバシーってのがありますんで!」


 エロネタな質問が続き、呆れたアルジームは無理矢理この話題を終わらそうとしたが、パンジーが文句を言った。


「別にいいじゃない。私気になるのよ、記者会見でエロワードが弾丸のように出されたら、テレビで流れるかって」


「要点だけまとめられるに決まってるだろ! 頼むよ、皆が注目している場で変なことを言わないでくれ。変なことを聞かないでくれ」


 緊張と疲れのせいで、アルジームは大きなため息を吐いてその場に座った。




テレビで会見の様子を見ているベーキウたちは、疲れ果てているアルジームの顔を見て、大変であることを察ししていた。ただし、一部は大変であることを察していなかった。


「ダーッハッハ! アルジームは大変じゃのう! こんな変な会見に無理矢理出されて、しかも放送禁止用語が出そう!」


「これを乗り越えないと王女の旦那にはなれないってわけじゃないのー? にしてもエロネタが多すぎて逆に笑っちゃうわねー!」


 と、横になってせんべいを食べながらクーアとレリルが笑っていた。その様子を見ていたベーキウたちは呆れた表情をし、バカ二人を見ていた。


「あのバカ、人の苦労を知らないわね」


「ああいう人はあとで罰が当たるのよ」


 シアンとキトリは呆れてこう言う中、ベーキウはジャオウがいないことを察してアルムに聞いた。


「ジャオウはどこに行ったんだ?」


「ルーシィさんに呼ばれましたけど」


「何か用なのかな?」


 ルーシィがジャオウに何の用があるのか気になったベーキウは、後で探そうと思った。


 その頃、ジャオウとルーシィは城の庭で話をしていた。


「では改めてありがとうございます。あなたたちのおかげで、私はグレトールから解放されました」


 と言って、ルーシィは頭を下げた。ジャオウは小さく笑い、ルーシィに近付いた。


「苦しんでいる人がいるんだ。助けるのは誇り高き戦士として当然の行為だ。頭を上げてくれ」


「はい」


 ルーシィは返事をして勢いよく頭を戻した。その時、ジャオウのあごとルーシィの頭がぶつかった。


「あがが……ドジっ子なのは変わらないのか」


「ええ……悪癖は精神面が成長しても治りませんね」


 ルーシィは頭の痛みが治まった後、ジャオウにこう言った。


「実は私、まだグレトールから注がれた力が残っています」


「願いを叶える力があるというわけか」


「はい。それと、ちょっとだけですが人の心の中を読めることができるみたいです」


 この言葉を聞き、ジャオウの動きは固まった。


「それもグレトールの力か?」


「そうです。ただ、あいつに拘束されている時はこの力があるなんてこと知りませんでしたが……」


「まだ幼いから、心を読めても意味が分からなかったというわけか」


「多分そうだと思います。話を戻します。実はちょっとだけ、あなたの心を読んで過去を知りました」


 ジャオウはため息を吐き、後ろを向いた。


「俺の過去か……あまり気にしないでくれ。君はドレミーファ大臣と一緒にいることを優先してくれ」


「でも、あなたは私の恩人の一人です。恩返しのつもりで、あなたの願いを叶えたいのです」


「止めてくれ。俺の願いを叶えたら、君は殺人犯になってしまうぞ」


 ジャオウがこう言うと、一陣の風が吹いた。少し間を置き、ルーシィは口を開いた。


「あなたがあの人のことをどれだけ恨んでいるか理解できました。私の願いの力を使えば、あの人を……」


「いいんだ。さっき言ったように、君はドレミーファ大臣のそばにいてくれ。俺の目的は自分で果たす。そのためにファントムブレードを作ろうとしているのだ」


「ええ……でも、いいんですか? 多分、あの人はあなたよりも強いですよ」


「構わん」


 ジャオウがこう言った後、ベーキウたちがやってきた。話を聞かれたと思ったジャオウだったが、どうせいつかは目的が判明すると思った。


「俺たちの話を聞いていたのか?」


「ちょっとだけな」


「あんたが誰かの命を狙っているってのは前からちょっと聞いた気がするけど、まぁ……誰の命を狙っているか知らないけど、そうはさせないわ」


 シアンの言葉を聞き、ジャオウは小さく笑ってこう言った。


「いずれ分かるさ。あの男がどれだけ下種な野郎か……」


 ジャオウがこう言うと、ドレミーファ大臣がやってきた。


「皆様、王の間へ集まってください。渡したいものがありますので」


 その言葉を聞き、ベーキウたちは王の間へ向かった。




 王の間には、王が玉座に座ってベーキウたちがくるのを待っていた。その横には、パンジーに抱かれてちょっと照れているアルジームがいた。それを見たクーアはいやらしそうな笑みを浮かべて近付いた。


「ヒューヒュー、アツアツですねお二人さーん」


「あっはっは。どーもー!」


 パンジーは笑いながらこう言ったが、アルジームの顔は赤くなっていた。シアンがクーアの頭を叩き、王の方を向いた。


「王様、渡したいものとは?」


「これだ。君たちのおかげでドレミーファ大臣、そしてルーシィが救われた。そして悪しき心を持ったランプを消滅することができた。お礼として、これを受け取ってほしい」


 と言って、王は立ち上がってシアンとジャオウに砂鉄が入った小瓶を渡した。これを見たレリルは王に聞いた。


「何これ?」


「プラチナの砂鉄だ。君たちが欲しがってたと聞いたから」


 この言葉を聞き、アルムは涙を流した。


「ようやく……ようやく目的のものが手に入った……」


 ジャオウは涙を流すアルムの肩を叩き、自分も涙を流し始めた。


「苦労が報われた……本当に良かった……」


 涙を流す二人を見て、呆れたレリルはこう言った。


「私たちの方はやっと一個なのよ? まだたくさんあるのにそんな調子で大丈夫?」


「多分何とかなるはずだ」


「その多分ってのはあまりあてにならないわねー」


 そう言って、はしゃいでいるベーキウたちを見た。


「これで半分以上はたまったな!」


「あともう少し! この調子で頑張ろう!」


「わらわたちが先にファントムブレードを手にするのじゃー!」


「そうね。もう少し頑張りましょう」


 歓喜の声を上げるベーキウたちを見て、レリルは呆れた表情になった。


「さーてと、そろそろ次の素材を探しに……」


「あ、そうだ。これから婚約パーティーがあるけど、皆は参加する?」


 パンジーの言葉を聞き、レリルはすぐに参加すると返事をした。それから、ベーキウたちは婚約パーティーに参加したのだが、飲めや歌えやの大騒ぎ。一晩中どんちゃん騒ぎが続いたのであった。


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