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サキュバスを潰す! 野獣と化した勇者パーティー!


 クーアは運転手にあるスイッチを押しながら、狂気じみた笑みを浮かべていた。


「邪魔する奴は、ガトリング砲の餌食になってもらうぞォォォォォ!」


 そう叫びながら、何度もボタンを押していた。ガトリング砲から放たれる弾は、次々とレリルの部下を倒していった。


「イギャァァァァァ!」


「これってありかよ!」


「これ本当にファンタジー物?」


 などと言いながら、レリルの部下は倒れて行った。ガトリング砲の攻撃から逃れたレリルの部下は、魔力を解放してトラックの方を見た。


「魔力で攻撃を仕掛けるぞ! 一斉に魔力の塊を投げろ!」


 レリルの部下の一人がこう言うと、一斉に魔力の塊が武装したトラックに向かって投げられた。だが、武装したトラックの周りにオレンジ色のバリアが張られた。


「ガトリング砲の次はバリア発生器だと! 何だ、あのトラックは! と言うか、あんな改造して違反にならないのか!」


 何でもありの武装トラックを見たレリルの部下の一人はこう叫んだ。すると、トラックのランプが点滅を始めた。


「トランス! フォーメーショォォォォォン!」


 どこからか謎の声が響き渡った。すると、武装したトラックは機械音を鳴らしながら人型ロボットになった。


「そんなのありかァァァァァァァァァァ!」


 変身した武装トラックを見て、レリルの部下たちは大声で叫んだ。武装トラックの胸の部分から飛び出したシアンたちは地面の上に着地し、武装トラックの方を見てこう言った。


「それじゃあこの周辺の雑魚は任せるよ!」


「レンタル料分働いてくれ!」


「お願いします」


 シアンたちの言葉を聞き、武装したトラックはシアンたちの方を向いてこう言った。


「ああ、分かった! 後は変形型武装トラックロボット、イーボンコに任せてくれ!」


 変形型武装トラックロボット、イーボンコは返事をした後、肩にある小型ミサイルを一斉発射し、レリルの部下たちに攻撃を仕掛けた。


「ギャァァァァァァァァァァ!」


「待って! これ反則! ロボットなんて使っちゃダメでしょ!」


「つーか、これいろんな意味で大丈夫か? 俺、心配!」


 などと言いながら、レリルの部下たちはぶっ飛ばされた。




 念入りに歯磨きをしているレリルは、うるさいと思いながら洗面所の外に出た。


「うるさいわねー。何かあったのー?」


 その時、廊下を走っていた部下がレリルに気付き、こう言った。


「レリル様! 早く着替えてください!」


「嫌よ、今からあのイケメンとニャンニャンするんだから。だから念入りに歯磨きだってしているじゃない」


「そんなことしてる場合じゃないですよ! あのイケメンの仲間が変形ロボットを連れて殴り込みにきたんですよ!」


「変形ロボット? そんなのあるわけないじゃない。アニメの見すぎよ」


 レリルが笑いながらこう言うと、イーボンコの腕がレリルの前に現れた。レリルは外を見て、イーボンコの存在を察した。


「これは夢だ。悪い夢だ。私、こんな真昼間から白昼夢を見ているのね。私ってば、本当におっちょこちょいね」


「何わけのわかんないことを言っているんですか! 早く着替えて逃げてください! 俺は先に逃げます!」


 と言って、部下は逃げてしまった。レリルは呆れた表情をして、ため息を吐いた。


「慌てなくてもいいのに。こっちには四天王がいるのよ。もし、あのガキンチョ共がこのアジトに入ったとしても、四天王には敵わないわ」


 レリルは笑みを浮かべ、歯磨きを続けた。




 アジト内に侵入したシアンたちは、遭遇するレリルの部下を倒しながら先に進んでいた。


「どこだ! クソサキュバス! 百回ほど殴らせろ!」


「見つけたらあいつの股に消臭剤を山ほどぶっかけてやるぞ!」


「邪魔する人は……倒します」


 などと、女の子が言ってはいけない暴言を言いながら、シアンたちは暴れていた。そんな中、シアンはある魔力を感じてクーアとキトリに止まるように合図した。


「どうかしたのかシアン? まだ雑魚が迫ってくるぞ!」


「いいから止まって。強い魔力を感じるわ」


 この言葉を聞いたクーアは表情を変えた。キトリも手にしている闇の剣を構え直し、敵の接近を待った。しばらくして、槍を持った魔族が現れた。


「あなた方の無双劇もここまで。ボッコボコにされたくなかったら、お帰りすることをおススメしますよ」


「ベーキウを助けないで帰る選択はないわ」


「わらわは先に進むぞ」


「言葉を返します。ボッコボコにされたくなかったら、下がってください」


 戦う意思を見せるシアンたちを見て、魔族はため息を吐いてこう言った。


「分かりました。ですが、死ぬほど痛い目にあっても文句を言わないでくださいね。私の名はセマル。このアジトを守る四天王の一人です。以後、お見知りおきを」


 セマルはそう言って、シアンたちに襲い掛かった。




 上の階。セマル以外の四天王が集まって話をしていた。


「魔力を感じましたか? セマルが戦いを始めたようです」


 そう言ったのは、四天王の一人、ツマーキ。ツマーキの言葉を聞いた別の四天王が笑いながらこう言った。


「ま、セマルに任せればいいだろ。ただの人間がセマルに勝てるわけがない!」


 大声で笑いながらこう言ったのはクイロ。その言葉を聞き、笑いながら別の四天王がこう言った。


「ああ。ま、俺たちの出番はないかもしれないってわけだ」


「その通りですね、スクウト。僕たちが戦うことはありませんね」


 ツマーキはスクウトの言葉を聞き、頷きながらこう言った。他の三人は笑いながら手元の紅茶を一口飲んだが、次の瞬間にボロボロにされたセマルが床を突き抜けて現れた。それを見た他の三人は口に含んでいた紅茶を吹き出してしまった。


「おわァァァァァァァァァァ! セマル! お前変な所から現れるなよ! こっちにくるならちゃんと階段を使えよ!」


 クイロは紅茶まみれの口を拭きながらセマルに近付いたが、セマルの体は傷まみれだった。そして、セマルは気を失っているせいか白目を向いていた。


「セマルの奴がやられてる」


「何だと!」


 クイロの言葉を聞いたツマーキとスクウトは、気を失っているセマルを調べた。


「酷い傷……ここまでやらなくても……」


「あっという間に戦いが終わったのか。もしかして……侵入者は俺たちより強いのか?」


 弱気になったスクウトの言葉を聞き、クイロはこう言った。


「バカなことを言うな! 敵は少女だ! 一人歳をとったおばさんがいるらしいけど……まぁ、セマルは俺たちの中でも下の方の強さだ。俺たちならきっと……」


 その時だった。いきなり扉が吹き飛び、クイロの後頭部に激突したのだ。


「いってーな……一体誰が……」


 クイロは部屋の出入り口を見て言葉を失った。そこには、魔力と殺意を放っているシアンたちの姿があったからだ。




 レリルは逃げることよりも、ベーキウとニャンニャンすることを選んだ。歯磨きを終え、臭いと言われた香水の香りを消すために何度も体を洗い、完全に支度を終わらせた。


「お待たせ。さーて、お楽しみの時間よー」


 レリルは腰を振りながらベーキウに近付いた。ベーキウはシアンたちがアジトにいることを察している。レリルが支度を終わる前に助けてほしいと願ったが、その願いは通じなかった。


「残念ね。あなたの仲間はきっと四天王に倒されてあれこれされているわ」


「ふざけんな! シアンたちがお前らのような変態にやられるわけがない!」


 ベーキウの言葉を聞き、レリルは少しショックを受けたものの、すぐに気を取り直してベーキウのあご付近を触れた。


「あなたが何を言っても無駄よ。あなたは私と結ばれる運命なのよ」


「そんな運命感じたくない! お前のような変な女はタイプじゃないんでな!」


「私はあなたのような細マッチョのイケメンがタイプなのよ。さ、これ以上暴れてもむだだから、諦めなさい」


 と言って、レリルは羽織っているローブを脱ぎ捨て、露出度が高い下着姿になった。その姿を見たベーキウは、ここで終わりだと察した。


「さぁ、楽しい楽しいニャンニャンタイムの始まりよ」


 レリルが笑みを浮かべながらこう呟いたその直後だった。四天王が床から突き抜けるように現れたのだ。


「ちょっとォォォォォ! 今からニャンニャンタイムなのに、いきなり入ってこないでよ!」


 いきなり現れた四天王を見て、レリルは叫んだ。だが、四天王の様子がおかしいことに気付いたレリルは、近付いて様子を見た。


「や……やられてる」


「そりゃそーよ。私らが雑魚にやられると思ったの?」


 と、下から声が聞こえた。レリルはできた穴から下を覗くと、狂気的な笑みを浮かべるシアンたちと目が合った。


「イッギャァァァァァァァァァァ!」


 レリルは恐怖のあまり、汚い声で悲鳴を上げながら後ろに下がった。その直後、シアンたちはホラー映画の化け物のように、ゆっくりと動きながら上の階へ向かった。


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