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目の前のことに集中するのはいいけれど、周りのことも少しは気にしなさい


 何とかゴルマネー国の城に潜入することができたシアンたち。だが、先にノレパン以外のモンパ一味がアルム、レリルと一緒に城にいた。そんな中、シアンたちとアルムたちがばったり遭遇し、派手なバトルになってしまった。その後、何とか逃げ切ったアルムたちは仕事を始めたが、そんな中、ゴエゲートとツエルが遭遇してしまった。で、遭遇したこの二人は互いの顔を見て、立ち尽くしていた。ツエルの存在を察したミーネは、急いでアルムたちの方を振り向いてこう言った。


「まずい! 居場所がばれたわ! 逃げるわよ!」


「は……はい!」


 アルムたちは返事をして、すぐに天井裏に戻ったが、ゴエゲートだけは動かなかった。ミーネは動かないゴエゲートの元へ行き、耳元で叫んだ。


「おわっ! 何奴!」


「私よ私! あんた、何ぼーっとしてんのよ! さっさと逃げるわよ!」


「あ、ちょ」


 ミーネは無理矢理ゴエゲートを連れ、逃げて行った。嵐のように去って行ったミーネたちを見て、ツエルは小さく呟いた。


「かっこいい人だったなー」


 そんな中、逃げたミーネたちを追いかけていたシアンとクーアがツエルに近付いた。


「ねぇ、あいつらがどこかにいなかった?」


「さっきこの部屋に……」


 ツエルがこう答えると、シアンとクーアは目の色を変え、部屋の中に入った。


「ここじゃ! 天井の一部がずれておるぞ!」


「あいつらはそこから逃げたのね! うおっしゃー! 追い詰めて血祭りじゃァァァァァ!」


 シアンとクーアは悪魔のような笑い声を発しながら、天井裏に入った。




 一方、ベーキウはシアンたちの合流を果たすために城の入り口に向かっていた。だが、城の周りには兵士がたくさんいた。


 まずいな。今、俺たちも潜入しているようなもんだし、ばれたら大変なことになる。


 と、ベーキウは心の中で思った。そんな中、上空から殺意を感じ、ベーキウはクレイモアを構えた。


「うォォォォォ!」


 上から、ジャオウが叫び声を発しながら攻撃を仕掛けてきた。ベーキウはクレイモアで防御し、地面に着地したジャオウに向かってクレイモアを振るった。


「逃げたんじゃないのか?」


「逃げるわけがないだろう。邪魔が入っただけだ」


「そうか。それじゃあ、心置きなく戦えるってわけか?」


「その通りだ。行くぞ!」


 ジャオウは大剣を構え、ベーキウに向かって走り出した。ベーキウはジャオウの接近に合わせ、クレイモアを振るった。


「ふんっ!」


 ジャオウは大剣を地面に突き刺し、盾にしてベーキウの攻撃を防御し、そのままジャンプした。その際、地面に突き刺した大剣を無理矢理引き抜き、その反動を利用してベーキウに攻撃を仕掛けた。


「うおっ!」


 反動を利用した攻撃に対し、ベーキウはクレイモアを使って防御したが、重い衝撃がベーキウを襲った。少し体のバランスを崩してしまったベーキウに対し、地面に着地したジャオウは大剣を振るった。


「ぐっ!」


 迫る大剣を見て、ベーキウは素早く考えた。体のバランスを整えるよりも、わざとバランスを崩して這うような姿勢になり、攻撃をかわしたほうがいいと考えた。ベーキウは素早く転倒し、這うような姿勢になった。そのおかげで、ジャオウの攻撃をかわすことができた。


「何!」


「今度はこっちの番だ!」


 ベーキウは魔力を開放し、氷の刃を発してジャオウに攻撃を仕掛けた。飛んでくる氷の刃を見て、ジャオウは大剣を使った防御した。だが、その隙にクレイモアを構えたベーキウが接近し、突きの構えで攻撃を仕掛けた。


「ぐうっ!」


 ジャオウは攻撃を防御したのだが、魔力を開放しているためか、ベーキウの攻撃力はかなり上がっていた。


「うォォォォォ!」


 攻撃を当てたと確信したベーキウは、大声を発して気合を入れ、そのままジャオウを後ろの壁に激突した。壁に激突した後、ベーキウとジャオウはそのまま城内に入った。ジャオウに追いついたノレパンは、その様子を見てため息を吐いていた。


「あらま、派手にやっちゃったじゃないのー」


 そう呟いていると、背後から殺気を感じた。ノレパンが後ろを見ると、そこにはカネガタがいた。


「見つけたぞノレパン! 今日こそお前を捕まえてやる!」


「ゲェッ! カネガタのとっつあん! このタイミングで現れる?」


「タイミングのことなど知ったことか! ノレパン、逮捕する!」


 カネガタは十手をノレパンに向けて投げた。ノレパンは懐からナイフを手にし、飛んでくる十手を弾いたが、十手は蛇のように動き、ノレパンの体の周りを動き始めた。


「何なのさ、これ?」


「今に分かる」


 カネガタがこう言った直後、突如ノレパンは全身が縛られる感覚に陥った。


「あらまー、頑丈なピアノ線を十手のケツの方に付けていたのねー」


「その通り。目で確認できないほどの大きさだ。そのくらい細いピアノ線だが、頑丈だ」


「こりゃーまいったね」


 と、言いながらノレパンは笑みを浮かべた。その笑みを見たカネガタは、ノレパンが何か策を練っていると察した。そんな中、ベーキウとジャオウの戦いの余波で発した衝撃波が、ノレパンたちを襲った。


「おわっ!」


「おほー。これを待ってたのよ。これを!」


 衝撃波により、ノレパンの体を縛っていたピアノ線が切断された。体が自由になったノレパンは、急いでジャオウの元へ向かった。


「戦いは中止だ! こんな状況で暴れたら兵士たちが集まってくる!」


「今はそれどころじゃない!」


「あのちょっと、俺たちの本来の目的を忘れないでよ!」


「あんた邪魔だ! 巻き込みたくないから離れててくれ!」


 ベーキウの言葉を聞き、ノレパンは呆れた。


「あらま、二人ともマジなモードに入っちゃったよ。こりゃーどうしようもないねぇ」


 ノレパンは呆れてこう言ったが、後ろからカネガタが迫っていた。


「待てー! ノレパーン!」


「うわぁっ! ちょいとタンマとっつあん! この状況で乱入したら大変なことに!」


 カネガタはノレパンの制止を聞かず、ノレパンを逮捕しようとした。だがその時、魔力を開放したベーキウとジャオウの攻撃が、ぶつかった。そして、周囲に恐ろしいほど強い風が舞った。


「おわァァァァァ!」


「何だァァァァァ!」


 ノレパンとカネガタは強風によって吹き飛ばされてしまった。騒動を察した兵士たちも駆けつけたが、風によって前に進めないでいた。


「何だこの風は?」


「強い剣士のぶつかり合いだ!」


「何も城のど真ん中で戦わなくてもいいじゃないの!」


 兵士たちはそう言ったが、ベーキウとジャオウは話を聞かなかった。しばらく武器を振り回していたベーキウとジャオウだったが、鍔迫り合いの後、後ろに下がって魔力を開放していた。


「次の攻撃で終わらせる!」


「同感だ。俺もそのつもりだ!」


 ベーキウとジャオウはそう言った後、魔力を開放し、走り出して武器を振るい、ぶつかった。その時に発した衝撃波は、爆発のような強さだった。




 モンパ一味を探していたシアンたちだったが、なかなか見つけることができなかった。


「あいつらは一体どこよ?」


「見つけたら地獄を見せてやるのじゃ!」


 と、シアンとクーアは相変わらず殺意を放っていた。そんなバカ二人を見て、キトリは呆れていた。


「ベーキウとジャオウの魔力のぶつかり合いを感じないのかしら? 少し……頭冷やしてほしいな」


 そう呟くと、突如激しい爆発音が響き、衝撃波がシアンたちを襲った。


「キャァァァァァァァァァァ!」


「なんか急に強い風が!」


「二人のぶつかり合いがここまで!」


「うわぁっ!」


 シアンたちは近くにあった扉にぶつかり、そのままその部屋に入る形になった。そこには、玉座に座っているカネズキの姿があった。カネズキはいきなり部屋に入ってきたシアンたちを見て、驚いた表情をしていた。


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