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勇者と人魚の戦い


 リゾート地へ向かって海賊船を動かしているハンガーたち。ハンガーは海のサファイアの情報を手に入れられることを察し、笑みを浮かべていた。


「いよいよ念願の海のサファイアをこの手にする日がきたのだ!」


「落ち着いてくださいよ船長。まずは、情報を知っている人魚を捕まえないと」


「ああ、そうだな」


 そう言いながら、ハンガーは笑みを浮かべた。そんな中、突如船が大きく揺れた。


「ど……どうした!」


「大変です船長! 巨大なタコのモンスターが、船に絡まりましたァァァァァ!」


「んにゃにィィィィィ!」


 ハンガーは急いで部下の元に駆け付けると、その近くには巨大なタコのモンスターが姿を現していた。


「クソッたれがァァァァァ! これから動くところだっつーのに! 面倒だから秒で倒せ! 大砲を用意しろ!」


「え? 撃つんですか? あのタコの皮膚はかなり柔らかいから、弾が当たっても跳ね返ってきますよ」


「とにかく撃ちまくれ! そのうちの一発は当たるだろ!」


 部下たちはハンガーに言われた通りに大砲を用意し、一斉に弾を放った。放たれた大砲の弾はタコに命中したが、タコの皮膚が大きく動いて弾を海賊船に向かって弾いた。


「え? ダメなの?」


 ハンガーが目を点にしてこう言う中、飛んできた弾が海賊船に命中し、大爆発を起こした。


「ギャァァァァァァァァァァ!」


「だから跳ね返ってくるって俺は言ったんですよォォォォォ!」


「すまん! これはマジですまん! ワガハイの采配ミスだこれ!」


 飛び交う爆発の中、ハンガーたちはぶっ飛びながらこんなことを話していた。




 海の方でハンガーたちがひどい目に合っているのだが、アユもひどい目に合いそうな状況になっていた。薬の効能が切れ、アユの足は元の尾びれに戻ってしまったのだ。


「残念でしたねェェェェェ! 魚が陸の上で生活するなんてこと、絶対に無駄でしょうねェェェェェ!」


 邪悪な笑みを浮かべながら、シアンは剣を振り上げた。アユは魔力を開放して両手から大量の水を発した。


「そんなもん発してこの状況を打開するつもり? 珍魚が水を出したところで何も状況は変わらないのよ!」


「それが変わっちゃうんだなぁ! 私は魚! 水の中なら自由に動き回ることができるのよ!」


 この言葉を聞いたキトリはあることを察し、大声でこう言った。


「シアン! 今すぐ珍魚から離れて!」


「へ?」


 キトリの言葉を聞いたシアンは、どうして逃げるのかと聞きたそうな顔をしていた。その隙にアユはシアンの手を引っ張り、自身が発した水の中に入れた。ベーキウを助けようとするクーアはこの様子を見て、キトリにこう言った。


「まさかあの珍魚、自分が作った水の中で自由自在に動き回るつもりか!」


「うん……だけど、シアンがこの作戦に気付くのが遅かった」


 キトリは闇を発し、闇の鎌を作って援護に向かおうとした。だが、シアンはキトリに向かって大丈夫と言いたそうなジェスチャーをした。そのジェスチャーを見たキトリは闇の鎌を消し、様子を見た。アユもシアンのジェスチャーを見ており、笑みを浮かべてこう言った。


「あんた、仲間の援護がなくても大丈夫なの? このまま溺れさせることもできるんですけどねェェェェェ!」


 アユはそう叫びながら、尾びれを使ってシアンの首を絞めようとした。だが、シアンは魔力を開放し、周囲の水を弾いた。


「んなっ!」


「ただの水にこれほど苦戦する私じゃないわよ! こんなの、魔力の衝撃波でぶっ飛ばすことができるわ!」


「んなクソ!」


 アユは再び魔力を開放し、水を発しようとした。だがその前にシアンが光の鎖を左手から放ち、アユの体を縛った。


「しまった!」


「観念するのね! 痴女!」


 シアンはそう言って、アユを縛った光の鎖に力を込めて、砂の上に叩きつけた。周囲に砂煙が舞い、シアンは手で煙を払いながらアユを見た。


 力を込めて鎖を振り下ろしたけど、ここは砂の上。体が強くぶつかっても、ダメージは少量。


 シアンは心の中でそう思い、周囲を見渡した。すると、突如後頭部に衝撃を感じた。


「グガッ!」


「ハーッハッハ! 残念だったわね! 天は私に味方した!」


 シアンの後ろには、アユが立っていた。足元を見ると、アユの下半身は尾びれではなく、足であった。


「えー! ちょっと、さっきまで尾びれだったじゃなーい!」


「なんか薬の副作用で、魔力をちょちょーいと操作すれば尾びれと足を自由に変えることができるようになったのよ!」


「何なのそれー! ずるくなーい?」


「戦いに卑怯もクソもあるかァァァァァ!」


 アユはそう叫びながら、飛び上がって水を発し、下半身を尾びれに切り替えて水の中を移動した。シアンは盾を持ってアユの攻撃を防ごうとしたのだが、アユが発した水はシアンの後ろに動いた。


「なっ!」


「これでも喰らえェェェェェ!」


 アユは勢いよく水の中から飛び出し、その途中で尾びれを足に切り替えた。その結果、強烈な飛び蹴りがシアンの背中に命中した。吹き飛んだシアンはアユが作った水の中に入り、苦しそうにもがいた。


「ヒャッヒャッヒャー! あんたに勝ち目はないわね! 本気を出して戦ってもいいのよー?」


 勝利を確信したアユは、笑いながらこう言った。その時、シアンから恐ろしいほど強い魔力が解放された。


「本気を出して戦ってもいいのね。後悔しても知らないわよ? 遺言状が書きたければ、少しだけ時間をあげるわ」


 シアンから発する殺気を感じ、アユは思わず後ろに引いた。


 え? 何よこのちんちくりん? 滅茶苦茶強そうなオーラ出してるんだけど。


 アユは自身の命の危機を察し、後ずさりした。だが、シアンは光の光線を発し、アユの足元に命中させた。


「あば……ばばばばば」


「今度は外さないわ。風穴空いたら一応謝罪するわね」


「や……止めてください。勘弁してくだしゃい……」


 アユは泣きそうな声で、こう言った。




 その頃、騒動を察したヤイバがベーキウたちの元にやってきた。


「おいおい、痴女が暴れてるって話を聞いたんだけど」


「今、シアンと戦っているのが例の痴女じゃ」


 クーアの説明を聞き、ヤイバはシアンの殺気を感じておびえているアユを見た。その時、ヤイバの中に何かが走った。


「ヤイバさん? 手が空いてるなら、こっちを手伝ってほしいんだけど」


 キトリは棒立ちのヤイバに近付き、ベーキウの拘束を解く手伝いをしてくれと言った。だが、ヤイバは動かなかった。


「ヤイバさん!」


「おっへぇ! え? 何? 俺を呼んだ?」


 突如大声を聞き、ヤイバは慌てながらキトリの方を見た。その時のヤイバの顔は、少し赤くなっていた。この顔を見たキトリは、あることを察した。


 ヤイバさん、まさかあの痴女の珍魚に惚れた?


 そう思ったキトリは、ヤイバに近付いてこう聞いた。


「誰にも言わないから安心して。一目惚れしたでしょ?」


「ギックゥゥゥゥゥ!」


 この反応を見たクーアは、ため息を吐きながらヤイバの肩を叩いてこう言った。


「お前、女を見る目がないのー。あれは痴女じゃ。自分の欲望に素直に従い、暴走して酷い目に合うバカな女じゃ。それに、あいつは珍魚。魚と人が愛し合うことなんて不可能に近い」


「そりゃぁまぁ……そうだけどよ」


 と、ヤイバは顔を赤くしてこう言った。この様子を見たキトリは、ため息を吐いてこう言った。


「とにかくベーキウを助けるのを手伝って。なかなか拘束を解くことができないのよ」


 キトリはそう言ってベーキウに近付いた。そんな中、ベーキウはキトリにこう言った。


「キトリ、このままでいい」


「え? だってこのままだと動けないわよ」


「俺にいい案がある」


 ベーキウの言葉を聞き、キトリは動きを止めた。


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