己との戦いの詩
泣いて
泣いて
ただ泣いて
涙が出るが
切らねばならん
切り刻んで
前を向いて
焼いてしまって
焦げない様に
焦がしてはいけない
色が付くまで
待ち続けて
待ち望み
時間をかけて
手間をかけた分
味わいが増す
慌てず
ゆっくり
焼き尽くしてはいけない
水を差して
美味しさを足して
また 待たねばならん
煮込んで煮込まれて
ただ待つのみ
味見は程々
お玉一杯
程々のつもり
待った甲斐があった
スープをよそって
パンを焼いて
チーズは沢山
また焼いて
広がって
パセリ散らして
やっといただきます
伸びるチーズに
はははと笑い
口に含むの
思い留まり
身を引き締めて
火傷しそうで
先に涎を飲み込み
フーフー冷まして
やはり熱いが
もう無理限界
いやここまで来たんだ
せめぎ合う己との戦い
食欲と理性
これ以上は
考えてたら
程よく冷めた
よし 今だ
匙を口に
投げ込む様に
トロ〜リチーズが
まだやや熱い
パンに染み込む
旨味のエキスが
じゅわりと滲み出て
飴色玉葱
優しい歯触り
余り噛まずに
喉奥消えて
後に残るは
旨いだけ
忘れた息を
吸い込み 呼吸
まだ湯気立ち上る
器を目前に
己の理性を
試される
あ。
スープだけを
匙で冷まして
先にいただき
楽しんで
グラタン部分は
後回し
戦略も大事
オニオングラタンスープに
学んだ今日この頃
伸びるチーズと
格闘しては
全て腹に
収まった
終わり良ければ
全て良し
メモ:水島




