第一章 迷いの入り江-1
これは過去に書き切っている作品です。
今の連載作に影響はありません。
埋もれていくよりはと思い、投稿することにしました!
ちょこちょこ、上げていきたいと思います!
是非、読んで下さい!
※ここにプロローグを載せるべきところ、載せ忘れました。すいません。
二回目の投稿の第一章 完全版から読んでみて下さい。
ややこしくて申し訳ございません。よろしくお願いします。
第一章 迷いの入り江
新暦五百十一年。
世界でも最大の軍隊を持つ帝国、ダーケン帝国が、同じパルック大陸に在るニッケルド王国に侵略戦争を仕掛けた。
ニッケルド王国は、旧暦から存在する国で、穏健派が多い国柄で知られ、軍を持たない平和的国家であったことから、ダーケン帝国は世界中から非難を受けることになる。
しかし、ダーケン帝国はそんな事には構わなかった。ダーケン帝国に逆らってまで、ニッケルド王国に肩入れする国もパルック大陸には存在しなかった。
ダーケン帝国に逆らえば明日は我が身。どんな目に遭わされるか分かったものではなかったからだ。
大いに憤慨したのは、ニッケルド王国の友好国であったスコープ共和国である。
しかし、ダーケン帝国は真っ先にスコープ共和国のニッケルド王国駐留基地を攻撃。それを壊滅させた。
スコープ共和国は、ニッケルド王国やダーケン帝国とは別のアイラス大陸に在った。パルック大陸とアイラス大陸の間には霧海と呼ばれる濃霧に覆われた大洋が存在し、海からの進軍は実質不可能。
僅かに北で大陸同士が重なる陸路を進行するより手は無いのであるが、ダーケン帝国は早々とその陸路も封じたのである。結果、スコープ共和国軍は北の地でダーケン帝国軍と睨み合いという事態になってしまった。
開戦より一年。
ニッケルド王国は完全にダーケン帝国の手に落ちた。
ダーケン帝国は勝利宣言を行うと同時に、首都にあるニッケルド王宮に進軍した。
ダーケン帝国には欲する物が有ったのだ。ニッケルド王国が欲しかった訳ではない。土地も技術も不要であった。
ダーケン帝国が欲した物。それはニッケルド王国、否、王族にのみ伝承され、継承される国宝。
しかし、ダーケン帝国が王宮に着いた時、それは既に存在しなかった。ニッケルド国王の一人娘である、王女エミリ・ニッケルドと共に姿を消していたのだ。
ダーケン帝国皇帝ガーレ・ダーケンは怒り狂った。即座に、王族達に対し、尋問という名の拷問が実施されたが、誰もエミリの行き先を話す者はいなかった。頑なに口を噤んだのである。
そして来る五の月十六の日、ニッケルド王国国王を含む全王族の公開処刑が実施された。
ニッケルド王国国民は恐怖に慄いた。
しかし、誰も屈することは無かったのである。
国王の意志は確実に、人民に伝わっていた。
誇り高き人民達の協力により、王女エミリはニッケルド王国中心部より逃げおおせることが出来るに至ったのである。
ありがとうございました!
できれば1~2日毎に上げていきたいと思っています!
是非、次もよろしくお願いします!