彼ノ為ノ虚偽 ～愛憎が生んだ悪女への断罪劇～

2992年2月14にある女の処刑が決まる。
女の名はリーシャ・ラクラス。彼女は地図には存在しない架空王国・カルベシアの皇太子であるラメント・ヘルメス殺害の虚偽をかけられたのだ。

リーシャはある感情に身を任せ、思うがままに牢獄を脱出した後に街でスペルビアという青年と出会う。
そこでスペルビアはリーシャへこう言った。
「ラメント殺害の真実を知りたいのならば、ぜひ俺に飼われてはくれないか」と。

以降、彼女はスペルビアの部下である捜査官として恋人であるラメントを殺した犯人を追うことになる。
だが、勘違いはしないでいただきたい。
これは恋人を亡くし、彼を殺した虚偽をかけられた女の復讐譚ではない。
彼女の為に用意された虚偽が暴かれ、彼女の望んだ恋が成就する軌跡である。