こんな恋人は嫌だ
出会いがあれば必ず別れがあって、始まりがあれば必ず終りがある。
それはとても当たり前のこと・・・
「嘘でしょ・・・」
「・・・嘘じゃない。」
♪~~♪♪~♪♪
スマホから聴こえてくるのは悲しげなメロディ。
信じられなくて、信じたくなくて・・・
「嘘よこんなこと・・・」
口から溢れるのは繰り返す言葉。
「嘘よ・・・」
「しつこい。嘘ついたって意味ないだろ。俺の心はもう決まってるんだよ。」
嘘じゃないってことは、よく分かってる。なのにそんな言葉しか出ない。
・・・もう、無理なのかな?何をどうしても覆すことは無理なのかな?
目の前の現実に打ちのめされそうになる。
・・・いえ、まだよ。
諦めたらそこで試合終了。ーー私はまだ諦めたりしない。
ああ、でも、どうしたらいい?どうすることが最善?
ここが踏ん張り時なのに、心が千々に乱され、うまくやれない。
「これ以上お前には付き合いきれないんだよ。本と無理。別れる。」
私はどこで間違えたの?私はどうすれば良かったの?
「・・・何が駄目だったの?私の何が悪かったの?」
多分もう、今さらそんなこと考えたって無駄だと、言ってもしょうがないことだと分かってるのに、気づけば口から溢れていた。
時間を戻せるならやり直したい。
「言われなくても分かるだろ普通!?お前のそういうところだよ!」
勢いよく立ち上がった拍子に椅子が倒れ、ビクリとなり俯いてた顔をあげる。
これ以上何も言うことなどないと、彼は荒々しくドアを開け、そして乱暴に閉めた。
『爆発!!』
ちょっと目を離した隙に敵の魔法が炸裂し全滅・・・
・・・・・
・・・
・・
「うわぁああぁあーッまだやれると思ったのにぃいいいぃい!私のアーサー様がぁあああぁあうわぁああぁあ!やっぱ防御の要、白騎士が殺られた時点でもう無理なの覆せなかったぁあああぁああ!」
ひとしきり愛しのアーサー様に懺悔した後、乾いた喉を潤す。
「あれ?そう言えば彼って何の用だったんだろ?ーーまぁいいか。」
大事な用ならきっとまた後で言うよね!