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草剣物語〜精霊と少年の旅路〜  作者: 璃月 曽良
第五章
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光炎散る空へ『ユーリとワタバチ島の特訓』

 イロハのことを考えながら、黒猫は雷の精霊と共に光の柱を登っていました。少し余裕があるのかユーリは、光の柱の外に手をやり、ワタバチ島に登る途中の雲を掴んで、綿あめみたいだとはしゃいで食べてみましたが、それは、口の中で味もなく溶けていきました。


 光の柱の終点には美しい、薄紅色の雲が広がっていました。その雲は息をするように塊となって動いており、サンディッシュいわく、"モモカ"と呼ばれる雲の精霊なのだそうです。 

 

 サンディッシュは、ユーリに念を送りました。

 

「うわっ、頭いたっ!サンディッシュ様、また急にメッセージ送ってこられると困るんすよ……んで、なになに?」


 ユーリはゆっくり解読しました。


「ダイ……ケン……大剣?あ、スノーベルのときの大剣ね、そういや使ってなかったな。んで、大剣を使って、モモカを斬らずに1か所に集める特訓?……?何が身につくんだこれ?まぁ、やってみっか」


 ワタバチ島の時間は不思議で、1分が地上では1時間となり、1時間滞在すると、60時間たち、ユーリが気づかないうちに、みんなは2日半ユーリの帰りを待っていました。


~ノーヴィの森~


「七尾?私ね、ユーリもサクも昔から付き合い長くて色々見てきたの。サクは気が弱いからすぐいじめられて、私でも勝てない相手も、ユーリはすぐ倒しちゃって、あっと言う間に、最年少国家騎士になんかなっちゃて、サクも強くなってくし、私置いてけぼりでさ。」


「ごめんね、イロハちゃんちょっと別のこと考えてた。私、友達って今まで居なかったから、付き合い方とかよくわからなくて、何ていうか、こんなふうに愚痴や相談もらえるのが正直嬉しいの」  


「嬉しい……か、私もちょっとわかるかも。私ね、ユーリが帰ってきたら背中押してあげるの。守られるばかりじゃなくて、なんてーの?、お返しをね!」


「ふーんっふふっ」


「なに!七尾がやらしい目してる!」


 長い夜のノーヴィの森でしたが、七尾と、イロハの仲を深めるのには丁度いい休息でした。


 その頃サンディッシュは心を鬼にしてユーリの特訓に勤しんでいました。


~ワタバチ島~


 なかなか集まることのないモモカに苛立ちを覚えたユーリでしたが、脳裏に愛しきイロハでが浮かび、その後で笑いかけるサクも浮かび、何とか冷静さを取り戻しました。


 ゆっくり、心に自問自答します。

 焦るな、無重力状態の綿の動きを読め。空気中の熱の飛び散るイメージをつかめ。耳の先から伝わる微々たる静電気をの熱「……うみゃ!」


 変な声とともにユーリは何かを掴みました。

 

「そうだ!静電気を剣の矛先に束ねて……こーだ!」


 ユーリは、剣の矛先に静電気を集め、バチバチと弾ける剣先でモモカを集めました。そして、集まったモモカはみるみるうちに巨大な積乱雲となり、ユーリの前に立ちはだかりました。   

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