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草剣物語〜精霊と少年の旅路〜  作者: 璃月 曽良
第五章
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響く魂の声『かぜとニネと桜餅』

 スノーベル大陸を後にすること5日、その乾ききった大陸は悠々と姿を現しました。この5日間、各々はアレンと桜生国の国家騎士資格を持つユーリに戦い方を学び、時には休憩し、技を磨きながら親睦も兼ねて特訓しました。

 

 すると、何やらアレンとユーリが首を傾げているので


「どうしたのよ?ユーリ?」


 といろはが聞いて見ると、


「いやぁな?……」


 とユーリはアレンと目配せしました。


 「いやぁ、イロハちゃんはスノーベルんとこの雪山で鍛えられたのか、迷いはあるが技の判断力がいい。

ケイは文句なしのセンスを持ってる。迷いもないし、鋭い殺気がまたいい。

問題は……サク。

迷いだらけに隙だらけ、かぜか?ニネか?何が心配だ?ミライとかいうやつの手下が死んだことか?

そんなことでどうする。いちいち哀しいので役に立ちませんじゃ、ホント邪魔。

鍛えるから覚悟してね」


 ユーリは話していてホントは心は震えてて、八つ当たりみたいだって思いながらも、スノーベル王国ではイロハが活躍し、何もできなくて悔しいのをサクにぶつけただけでした。


「ちょっとユーリ言いすぎじゃない?サクは昔から虫も殺せない優しい子なの、小さい時から私とユーリでサク支えようって決めたでしょ?」


「だったらお花畑ででも遊んできなよ、イロハちゃん。俺は風に当たってくる」


 幼い頃、孤児院で言葉の話せない子が居るのだと、イロハは学校でユーリに話しました。言葉が話せないサクはののしられることも多々あり、その度にかばうイロハの姿にユーリも惹かれ一緒にサクを助けていこうと決めました。


 風に当たりながら昔のことを思い出していて、そこに気遣い屋のケイが現れ


「柄になく強く出ましたね。確かにサクは心が弱すぎますが、もっと上手にフォローできる道もあるのではないですか?今のままでは脅しです」


 風に飛ばされてきた水しぶきが、熱されたユーリの頭を冷やしてゆくたび、冷静に昔を思い出しながらユーリは荒立っていた事を反省しました。


 そしてサクへの誤り方が分からず、しばらくサクの後ろを行ったり来たりしていました。


「これ好きでしょ?桜餅」


 イロハがサクの小ぶりな口に桜餅をぶち込むと、サクはホロリと目頭が熱くなりました。傍から見ればイロハがサクを泣かせたように見えて、アチャーっとみんな影から見ていました。


 けれど、イロハの強引さに泣けたのではなく、かぜが前にお腹すいた時に作ってくれたのを思い出して泣けていたのでした。

 そしてその背後から聞き慣れた声がするとともに、いきな両目をふさがれました。そして……


「わっ!サクお兄ちゃん!ニーネだ!あ!だーれだ?」


「ぶはっ俺っちもう限界。にねちゃん肝心なとこで間違えるんだもん」


 突然現れたニネにユーリも打ち解けることこさができ、何よりサク以外驚いていないことにサクは驚いていました。そこに七尾が桜餅のお供にと紅茶を入れてきました。

 

「サク、おかゆ以外のもの食べれるようになったのね、良かった。ニネちゃんのことはごめんなさい。出港したときには船にいたの。サクにはとっておきが来たら話すつもりだったの。今がいいのかも知れないわね」


「サクにい、なかないの!ニネもかぜちゃんにあいたいけと、いまはがまんする!それにファルレもいるよ!」


 ニネのリュックから白ウサギの耳が伸びて見え、それはかぜが可愛がっていたファルレだとすぐに気づきました。七尾のいう"今がいいのかもしれない"というのは、"支えがあっても良いのかもしれない"ということでしょうか、サクは色々と考えました。


 "誰かのために"そう思えたとき、心は熱くなって強く護れる勇気になる。そんな気もしていました。


 両目を隠す、小さなニネの手にそっと自分の手を添えて、サクはもっと強く有りたいと願うのでした。 




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