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草剣物語〜精霊と少年の旅路〜  作者: 璃月 曽良
第四章
38/62

氷の華舞う大地『セル山の主、雪の龍』

 気合い入れたものの、あまりの寒さに凍える体。イロハは自身の決意を揺らいでいました。そんなことなど知りもしないであろう山の主は口からあふれる冷気をこちらに漂わせにらみつけてきました。


 「なんなのよ、もう……!わかってるわよ、いくって!」


 イロハの決断とともに山の主は、左から右に凍てついた-100℃の冷気を吐き出しました。

 

「きゃっ」


 イロハはあまりの冷気の勢いに少し引き気味になりましたが、何とか冷静になりました。本来ならひとたまりもないところでしたが、四属性のかごのある者は平気でした。

 四属性のかごを受けていない七尾とアレンは危ないところでしたが、七尾は瞬時に現れたサクが抱えて、アレンは自力で助かりました。


 アレンは普段から特訓していて、この辺にも土地勘があったので動きも俊敏で一番頼りになりました。


 山の主はイロハを見ると、


「さぁ来い、水の加護を受けし者よ。恐怖に打ち勝ち乗り越えてみよ、己の弱さを」


 これは、水の試練。水の加護を受けるイロハにしか超えられないもの。イロハは一歩前に踏み出し、特訓の成果をみせることにしました。


 イロハは主の足元に念をおき、雪と板をイメージし、両手でお祈りのポーズをしながら一瞬で足元の雪を氷に変えて見せました。

 主は足元を滑られそうになりましたが、なんとか持ちこたえ、自身の太く長い尻尾でイロハを弾きました。


 アレンと違って動きの鈍いイロハは、思いっきり地面に頭を打ちつけ、一瞬真っ白く意識が飛びました。

 イロハは頭から血を流しながらも立ち向かい、イロハのその目は一瞬何倍もデカい体の主をビクッとさせました。


「良い目になった、水の加護を受けしもの。さぁ……来るがよい……!」


 イロハはかぜの思い、冷徹なミライ、いろんな事が頭をよぎっていました。そして大きく息を吸い込み、力強くゆっくりと吐き出しました。


 イロハは今度は個体に念を置きました。大きな氷柱をイメージし


「ギアセル・ラーゼ」


 と、唱えると主の体を傷つけぬよう脇と腹、首筋スレスレに身動きが取れぬよう氷柱を落としました。体の自由を奪われた主は、イロハならば大丈夫だと、認めました。


「水の加護のもの、弱さを少し克服し見事我から自由を、奪った。傷つけぬ戦い方が何処まで通ずるかわからぬが、それもまた主らしさ、さぁフルートを手にするがよい」


 イロハはユーリが弾かれていたのを見たので、フルートに対して恐怖感がありました。目を閉じてゆっくりバラブを張っている水のフルートにふれると、フルートはバラブを解除しイロハの手の中に納まりました。


「ユーリ、ほら起きてー」


 気絶したままのユーリにイロハは良い実験台だとフルートを吹いてみました。


……それはまるで阿鼻叫喚だったといいます。


 音なのか?不協和音、黒板をひっかく音、断末魔……どれにも例えきれない程の地獄音。ある意味正解だったのかあまりの音にユーリは目を冷ましました。それに気づいたイロハとともに地獄音も収まりました。


「……あはは……すごい音だったわね……こればかりは楽器のとの波長もあるし帰ったら王妃様に色々聞いて見ましょう。イロハちゃんのフルートの腕鳴らしはそのあとがいわね……。ひとまず王都に帰りましょうか。」


 七尾の掛け声とともに一行は、スノーベル王国へ帰ることにしました。










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